正直に言うと、私はワインで頭が痛くなることがあります。他のお酒より酔いが早い自覚もあって、ワインだけは昔から少し身構える相手なんですよ。
だから私も「ワイン 頭痛」で検索したことがあります。出てきたのは亜硫酸塩、ヒスタミン、チラミン、タンニン、アセトアルデヒド。成分の名前がずらりと並んでいて、結局どれが犯人なのか分からないままページを閉じました。
ただ、その検索の仕方が間違っていたんです。ワインの頭痛には、飲んでいる最中に出るものと、翌朝になって出るものがあって、この2つは国際的な診断基準の上で、別々のものとして定義されています。出るまでの時間も、疑うべきものも、やることも違う。まずここを分けないと話が噛み合いません。
立ち位置も先に書いておきます。私の仕事はお酒に関わっていますが、ワインを売って利益を得る立場にはいません。ワインをやめさせたいわけでも、無添加ワインを売りたいわけでもない。ただ自分が痛くなる側なので、調べただけです。
※この記事は診断や治療の代わりにはなりません。症状が続く場合や不安がある場合は医療機関にご相談ください。また、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
- ワインの頭痛は「3時間以内の即時型」と「5〜12時間後の遅延型」に分かれる(国際頭痛分類ICHD-3)
- いま頭が痛いときにできること・やらないほうがいいこと(時間/鎮痛薬/水)
- 飲酒のせいにせず、受診を考えたほうがいい状況
- ワイン1本=純アルコール72gと、厚労省が「避けるべき」とする60gの関係
- 亜硫酸塩は貯蔵〜ビン詰めでは赤より白が多い、という国税庁資料の目安
- ヒスタミンは1杯なら桁が足りない。閾値に届く量を飲むころには、純アルコール量のほうが先に効いてくる
- 2023年のケルセチン仮説で、何が分かって何が分かっていないのか
結論|ワインの頭痛は2種類ある。まず「3時間以内」か「翌朝」かを確かめる
ワインの頭痛の話は、ここから始めないと噛み合いません。ワインによる頭痛は1つの現象ではなく、2つに分けて定義されています。
国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)日本語版・日本頭痛学会は、アルコールによる頭痛を2つに分けています。ひとつが 8.1.4.1「即時型アルコール誘発頭痛」、旧称はカクテル頭痛。もうひとつが 8.1.4.2「遅延型アルコール誘発頭痛」、旧称は二日酔い頭痛です。
分けているのは名前だけではありません。それぞれに別々の診断基準が置かれていて、頭痛が出るまでの時間が違います。即時型はアルコール摂取後3時間以内、遅延型は5〜12時間以内。
そして両方に共通しているのが「72時間」という時間です。ICHD-3は 8.1.4 の解説で「頭痛は自然寛解する」と書いていて、診断基準にも72時間以内に消失することが含まれています。いま痛い人にとっては、この見通しがあるだけで少し違うはずです。
ただし「72時間経てば必ず治ります」という保証ではありません。ICHD-3は診断のための分類で、治り方を約束する文書ではないからです。読み方としては「この分類に当てはまる頭痛は72時間以内に自然に消えるものとして定義されている。逆に言えば、消えないなら別の可能性を考える段階に入る」となります。
もうひとつ、ICHD-3のコメントに大事な一文があります。即時型は遅延型より「はるかにまれ」だ、と。つまり多くの人が経験しているのは翌朝に来るほうだ、ということになります。
| 即時型(ICHD-3 8.1.4.1) | 遅延型(ICHD-3 8.1.4.2) | |
|---|---|---|
| 旧称 | カクテル頭痛 | 二日酔い頭痛 |
| いつ出るか | アルコール摂取後3時間以内 | アルコール摂取後5〜12時間以内 |
| いつ消えるか | 摂取中止後72時間以内に消失 | 発現後72時間以内に自然消失 |
| 頭痛の特徴(いずれか1つ以上) | 両側性/拍動性/身体的活動により増悪 | 両側性/拍動性/身体的活動により増悪 |
| どちらが多いか | 遅延型より「はるかにまれ」とICHD-3が明記 | 二次性頭痛のなかで最もよくみられる頭痛の1つ |
| メカニズム | ICHD-3は明示していない | 「中毒効果なのか、8.1.1.2『遅延型一酸化窒素供与体誘発頭痛』に類似したメカニズムが関与しているかは不明」とICHD-3が明記 |
なぜ「どっちか」で話が変わるのか
出典は国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)日本語版/日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会の第8章です。診断基準を要約した表なので、これで自己診断が完結するわけではありません。自分の頭痛がどちら寄りかを見る道具として使ってください。
見ていただくと、「頭痛の特徴」の行だけが両者でまったく同じです。両側性・拍動性・身体的活動により増悪、この3つのうち1つ以上という条件が、即時型にも遅延型にも同じように置かれている。つまり痛み方では区別できない。手がかりになるのは時間だけなんですよ。
ここが分岐点です。即時型なら「何を飲んだか」を疑う意味がある。遅延型なら「どれだけ飲んだか」を先に見たほうが早い。即時型はグラス1〜2杯でも30分から3時間で出るタイプで、飲み過ぎとは限らない。一方の遅延型は翌朝に来るもので、飲んだ量そのものと切り離せないからです。ただし、即時型だから成分のせいだと決まったわけでもありません。ICHD-3は即時型のメカニズムについても何も示していないので。

いま頭が痛い人へ|先にやること・やらないほうがいいこと

先に正直なところを書きます。ワインの頭痛に対して「これを飲めば消える」と言い切れる方法を、私は提示できません。なのでここでは、確からしいことだけを時間、鎮痛薬、水の順に並べます。
ここに書いていないものが1つあります。二日酔い対策のドリンクやサプリです。公式表示と公的資料を突き合わせる作業が別途必要になるので、当ブログでは別の記事にまとめてあります。
主役は時間|ICHD-3は「72時間以内に自然消失する」と定義している
前の見出しのとおり、どちらの型も72時間以内に消失するものとして定義されています。ただし時計の起点が違います。
即時型は「摂取中止後」72時間以内、遅延型は「発現後」72時間以内と書き分けられています。つまりいま飲んでいる最中に痛くなったのなら、そこで飲むのをやめることが、時計が動きはじめる側の条件になっている。これは治療法ではなく分類の定義ですが、いま痛い人がとれる行動のうち、唯一診断基準の側に書かれているものではあります。翌朝に出た遅延型のほうは、すでに飲み終わっているので、この起点の話は当てはまりません。
そのうえで、残りはどうしても消極的なものになります。暗くて静かな場所で横になる。強い光と大きな音を避ける。強い根拠があるという意味ではなく、悪化させにくい環境をつくるくらいの話ですが、痛いのを我慢して動き回るよりはいい。
逆に、72時間を過ぎても消えない場合。これはもうこの分類の枠から外れています。その場合は次の見出しに進んでください。
鎮痛薬|自己判断で足さない。添付文書には飲酒に関する注意が書かれている
「ワインの頭痛に頭痛薬は飲んでいいのか」という検索は、実際にあります。黙って素通りするのは不誠実だと思うので書きますが、ブログが薬を勧める形にはしません。
まず事実として、解熱鎮痛薬の説明文書には、飲酒に関する注意が書かれています。医療用医薬品であるアセトアミノフェンの添付文書では、「9.1.1 アルコール多量常飲者」の項に「肝障害があらわれやすくなる。」と明記され、相互作用(併用注意)の項には「アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。」と書かれています。
ただしこれは医療用の添付文書で、市販薬に入っている説明文書とは書式も項番の体系も違います。手元の箱の紙で「9.1.1」を探しても見つかりません。市販の解熱鎮痛薬なら、飲酒に関する注意は「してはいけないこと」などの欄にあるのが通例です。
着地点はひとつです。どの成分の薬が自分に合うか、いま飲んでいる薬と併用してよいかは、体質・持病・服薬状況で変わります。購入するときに薬剤師に相談するか、かかりつけ医に確認してください。逆に「飲んではいけない」とも書きません。判断できる相手に渡すところまでが、この記事の仕事だと思っています。
この記事は医薬品の使用を勧めるものでも、止めるものでもありません。服用の可否は薬剤師・医師にご相談ください。
水|飲んでいい。ただし「水を飲めば軽くなる」は確かめられていない
「水を飲めば二日酔いが軽くなる」という説明、ほとんどの記事に載っています。ところが2024年に出たレビュー(Mackus, Verster ほか/Alcohol 121巻 9-18頁)は、飲酒中・直後の水分摂取は翌日の二日酔いの予防にわずかな効果しかなく、二日酔い当日に飲んだ水の量は症状の重さとも関係していなかったと結論しています。著者らは、脱水と二日酔いは同時に起きるが、別々のメカニズムによる独立した帰結である、と述べています。
ただし、ここには3つのただし書きが要ります。
ひとつ。これは「水を飲むな」ではありません。否定されたのは「水を飲めば二日酔いが軽くなる」という因果のほうで、水を飲むこと自体は否定されていません。
ふたつ。この研究が測っているのは二日酔い全体の重さ(0〜10の1項目スケール)であって、頭痛だけを切り出した解析ではありません。「頭痛に水は効かない」と言い換えるのは行き過ぎです。
みっつ。これはレビュー論文であって、メタアナリシスではありません。また複数の著者が、飲料メーカーからの研究助成やコンサルタント契約を利益相反として開示しています。都合のいい研究だけを引いてきた記事にならないよう、隠さず書いておきます。
こういう頭痛は、飲酒のせいにしないで受診を考える
ここは短く書きます。長く書くと、不安を煽るだけになるので。
飲んだ後の頭痛には、飲酒とは別の原因による頭痛が紛れることがあります。「飲んだ後だから」で片付けないほうがいい状況を、先に並べておきます。
- 突然始まった、これまで経験したことのない激しい頭痛(「雷鳴頭痛」という言葉で調べられます)
- 手足の麻痺、呂律が回らない、視野の異常、意識がはっきりしないなどを伴う
- 発熱や、首の硬さを伴う
- 頭を打った後である
- 72時間を過ぎても消えない
- これまでと明らかに様子が違う、あるいは繰り返し起きている
当てはまるものがあれば、迷わず受診してください。この記事は診断の代わりにはなりません。迷ったときは受診する、でいいと思います。
成分を疑う前に|ワイン1本=純アルコール72gという数字
ここからが、この記事でいちばん地味で、いちばん説明力のある数字です。
厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年2月19日)は、純アルコール量の計算式をこう示しています。「純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」。ワイン1本は750mLなので、度数12%なら 750 × 0.12 × 0.8 = 72g。14%なら84gです。
そして同じガイドラインには、こうも書かれています。「一時多量飲酒(1 回の飲酒機会で純アルコール摂取量 60g以上)は、外傷の危険性も高めるものであり、避けるべきです。」
ワイン1本は、避けるべきとされる60gを普通に超えます。この60gは、ストロングゼロはやばいのかを書いたときにも出てきた数字で、お酒の種類に関係なく効いてきます。多くの人が経験する翌朝の頭痛については、飲んだ量だけで説明がついてしまうことが少なくない。犯人探しは、その次でいいと思うんですよ。
注意を1つ。同じガイドラインには「男性40g・女性20g」という数字も出てきますが、これは健康日本21などの目標値として引用されているもので、「なお、これらの量は個々人の許容量を示したものではありません。」と明記されています。個人の適量として引用してはいけない数字なので、この記事では使いません。
| 飲んだ量 | 12度の場合 | 14度の場合 | 一時多量飲酒(60g)との関係 |
|---|---|---|---|
| グラス1杯(150mL) | 14.4g | 16.8g | まだ余裕がある |
| グラス2杯(300mL) | 28.8g | 33.6g | 半分前後 |
| ハーフボトル(375mL) | 36.0g | 42.0g | 6〜7割 |
| グラス4杯(600mL) | 57.6g | 67.2g | 14度なら超える |
| フルボトル1本(750mL) | 72.0g | 84.0g | どちらも超える |
「そんなに飲んでいない」という感覚と、実際の量はずれる
表の一番下、フルボトル1本の行を見てください。12度で72g、14度なら84g。どちらも60gを超えています。ここで念のため、60gは「避けるべき」とされる量であって、「59gなら安全」という線ではありません。表は、自分が飲んだ量を数字にしてみる道具として使ってください。
そのうえで、実感とのズレの話を。レストランで出てくるグラスワインは120〜150mLが標準です。ところが家で飲むときのグラスは各自の裁量で、しかも減ったら注ぎ足す。何杯飲んだのか、正直あとから分かりません。ボトルを2人で開ければ1人375mLで36g、3人なら250mLで24g。数字にすると急に具体的になります。
もう1つ、ワインは度数の幅が広い。11%台のものから15%を超えるものまであります。同じ「1杯」でも、中身の量も度数も違うということですね。銘柄ごとの度数と純アルコール量はワインのアルコール度数にまとめてあります。
「白のほうが飲みやすい」は、量が増えているだけかもしれない
ここは私の実感の話です。
私はもともとワインが得意ではありませんでした。とくに赤の渋みが苦手で、飲むなら白一択だった。いまは赤も好きになって料理によって使い分けていますが、白のほうが飲みやすいというのは、いまも変わりません。そして飲みやすいぶん、つい量が増えている自覚があります。測ったわけではないので、あくまで自分の実感です。
ここで、噛み合っていない3つのことが並びます。世間の通説は「赤ワインが頭痛の原因」。国税庁の資料が示す目安では、ビン詰め時点の亜硫酸は白のほうが多い(次の見出しで扱います)。そして私の実感は「白のほうが量が進む」。
よく見ると、後ろの2つは同じ方向を指しています。入っている成分の量でも、飲んでしまう量でも、白のほうが多くなる理屈が立つ。それでも世間で言われ続けているのは「頭痛といえば赤」のほうです。白のほうが多いという筋が2つ揃っているのに、通説はまったく逆を向いている。どちらが正しいのかを決める材料を、私は持っていません。ただこの食い違いは、赤と白の成分量の差で頭痛を説明するという筋自体が、そんなに強くないことを示しているようには思います。
そのうえで、私が自分について言えることは1つだけです。飲みやすさは、量を増やす方向にはたらく。成分の差を論じる前に、赤と白で自分が飲んだ量が本当に同じだったかを疑ってみる価値はあると思います。
念のため、私は「白のほうが頭痛が出やすい」とも「赤のほうが出やすい」とも言っていません。これは私個人の実感であって、確かめられた話ではありません。


亜硫酸塩(酸化防止剤)は犯人か|国税庁の資料で確かめる
ここからが成分の話です。最初に名前が挙がるのが亜硫酸塩、いわゆる酸化防止剤ですね。
用語を整理しておきます。ネットでよく見る「酸化防腐剤」は誤りで、ラベルに用途名として表示されるのは「酸化防止剤」です。ただし「だから防腐の働きはない」というのも正しくありません。国税庁の資料は亜硫酸の抗菌作用について「酵母や細菌の活動や生育を抑える作用があり、十分な濃度があれば、これらを死滅させることができます」と書いていますし、添加物としての用途区分も「酸化防止剤、保存料、漂白剤」です。働きは1つではない、というのが正確なところ。
その役割は、国税庁「酒類製造における亜硫酸の適正使用について」(令和5年3月)にこうあります。「亜硫酸には、酸化の防止、有害な微生物の殺菌や繁殖の防止、不快な刺激臭を抑制することなど様々な効果があることから、特に果実酒(ワイン)や甘味果実酒の製造の様々な段階で使用されています。」
法令上の基準も同じ資料に書かれています。食品衛生法により、二酸化硫黄の残存量として果実酒・甘味果実酒・雑酒は0.35 g/kg 未満。「以下」ではなく「未満」で、換算すると350 ppmです。
そして、この資料でいちばん驚いたのがここでした。同資料が貯蔵時とビン詰め時の目安として示している遊離型亜硫酸の量は、赤ワインより白ワインのほうが多い。日本の公的な資料が示す目安と、「赤ワインだから頭が痛くなる」という通説は、正面から食い違っています。なおこの目安(数十 mg/L)は、法定基準の350 ppmとは桁が違います。上限いっぱい使われているわけではない、ということです。
| ワインの種類 | 貯蔵時の遊離型亜硫酸の目安 | ビン詰め時の目安 | 通説との関係 |
|---|---|---|---|
| 赤 | 20〜30 mg/L | 10〜30 mg/L | 「頭痛の原因」と言われがちだが、3つのなかで最も少ない |
| 白(ドライ) | 30〜40 mg/L | 20〜30 mg/L | 赤より多い |
| 白(甘口) | 40〜80 mg/L | 30〜50 mg/L | 最も多い |
そもそも何のために入っているのか
この表は国税庁「酒類製造における亜硫酸の適正使用について」(令和5年3月)が Handbook of Enology vol.1 を引用して示している実務上の目安です。国税庁の自前データではなく引用データで、個々のワインの実測値でもありません。
もう1つ、正確に言っておくべきことがあります。「白のほうが多い」と言えるのは、貯蔵からビン詰めにかけての段階です。同じ資料の仕込時の目安(ブドウ果の状態別)は、健全なブドウ果で赤50・白50、糖度が高く酸が低い場合で赤50〜80・白60〜80と、ほとんど差がありません。工程を限らずに言い切ると言い過ぎになります。それでも、「赤ワインだから亜硫酸が多い」という通説が成り立たないことは変わりません。
では、そもそも何のために入っているのか。酸化を防ぐこと、微生物をコントロールすること、そしてもう1つ、刺激臭を抑えることです。同じ資料にこうあります。「亜硫酸は、アセトアルデヒドやピルビン酸、グルコース、アントシアニン等と結合して、結合型亜硫酸になります。アセトアルデヒドは、特有の刺激臭のある物質で、発酵中の酵母の作用や、貯蔵中のエタノールの酸化などにより生成しますが、亜硫酸と結合することで、臭いが抑えられます。」
つまり亜硫酸が入っていることで、むしろ抑えられている物質もある、という構図なんですよ。酸化するとワインがどうなるのかはワインの賞味期限と保存方法で書いています。
念のため、これは「だから体に良い」という話ではありません。この資料が触れているのは製造現場での取扱いまでで、飲む側の健康影響や頭痛については一言も述べていません。
喘息のある人の亜硫酸過敏は、頭痛とは別の話として区別する
亜硫酸に対する過敏反応が知られているのは主に喘息のある人で、知られている症状も呼吸器系のものです。ここで大事なのは、これを「だから頭痛も亜硫酸のせい」に流用しないこと。別々の話として区別しておく必要があります。
該当する可能性がある方は、自己判断せず、かかりつけ医や専門の医療機関にご相談ください。
ヒスタミン・チラミンはどこまで説明できるか
次はヒスタミンとチラミン、生体アミンと呼ばれるグループです。「赤ワインに多い」というところまでは、たいていの記事に書いてあります。問題はその先で、実際どれくらい入っているのかを書いている記事がほとんどない。
2019年の論文(Esposito ほか/Molecules 24(19):3629)が実測値を出しています。ヒスタミンは赤ワインで中央値2.45 mg/L、白ワインで0.28 mg/L。中央値で見ると、赤は白の約9倍です。論文はこの差を、赤ワインの製造で一般的なマロラクティック発酵によるものだと説明しています。では、その量がどれくらいなのか。1杯に換算して並べてみます。
| 赤ワイン 中央値(95パーセンタイル) | 白ワイン 中央値(95パーセンタイル) | グラス1杯150mL換算(赤・中央値) | |
|---|---|---|---|
| ヒスタミン | 2.45 mg/L(9.32 mg/L) | 0.28 mg/L(2.41 mg/L) | 約0.37 mg |
| チラミン | 3.20 mg/L(8.24 mg/L) | 0.31 mg/L(0.78 mg/L) | 約0.48 mg |
1杯なら桁が足りない。ただし「よく飲む人」まで含めると話が変わる
表の数字について、先に2つ断っておきます。括弧内は最大値ではなく95パーセンタイル値です(論文の表の見出しがそうなっています)。そして右端のグラス1杯換算は、濃度から本記事が計算した値で、論文が出している数字ではありません。
そのうえで。グラス1杯(150mL)で摂るヒスタミンは、赤ワインの中央値で約0.37 mg。一方、感受性のある人で症状が出うるとされるのは1回あたり4 mg程度からです。これは同じ論文が引用している Menne ら(2001年)の二重盲検試験の値で、対象となった患者の30%に症状が出た水準とされています。1杯だけなら、桁が1つ足りません。
ここで「だから無関係です」と書きたくなるところですが、それをやると事実を1つ落とします。論文が実際に計算しているのは、1杯あたりではなく1日あたりの摂取量で、しかも年齢層・性別・濃度の高低で層別してあります。消費量が中央値の人ならヒスタミンは1日0.026〜1.547 mgで、確かに4 mgに届きません。ところが消費量が上位5%に入る層では、条件の悪いケースで1日4.473 mgまで上がります。チラミンも4.040 mg。論文自身、一部の高消費者グループで生じる曝露値は見過ごされるべきではない、と書いています。
ただし、この2つの数字を並べるときには断りが要ります。4 mgは1回に摂った量、4.473 mgは1日の合計です。枠組みが違うので、そのままでは比べられません。重なるのは、その日のワインを1回の食事でまとめて飲んだ場合だけです。ワインの飲まれ方としては現実的だと思うので以下はその前提で書きますが、論文がそう言っているわけではありません。
そのうえで、ここからは本記事の計算です。同じ論文の濃度で割り戻すと、1日4.473 mgに届くのは、濃いほうの赤(95パーセンタイル 9.32 mg/L)で約480 mL、中央値の濃さ(2.45 mg/L)なら約1.8 L。グラスにして3杯強、あるいはボトル2本半です。
ここで「成分を疑う前に」の見出しの表に戻ってください。純アルコール量に直すと(12度)、480 mLで約46 g、1.8 Lで約175 g。ヒスタミンが閾値に届く量を飲むころには、純アルコール量のほうが先に「避けるべき」とされる60 gに迫っているか、とっくに超えている。「よく飲む層では閾値に届く」という話は、成分の話に見えて、中身は量の話なんですよ。
なので正確な立ち位置はこうです。グラス1〜2杯の頭痛をヒスタミンで説明するのは無理がある。かといって閾値に届くまで飲んだのなら、今度は純アルコール量のほうが先に説明してしまう。どちらに転んでも、成分より先に量を見ないと話が始まらないんですよ。著者ら自身も「曝露量は毒性の閾値より低いが、感受性のある個人ではヒスタミン不耐に合致する症状につながりうる」と両論を残しています。さらに、アルコール自体がヒスタミンを分解する酵素(DAO)の活性を下げることが知られている、という議論もある。食品から摂るヒスタミンと同じ物差しで測っていいのかも、確定していません。
ついでに1つ。ICHD-3にも「8.1.6 ヒスタミン誘発頭痛」という項目がありますが、あれは皮下、吸入または経静脈的に投与されたヒスタミンについての記述で、ワインを飲んだ話ではありません。混ぜて引用すると誤りになります。
タンニンについても一言。犯人としてよく名前が挙がりますが、今回調べた範囲では裏付けと呼べる資料が見つかりませんでした。タンニンの多い少ないという話自体はワインのフルボディとはに預けます。
2023年に出た新しい仮説|ケルセチンとALDH2
2023年に、新しい仮説が出ました。ネットでは「赤ワイン頭痛の原因が特定された」という形で紹介されているのを見かけますが、論文はそこまで言っていません。ここは丁寧に書きます。
論文は Devi A, Levin M, Waterhouse AL.「Inhibition of ALDH2 by quercetin glucuronide suggests a new hypothesis to explain red wine headaches」Scientific Reports、2023年(doi:10.1038/s41598-023-46203-y)。カリフォルニア大学デービス校のブドウ栽培・醸造学部門と、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の神経内科による共同研究です。タイトルの “suggests a new hypothesis”(新しい仮説を提示する)が、そのまま論文の立ち位置を示しています。
何をした研究かというと、試験管内(in vitro)の酵素阻害アッセイです。成分がALDHという酵素をどれくらい阻害するかを測ったもので、人に飲ませた試験ではありません。仮説の中身はこうです。赤ワインに多いケルセチンが体内でケルセチングルクロニドに代謝され、これがALDH2、つまりアセトアルデヒドを酢酸に分解する酵素を阻害する。結果としてアセトアルデヒドが溜まり、顔面紅潮・頭痛・吐き気が起こりうる——という筋道。ケルセチン-3-グルクロニドのIC50は9.62 µMで、試験した化合物のなかで最も強い阻害を示しました。正確に言うと、これはワインにそのまま入っている成分ではなく、ワイン由来のケルセチンが肝臓で代謝されてできる物質です。
筋道としては、たしかに面白い。この記事の最初に見た即時型(3時間以内)の時間軸と、論文が記述する赤ワイン頭痛の出方(グラス1〜2杯・30分から3時間後)がぴたり重なるからです。赤と白の差も説明がつく。論文は、白ワインの総フラボノール量(微量〜7 mg/L)は赤ワイン(4〜93 mg/L)の「ほぼ10分の1」だと記述しています。
ただ、ここからが本記事でいちばん慎重に書くところです。IC50は「酵素の活性を半分に抑える濃度」であって、「ワインを飲むとこの濃度になる」という意味ではありません。論文は赤ワインの摂取で血中に同程度の濃度が達すると報告されている、と述べていますが、挙げられている実測値は0.026 µM・2.74 µM・4.19 µMと報告によって大きく開いていて、いずれもIC50の9.62 µMには届いていません。
そして最も大事なところ。論文自身が、この仮説を検証するにはヒトを対象にした試験が必要だと2回書いています。2026年8月時点で、その結果報告は確認できませんでした。つまり人が実際に赤ワインを飲んだときにこの現象が起きるのか、どのくらいの量で起きるのか、個人差がどこから来るのか、そもそもこの仮説が正しいのか——分かっていないのは全部です。面白いことと、確かめられたことは別なんですよ。
顔がすぐ赤くなる人には、他人事に思えない筋道ではある
私は酒には強いほうです。ビールを何杯か飲んだくらいでは、自分でも変わった感じがしない。それでも顔だけはすぐ赤くなります。妻は逆に、体全体が赤くなるタイプです。
厚労省のガイドラインは、これをフラッシング反応として説明しています。「アルコールを分解する体内の分解酵素のはたらきの強い・弱い(※)などが、個人によって大きく異なります。分解酵素のはたらきが弱い場合などには、飲酒により、顔が赤くなったり、動悸や吐き気がする状態になることがあります。」
ケルセチン仮説は、まさにそのアセトアルデヒドを分解する側の酵素を阻害する、という筋道です。だから、顔が赤くなる側の人間としては、まったくの他人事には思えませんでした。
ただ、ここが最も飛躍しやすい箇所なので、はっきり書いておきます。「顔が赤くなる人はワインで頭痛が出やすい」とは言えません。誰もそこまで確かめていないからです。

スパークリング、安いワイン、無添加ワインはどうなのか
ここから先は「ワインの選び方」の話になります。ただ、その前に1つ思い出してください。ここまででいちばん説明力があったのは、成分ではなく量でした。選び方より、量のほうが効いていることが多い。
そのうえで、よく検索されている3つに答えます。方針は共通で、確認できたことと、確認できなかったことを分けて書く。分からないものを分からないと書くのが、この記事で私にできる唯一の誠実さだと思っています。
スパークリングは酔いが早い?|確認できた範囲だけ書く
「炭酸でアルコールの吸収が速まる」という説明は広く語られています。ただ、今回の調査では、その根拠となる一次情報を確認できませんでした。確認できなかったので、確認できなかったと書きます。
代わりに確認できることを。スパークリングワインの度数は11〜12%台のものが多く、1杯あたりの純アルコール量は他のワインと大きくは変わりません。変わるとすれば、飲み口が軽くてグラスが空くのが早いという、ペースのほうです。
私は家ではあまりワインを飲まず、外で飲むことが多いんですが、飲み比べセットがあるとつい頼んでしまうんですよ。ああいう飲み方をした日は、明らかにペースが上がっています。
「泡だから頭痛になる」とも「ならない」とも、私には書けません。書けるのは、ペースが上がりやすい飲み物ではある、というところまでです。
安いワイン・無添加ワインはどうか|どちらも根拠は確認できなかった
残る2つは答えの形が同じなので、まとめて書きます。
まず「安いワインだと頭が痛くなる」。価格とワインの頭痛の関係を示す査読論文は、今回の調査では確認できませんでした。亜硫酸の使用は食品衛生法の基準(果実酒で0.35 g/kg未満)で規制されていて、これは価格に関係なく適用されます。価格差の主な要因はぶどうの産地・収量・熟成・輸送コストなどで、亜硫酸の量が価格に比例するという公的なデータは見当たりませんでした。そのうえで現実的な話を1つ。安いワインは1本を気軽に開けやすい。高いワインを開けた日と、飲んだ量は本当に同じだったか。ここもまた、量の話に戻ってきます。
次に「無添加・オーガニックなら大丈夫か」。「酸化防止剤無添加」は醸造の工程で亜硫酸を添加していないという表示であって、亜硫酸が一切存在しないという意味とは限りません。発酵の過程で酵母によっても生成されうるからです。補助線を1つ。ノンアルコールワイン(ぶどう酒からアルコールを除去した清涼飲料水)にも、ぶどう酒と同じ1kgにつき0.35g未満まで亜硫酸塩等を使えるようにする改正が、2026年4月7日に告示され即日施行されています(令和8年内閣府告示第33号。従来は0.03g未満)。「アルコールが入っていない=亜硫酸も入っていない」でもない、ということですね。
私は「無添加ワインは意味がない」とも「安いワインを飲みましょう」とも言いません。書けるのは1点だけです。「安いから」「無添加だから」で頭痛の出方が決まるという根拠は、今回の調査では確認できませんでした。
次から痛くならないために、私が現実にやっていること

最後に、私が実際にやっていることを書きます。
先に正直に言っておくと、ここまでで確からしかったのは「量が効く」ということだけでした。だから私がやっているのも、頭痛に効く裏技のたぐいではありません。量とペースを、自分で見えるようにするだけの工夫です。
1杯の量を決めてしまう
家で注ぐと、1杯が200mLを超えることも珍しくありません。ボトルの残りを見ながら注ぐと、だいたい多めになるんですよ。だから私は、使うグラスを決めて、そこに注ぐ量を最初に決めてしまうようにしました。ボトルの残量ではなく、グラスの本数で数える。やっているのはそれだけです。
さきほどの表で言えば、150mLの12度で14.4g。3杯で43.2g、4杯で57.6gなので、4杯目でだいたい60gに手が届くという感覚が持てます。これで頭痛が防げるとは言いません。分かるのは「自分が何杯飲んだか」だけです。ただ、その「だけ」がこれまで分かっていなかったので、私には意味がありました。同じ150mLを前提にしたカロリーと糖質はワインのカロリーにまとめてあります。
グラスは、容量が把握しやすい標準的なサイズのものが向いています。目盛りがなくても、いつも同じ1脚に決めておけば「これで何mL」が体で覚えられますよ。
開けた日に飲み切らない仕組みを作る
ここは自分に刺さる話なので、先に白状します。私はワインを開けた日に、そのまま飲み切ってしまうことが多いんですよ。ウイスキーは何本も少しずつ減っていくタイプなのに、ワインだけは違う。さきほどの表に当てはめると1本で72g。この記事で自分が書いた「厚労省が避けるべきとしている60g」を、普通に超えています。数字を出したあとに自分で計算して、ちょっと黙りました。
で、意志で減らすのは私には無理でした。だから道具で止めることにしたんです。栓をして冷蔵庫に戻す、空気を抜いて置いておく。要は「半分残す」という選択肢を、物理的に作っておくということですね。残せば頭痛が防げる、という話ではありません。残すという選択肢が存在する状態を作る、という話です。開栓後のワインが何日もつのかはワインの賞味期限で書いています。
道具としては、ボトルの空気を抜いて栓をするタイプのストッパーが手軽です。ポンプで数回押すだけで終わるので、酔っている夜でも面倒になりにくい。
空腹で飲み始めない・水を並走させる
水の話をしますが、理由を先に書きます。頭痛を防ぐために水を出すのではありません。2024年のレビューは「水を飲めば二日酔いが軽くなる」という因果を支持していないからです。私が水を並べる理由はペースを落とすためです。グラスの横に水を置いておくと、ワインに手が伸びる回数が単純に減る。うちは2Lのミネラルウォーターを箱で常備していて、切らして「まあいいか」となる事故を先に潰してあります。
食べながら飲むのも同じ理屈です。吸収がどうこうという機序の話はしません。空腹で飲み始めると単純にペースが上がる——という、自分の実感の範囲で書いています。手を伸ばせる位置に何か置いておくのが、私の場合は一番確実でした。
置くものは、味の濃くないもののほうが向いています。素焼きのミックスナッツのように味付けのないタイプなら、ワインの味を邪魔しません。同じ商品ページに塩や油で味付けされたものが並んでいることがあるので、買うときは「素焼き・無塩」の表示を確かめてください。
そのうえで、2〜3回だけ記録をとってみる
最後に、この記事でいちばん現実的な提案を1つ。飲んだ日に、3つだけメモしてください。どのワインを、何杯飲んで、何時間後に痛くなったか。それだけです。
これを2〜3回やると、即時型なのか遅延型なのか、量に連動しているのか種類に連動しているのかが見えてきます。そして繰り返すようなら、このメモがそのまま医療機関で説明する材料になります。「ワインを飲むと頭が痛くなるんです」と言うより、いつ・どれだけ飲んで・何時間後に出たかが揃っているほうが、話がずっと早い。

よくある質問(FAQ)
最後に、よく検索されている質問にまとめて答えます。答えが出ていないものは「出ていない」と、そのまま書いています。
Q. ワインを飲んで何時間後に頭痛が出ますか?
即時型はアルコール摂取後3時間以内、遅延型は5〜12時間以内。翌朝に出るのは後者です(国際頭痛分類ICHD-3)。ICHD-3は即時型のほうが「はるかにまれ」としているので、多くの人が経験しているのは遅延型のほうになります。
Q. ワインの頭痛は何時間で治りますか?
ICHD-3は、どちらの型も72時間以内に自然消失するものとして定義しています。ただし時計の起点が違い、即時型は「飲むのをやめてから」、遅延型は「頭痛が出てから」の72時間です。ただし診断のための分類であって、「必ず72時間で治る」という保証ではありません。翌日まで残ること自体は分類の範囲内ですが、72時間を過ぎても消えないなら枠から外れているので、受診を検討してください。
Q. 白ワインなら頭痛は出にくいですか?
単一の根拠では言えません。亜硫酸は国税庁資料の貯蔵〜ビン詰め時の目安では白のほうが多く、ヒスタミン・チラミンは実測値で赤のほうが多い。成分ごとに向きが違うからです。成分で選ぶより、自分が何杯飲んだかを見るほうが早いと思っています。
Q. ツボを押すと治りますか?
今回の調査では、ワインによる頭痛にツボが有効だとする信頼できる出典を確認できませんでした。同時に、効かないと断定できる根拠も持っていません。ここは「分からない」とだけ書いておきます。
Q. チーズと一緒に飲むと頭痛になりやすいですか?
熟成チーズのチラミンから語られている説です。ワイン側のチラミンは赤で中央値3.20 mg/L、グラス1杯なら0.5 mg程度と量は小さい。チーズ側の量まで含めた検証は今回確認できませんでした。組み合わせが危険だと断定できる根拠は見つかっていません。
Q. ビールや日本酒では平気なのに、ワインだけ頭痛になるのはなぜですか?
確定した答えはありません。ICHD-3自身がメカニズムを不明としています。確認できるのは、ワインは度数が11〜15%程度と高くボトル1本で純アルコール72g前後になること、そして成分ごとの含有量の差は分かっていても頭痛との因果は確かめられていないことの2つです。まずはワインのアルコール度数で他のお酒と量を比べてみてください。
Q. 二日酔い対策のドリンクやサプリは効きますか?
公式表示と公的資料を突き合わせる作業が必要なので、当ブログでは別の記事にまとめてあります。1つだけ書いておくと、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」には、サプリやドリンク剤への言及が一言もありません。国の指針が扱っているのは、何を飲むかではなく、どれだけ飲むかのほうです。
Q. 頭痛が怖いのでワインをやめるべきですか?
やめるかどうかは、ご自身が決めることです。この記事が示せるのは、やめる前に試せる順番があるということだけ。即時型か遅延型かを確かめる→飲んだ量を純アルコール量で見る→記録を2〜3回とる→それでも繰り返すなら、その記録を持って受診する。この順番です。
まとめ|犯人を1人に決めないほうが、たぶん早い
- ワインの頭痛は、3時間以内に出る即時型と、5〜12時間後に出る遅延型に分かれる。国際頭痛分類は別々の診断基準を置いている
- 成分を疑う前に、純アルコール量を見る。ワイン1本(750mL・12度)で72gになり、厚労省が避けるべきとする60gを超える
- 亜硫酸塩は、国税庁資料の貯蔵〜ビン詰め時の目安では白のほうが多い。「赤が原因」という通説と食い違う
- ヒスタミンは赤に多いが、グラス1杯で摂る量は桁が足りない。論文の試算で閾値に届くのは1日480 mL〜1.8 Lを飲む層で、そこでは純アルコール量のほうが先に効いてくる
- ケルセチン仮説は有望だが、試験管内の研究であってヒト試験の結果はまだ出ていない
- そしてICHD-3自身が、遅延型のメカニズムについて「不明である」と書いている
ネットには「原因はこれです」と書いた記事が並んでいます。でも、国際的な診断基準ですら断定していないんですよ。犯人を1人に決めようとするほど、答えは遠のいていく。やることはたぶん逆で、まず自分の頭痛がどちらの型なのかを見る。どれだけ飲んだのかを数字で見る。2〜3回メモをとる。それでも繰り返すなら、その記録を持って受診する。
私も、グラスの本数で数えるようにしただけで「今日は3杯目か」と気づけるようになりました。犯人探しをやめたら、そこだけは前に進んだ気がします。お酒は適量で、長く付き合っていきたいですね。
※この記事は診断や治療の代わりにはなりません。症状が続く場合や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。また、飲酒後の運転は絶対にしないでください。


コメント