晩酌ではキンミヤをホッピーで割って飲むことがよくあります。居酒屋で覚えたやり方が、そのまま家の定番になりました。
で、あるとき急に気になったんですよ。「これ、1杯で何kcalなんだ?」と。
調べてみたら、出てきた数字が206kcal、200kcal、155kcal、146kcal、140kcal。
いやぁ、バラバラでした。しかもどのサイトも、その数字の出どころを書いていない。
先に結論を3つ置きます。ひとつ、キンミヤ25度は100mlあたり約138kcal。ふたつ、ロック1杯(焼酎60ml)なら約83kcal。そして3つ目、ネットの数字がここまでバラバラになるのには、はっきりした理由があります。
この3つ目が、この記事の背骨です。
先に立ち位置だけ。私は宮﨑本店の関係者ではなく、よく飲んでいる人間として、公表されていない数字を公的データから出し直しただけです。計算式ごと渡すので、読み終わるころには自分の1杯を自分で計算できます。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。また、飲酒後の運転は絶対にしないでください。
- キンミヤ焼酎25度のカロリーと糖質(100mlあたり/1杯あたり)
- ネットの数字が206・200・155・146・140kcalとバラバラになる理由(3つの罠と、成分表の版の差)
- 食品成分表の実データ(食品番号16014/16015/16006)と100ml換算の過程
- 20度・25度・35度の度数別カロリーと、1.8Lパック1本分の総カロリー
- ロック・水割り・お茶割り・焼酎ハイボール・梅割りの飲み方別カロリー
- ホッピーセット1杯とシャリキンパウチ1本の正確なカロリー(公式データから計算)
- ホッピーセット1杯とビール中ジョッキ1杯を並べたときの意外な結果
- 自分の1杯を自分で計算するための式(度数 × 0.789 × 7)



結論|キンミヤ焼酎25度は100mlで約138kcal、ロック1杯(60ml)なら約83kcal
先に数字だけ置きます。
キンミヤ焼酎の正式名称は亀甲宮焼酎(きっこうみやしょうちゅう)。ラベルの亀甲マークと「宮」の字から、金宮・キンミヤと呼ばれるようになりました。分類は甲類焼酎。食品成分表を見ても、入っているのはアルコールと水だけで、たんぱく質も脂質も炭水化物もすべて0gです。
だからカロリーは度数だけで一意に決まります。原料も製法も関係ない。ここが分かると、あとの話は全部つながります。
主力の25度なら100mlあたり約138kcal、糖質0g。一般的な1杯を焼酎60mlとすれば、ロックでも水割りでもお茶割りでも約83kcalです。割り材が無糖なら、割っても数字は動きません。
ひとつだけ、先に釘を刺させてください。この138kcalは「100mlあたり」の値であって、「100gあたり」ではありません。この2つを混ぜてしまうことが、ネットの数字がバラバラになっている原因のひとつです。
下の表が、この記事の答えを1枚にまとめたものです。右端の列は、その数字がどこから来ているかの地図も兼ねています。
| 知りたいこと | 答え(キンミヤ25度) | 根拠 |
|---|---|---|
| 100mlあたりのカロリー | 約138kcal | 食品成分表+度数からの計算値 |
| 1杯(焼酎60ml)のカロリー | 約83kcal | 138kcal × 0.6 |
| 糖質 | 0g | 食品成分表 16014の炭水化物 0g |
| プリン体 | ほぼゼロ | 蒸留では留出しないため |
| メーカーの公表値 | なし(非公表) | 宮﨑本店 公式サイト |
| 主流の度数 | 25度(20度・35度もあり) | 公式オンラインショップのラインナップ |
「キンミヤは何kcal?」だけ知りたい人は、ここまででOK
数字が動くのは、ホッピーやジュースのように割り材そのものにカロリーがある場合だけです。ホッピーとシャリキンは、記事の後半でまるごと1章を使って計算します。
ひとつだけ、先に置いておきたい数字があります。ビールの中ジョッキ1杯(約350ml)は約138kcal。
これが後半で効いてきます。
なぜネットの数字は206・200・155・146・140kcalとバラバラなのか
ここがこの記事の本題です。まず、事実から。
宮﨑本店の公式サイトのキンミヤ焼酎のページには、栄養成分表示もカロリーも糖質もプリン体も、一切書かれていません(2026年8月時点で実際に確認しました)。
これは別に不誠実な話ではありません。酒類には栄養成分表示の義務がないので、公表していないメーカーのほうがむしろ普通です。
問題はその先です。公式に無いので、書き手はみんな『日本食品標準成分表』を見に行きます。ところが、そこに罠が3つ待っている。さらに成分表そのものが七訂から八訂へ改訂されていて、どの版を見たかでも数字が変わります。合わせて4つ、と言ったほうが正確かもしれません。
出回っている数字と、その正体を対応させたのが下の表です。他のサイトを見返したときに照合できるよう、数字ごとに並べました。
| よく見る数値 | その数字の正体 | キンミヤ25度の実際 |
|---|---|---|
| 約206kcal | 七訂の「連続式蒸留しょうちゅう」(35度)の100gあたりの値。アルコール29.0g × 7.1kcal/g で算出されていた | 約138kcal/100ml |
| 約203kcal | 八訂増補2023年の同じ行(35度)の100gあたりの値。換算係数が7.0kcal/gに変わり 29.0g × 7.0 = 203kcal になった | 約138kcal/100ml |
| 約200kcal | 上の値をまるめたもの。やはり35度の数字 | 約138kcal/100ml |
| 約146〜155kcal | 「単式蒸留しょうちゅう」=乙類(25度)の100gあたりの値が元(七訂で146kcal、八訂で144kcal)。キンミヤは甲類なので、参照している行が違う。155kcalのほうは「146〜155kcal」という幅で紹介されている上限値で、成分表にこの数字に対応する行はありません | 約138kcal/100ml |
| 約140kcal | 乙類25度の値を100mlに換算したもの。度数が同じなので、結果的にほぼ正解 | 約138kcal/100ml |
罠1:成分表の「連続式蒸留しょうちゅう」には35度の行しかない
キンミヤが該当するのは、食品番号16014「(蒸留酒類)しょうちゅう 連続式蒸留しょうちゅう」です。
ところが、この行に収載されているのは35度の値だけ。キンミヤの主流である25度は、成分表に存在しません。
「たぶん35度だろう」という推測ではありません。16014のアルコール量は100gあたり29.0g。これを比重で100mlあたりに直すと約27.8gになり、エタノールの密度0.789g/mlで割ると35.2vol%。収載されている数値から逆算すると、35度で確定します。成分表のデータをそのまま扱っている栄養計算サイトでも、この行は「アルコール35.0容量%」と明記されていました。
つまり成分表の数字をそのまま持ってくると、キンミヤより1.4倍濃い酒のカロリーを書いていることになります。
罠2:成分表の数値は「100gあたり」であって「100mlあたり」ではない
成分表の数値は、すべて「可食部100gあたり」で書かれています。100mlではありません。
焼酎35度は100g=約104.4ml、逆に100ml=約95.8g。アルコールは水より軽い(密度0.789g/ml)ので、度数が高い酒ほど、同じ重さでもかさが増えるんですよ。
だから100gの値をそのまま「100mlあたり」と書いてしまうと、実際より高い数字になります。この単位の話は焼酎のカロリーの記事で主題として扱っているので、詳しくはそちらへ。
罠3:甲類と乙類で見る行が違う(キンミヤは甲類)
焼酎には、連続式蒸留=甲類(16014)と、単式蒸留=乙類・本格焼酎(16015)の2行があります。キンミヤは甲類なので16014が正しい行ですが、16015(25度・100gあたり144kcal)を使っているサイトがあります。
面白いのはここからで、25度どうしで比べると甲類138kcal・乙類139〜140kcalとほとんど差がありません(いずれも100ml換算値。次の章の表で示します)。
カロリーは製法ではなく度数だけで決まるからです。だからこの取り違えは、結果的にほぼ正解になる。ただし理由を説明できないまま数字だけ合っている状態ではあります。
甲類と乙類の違いそのものは、別の記事にまとめてあります。
食品成分表の実データで確かめる|キンミヤ25度の138kcalはこう出した
公式が非公表なら、自分で出すしかありません。使うのは文部科学省の食品成分データベース、日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年です。
該当する3件を、食品番号つきでそのまま並べます。エネルギー・アルコール・炭水化物の3列が成分表の収載値(すべて可食部100gあたり)。度数と右端の100ml換算だけが、そこから私が計算した値です。
単位ごとに列を分けているのは、混ぜないためです。ここを混ぜた瞬間に、話がおかしくなります。
| 食品番号 | 食品名 | 度数 | エネルギー(100g) | アルコール(100g) | 炭水化物 | 100ml換算 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 16014 | 連続式蒸留しょうちゅう(甲類)=キンミヤの分類 | 35度 | 203kcal | 29.0g | 0g | 約194kcal |
| 16015 | 単式蒸留しょうちゅう(乙類・本格焼酎) | 25度 | 144kcal | 20.5g | 0g | 約139〜140kcal |
| 16006 | ビール(淡色) | 約4.7度 | 39kcal | 3.7g | 3.1g | 約39kcal |
甲類焼酎のカロリーは、100%アルコール由来だった
表を1列ずつ読み解きます。
16014の中身は、水分71.0g+アルコール29.0g=ちょうど100g。たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物0g、灰分0gで、ミネラルとビタミンはすべて「-」か「(0)」です。つまり甲類焼酎のカロリーは、アルコール以外に由来がありません。栄養学的には、水とアルコールしか入っていない飲み物です。
実際、エネルギー203kcalをアルコール29.0gで割ると、ちょうど7.0kcal/g。八訂がアルコールに使っている換算係数そのものです。同じ行のkJ値841を29.0で割っても29.0kJ/gになるので、この行のエネルギーはアルコール量だけから計算されていると分かります。
ここで、よく見かける206kcalの正体も割れます。七訂の換算係数は7.1kcal/gで、29.0 × 7.1 = 205.9 ≒ 206。同じ酒の同じアルコール量に、古い係数を当てただけの数字でした。乙類も同じで、七訂の146kcal(20.5 × 7.1)が、八訂では144kcal(20.5 × 7.0)になっています。
だから度数さえ決まれば、カロリーは計算で一意に出せる。これが、この記事の全部の計算の土台です。
3通りのデータで検算しても、138〜140kcalに収まる
25度の値を、3通りのデータから出してみました。100ml換算に使う比重は、35度が100ml=約95.8g、ビールが100ml=約100.8gです(アルコールが多い酒ほど軽くなります)。
(1) 計算式から:25 × 0.789 × 7 = 約138kcal/100ml
(2) 16014(35度)から:100gあたり203kcal を100ml換算すると約194kcal。これを度数比25/35で25度に直すと約139kcal
(3) 16015(乙類25度)から:100gあたり144kcal を100ml換算すると約139〜140kcal
3つとも138〜140kcalの範囲に収まりました。ばらつきは約2kcal、率にして1.4%です。
ただし、ここは正直に断っておきます。この3つは、独立した3つの検証ではありません。ひとつ前の項で見たとおり、八訂はどの行のエネルギーもアルコール量に7.0kcal/gを掛けて出しています。つまり(2)も(3)も、たどれば(1)と同じ「アルコールの重さ×7」に行き着く。3つが揃うのは当たり前なんですよ。違っているのは、途中でかける比重と、成分表側の丸め方だけです。
では、この検算で何が確かめられたのか。どの入り口から入っても、比重と丸めの差では2kcalまでしかずれないということです。
これが分かると、逆のことが言えます。206kcalや146kcalのような数十kcal単位のズレは、丸めや比重では絶対に生まれません。生まれるとしたら、見ている行が違うか、単位が違うかのどちらかしかない。前の章で挙げた3つの罠が、ここで数字の側から裏づけられるわけです。
(3)に幅があるのは、成分表の収載値が丸められているからです。16015のアルコール20.5gを100mlあたりに直して度数に戻すと25.3度になり、ぴったり25.0度ではありません。幅が出る理由まで含めて出しておきます。
同じ理由で、この表の35度は100ml換算で約194kcalですが、次の章の度数別一覧では計算式から出した約193kcalを載せています。この1kcalの差も、いま書いた比重と丸めの差です。
ひとつ正直に書いておくと、この記事で出している度数別のカロリーはすべて計算値であって、成分表に収載されている値ではありません。成分表に載っているのは35度の1行だけ、という事実は変わらないので、そこは隠さずに書いておきます。
度数別カロリー一覧|20度・25度・35度と、自分で計算する式
意外に知られていませんが、キンミヤには20度・25度・35度の3種類が実在します(宮﨑本店の公式サイトとオンラインショップのラインナップで確認しました)。
主力は25度で、瓶もパックもレトロ復刻版もこれ。20度は瓶(1,800ml・720ml・600ml)とパック、それにシャリキンパウチ。35度は600mlの瓶と1.8Lパックの2つだけ、という構成になっています。
下の表は、その3つの度数を実際に飲む単位まで落としたもの。100mlだけでなく、1杯60ml、居酒屋の「ナカ」に相当する90ml、そして1.8Lパック1本分まで出しました。
すべて計算値です。1.8L1本分の数字は、パックで買う人が「これが何日でなくなるか」を思い出すための目安として置いてあります。
| 度数 | 100ml | 1杯60ml | ナカ1杯90ml | 1.8Lパック1本 |
|---|---|---|---|---|
| 20度 | 約110kcal | 約66kcal | 約99kcal | 約1,990kcal |
| 25度(主力) | 約138kcal | 約83kcal | 約124kcal | 約2,490kcal |
| 35度 | 約193kcal | 約116kcal | 約174kcal | 約3,480kcal |
計算式は「度数 × 0.789 × 7」だけ
自分の酒で計算できるように、式を渡しておきます。
カロリー(kcal/100ml)= 度数(%)× 0.789 × 7
0.789はエタノールの密度(g/ml)、7はアルコール1gあたりのkcalです。25度なら 25 × 0.789 × 7 = 138.1。それだけ。
この式は甲類焼酎専用ではありません。糖質を含まない蒸留酒なら、全部これで出せます。ウイスキー40度なら 40 × 0.789 × 7 = 約221kcal/100ml。成分表のウイスキー(食品番号16016)は100gあたり234kcalで、こちらを100ml換算すると約222kcal。当ブログはウイスキーについては成分表由来の約222kcalを使っていますが、どちらの経路でもほぼ同じ数字に着地します。ジンでもウォッカでも同じです。
なお、厚生労働省が純アルコール量の計算に使っている式では、比重を0.8と丸めています。ざっくり出したいだけなら0.8でも構いません。この記事は数字の精度が主題なので、エタノールの実際の密度0.789を使っています。
焼酎全般の度数別カロリー一覧は焼酎のカロリーの記事にまとめてあるので、他の銘柄も知りたい方はそちらへどうぞ。
20度と25度、カロリーで選ぶなら?
20度は25度より、100mlあたり28kcal低い。数字だけ見れば20度が有利です。
ただし現実はもう少しややこしくて、同じ濃さで飲もうとすれば、そのぶん量が増えます。結果として、摂るアルコール量=カロリーはあまり変わらない、ということが起こる。
逆にいえば、杯数が変わらないなら20度のほうが確実に低い。どちらが正解ということはなく、自分の飲み方しだいです。
ちなみに、後半で計算するシャリキンパウチは20度。同じキンミヤでも度数が違うので、数字を混同しないようにしてください。
なお、上の表で基準にした25度は1.8Lパックでも出ています。20度・35度も同じシリーズにあるので、買うときはパックの度数表記を見てから選んでください。ここが違うと、この記事の数字がそのまま当てはまらなくなります。

飲み方別カロリー一覧|ロック・水割り・お茶割り・焼酎ハイボール

ここからが実用編です。前提を先に書いておきます。一般的な1杯を焼酎60ml、居酒屋の「ナカ」を90mlとして、25度で計算した場合の数字です。
60mlという量には理由があって、私はロクヨン——焼酎6に対して水やお湯が4——で作ることが多いんですよ。この比率だと、グラス1杯にちょうど焼酎60mlが入る計算になります。
自分の1杯が何mlかを一度決めておくと、以降の計算が全部ラクになります。ここが決まっていないと、何kcalか分かりようがないので。
無糖の割り材(水・炭酸水・無糖のお茶)はほぼ0kcalなので、割っても焼酎の分しか増えません。逆に、加糖の割り材を使うとそこだけ数字が動きます。
ホッピーとシャリキンは分量を割いて次の章で計算するので、ここでは1行だけ入れてあります。
| 飲み方(焼酎25度) | 焼酎の量 | 焼酎のkcal | 割り材のkcal | 合計 | 糖質 |
|---|---|---|---|---|---|
| ストレート/ロック | 60ml | 約83kcal | 0kcal | 約83kcal | 0g |
| ロック(ナカ1杯相当) | 90ml | 約124kcal | 0kcal | 約124kcal | 0g |
| 水割り | 60ml | 約83kcal | 0kcal | 約83kcal | 0g |
| お茶割り(無糖の緑茶・ウーロン茶) | 60ml | 約83kcal | ほぼ0kcal | 約83kcal | 0g |
| 焼酎ハイボール(無糖炭酸水) | 60ml | 約83kcal | 0kcal | 約83kcal | 0g |
| レモンサワー(無糖炭酸+生レモン果汁) | 60ml | 約83kcal | 3〜5kcal | 約87kcal | 約1g |
| 梅割り(梅シロップ小さじ1程度) | 90ml | 約124kcal | 15〜20kcal | 約140kcal前後 | 約4g |
| 金魚(唐辛子を入れるだけ) | 90ml | 約124kcal | 0kcal | 約124kcal | 0g |
| ホッピーセット(次章で詳述) | 72ml | 約99kcal | 約40kcal | 約139kcal | 約6.1g |
焼酎の量が同じなら、割り方を変えてもカロリーは変わらない
表で一番大事なのは、ロック・水割り・お茶割り・焼酎ハイボールが全部83kcalで横並びになっていることです。
当たり前のようですが、これは「割り方を変えてカロリーを減らそう」という発想が意味を持たない、ということでもあります。減らせるのは焼酎の量だけ。
逆にいえば、薄めて飲めば1杯あたりのアルコールもカロリーも減ります。同じ杯数で満足できるなら、濃く作るより薄く作るほうが効く。単純ですが、これが数字の出している答えです。
なお、味の面でどの割り方がいいのかという話はキンミヤの飲み方の記事のほうで書いています。ここは数字の話に徹します。
差がつくのは、割り材が甘いときだけ
表の中で数字が動いているのは、レモンサワーと梅割りの2行だけです。
生のレモンを絞る程度なら3〜5kcalで済みます。ところが市販の加糖レモンシロップやカクテル用の梅シロップを使うと、商品によっては1杯で30〜50kcalの上乗せになる。甘いお茶(加糖の紅茶飲料やジャスミン茶飲料)で割る場合も同じです。
とはいえ、難しく考える必要はありません。ラベルに「無糖」と書いてあるかどうかだけ見ればいい。それだけで、この表の一番上の行のまま飲めます。
梅割りの数字を「約140kcal前後」と幅で書いているのは、梅シロップの量と商品差が大きすぎて、断定できないからです。

ホッピー割りとシャリキンは何kcalか|キンミヤ固有の飲み方を計算する
キンミヤといえばホッピー、そしてシャリキン。ところが不思議なもので、この2つのカロリーを計算した記事が、探した限り1本も見つかりませんでした。
ここは推測を混ぜずに組み立てられます。というのも、ホッピービバレッジの公式サイトに栄養成分(100mlあたり11kcal・糖質1.7g・プリン体ゼロ)が出ていて、しかも「焼酎、ホッピーの順に1:5の割合で泡が立つように勢いよく注ぐ」という推奨比率まで公式が明記しているからです。
しかもこの飲み方の説明には、割る酒として「甲類焼酎(25度)」と度数まで書かれています。この記事が基準にしている25度と同じなので、公式の比率をそのまま当てはめて計算できます。
公式の栄養値と、公式の比率。この2つがあれば、あとは掛け算だけで出ます。
店で出てくる360ml瓶と、家庭向けの330ml瓶では数字が変わるので、分けて出しました。
| 飲み方 | ナカ(焼酎25度) | ナカのkcal | ホッピーのkcal | 合計 | 糖質 |
|---|---|---|---|---|---|
| ホッピーセット1杯(店の360ml瓶・1:5) | 72ml | 約99kcal | 約40kcal | 約139kcal | 約6.1g |
| ホッピーセット1杯(家庭用330ml瓶・1:5) | 66ml | 約91kcal | 約36kcal | 約127kcal | 約5.6g |
| ホッピー1本+ナカ3杯(下町の定番) | 270ml | 約373kcal | 約40kcal | 約413kcal | 約6.1g |
| シャリキンパウチ1本(20度・そのまま/炭酸割り) | 90ml | 約99kcal | 0kcal | 約99kcal | 0g |
ホッピーセット1杯は約139kcal(公式の1:5で計算)
計算の過程を見せます。店の360ml瓶に対して1:5なら、焼酎は72mlです。
焼酎72ml × 1.38kcal/ml = 約99kcal
ホッピー360ml × 0.11kcal/ml = 約40kcal
合わせて約139kcal、糖質は約6.1g。これがホッピーセット1杯の中身です。
ホッピー公式は商品説明に「プリン体ゼロ・低カロリー・低糖質の健康志向飲料」と書いていて、ホッピー単体についてはそのとおりです。ただし内訳を見ると、ホッピーセット1杯のカロリーの約7割はナカ(焼酎)側から来ています。ホッピー側は40kcalしかありません。
家庭用は330ml瓶なので、1:5だと焼酎66ml。上の表の2行目、約127kcal・糖質約5.6gがその数字になります。家で計算するときは、こちらの行を見てください。
「ホッピー1本+ナカ3杯」だと約413kcalになる
居酒屋では、ホッピー1本に対してナカを何度かおかわりするのが普通の飲み方です。私も家でこれをやります。
ナカ1杯を90mlとすると、3杯で焼酎270ml=約373kcal。これにホッピー1本の約40kcalを足して、合計で約413kcal。
面白いのは糖質のほうで、ホッピーは1本しか飲んでいないので糖質は約6.1gのまま増えません。増えるのはナカのカロリーだけです。
つまり「ホッピーは低カロリーだから安心」は、ホッピー単体については正しく、ホッピーセットの飲み方としては成り立ちません。ナカを何杯にするかで、数字は倍にも3倍にもなります。
シャリキンパウチ1本は約99kcal(こちらは20度)
シャリキンパウチは1本90ml、そして20度です。この記事の基準にしている25度ではないので、ここだけ度数が変わります。
90 × 0.2 × 0.789 × 7 = 約99kcal。糖質は0gです。無糖の炭酸水で割っても、この99kcalは動きません。
実用面でひとつ言えるのは、1本=1杯で量が固定されていること。瓶やパックから注いでいると「今日は何ml飲んだか」が分からなくなりがちですが、パウチなら本数を数えるだけで済みます。
凍らせて使うタイプで、1本90ml・20度。上で計算した約99kcalは、この商品そのものの数値です。
ホッピーセット1杯は、ビール中ジョッキ1杯とほぼ同じカロリーだった

ここまで計算してきた数字を、みなさんが一番比べたい相手と並べます。ビールです。
100mlあたりで比べると、キンミヤ25度が138kcal、ビール(淡色)が約39kcal。焼酎のほうが3.5倍も高カロリーに見えます。
でも、100mlのビールを飲む人はいませんよね。実際に飲む量が全然違うんですよ。だから1杯単位に直すと、景色が変わります。
ホッピーセット1杯は約139kcal、ビールの中ジョッキ1杯(約350ml)は約138kcal。ほぼ同じです。
なお、中ジョッキ350mlというのは一般的な目安であって、規格として決まっている数字ではありません。店によって違います。
そして違いが出るのは、カロリーではなく糖質のほうでした。下の表を見てください。
| 実際の1杯 | カロリー | 糖質 |
|---|---|---|
| キンミヤ ロック1杯(60ml) | 約83kcal | 0g |
| キンミヤ 焼酎ハイボール1杯(60ml+無糖炭酸) | 約83kcal | 0g |
| ホッピーセット1杯(ナカ72ml+ホッピー360ml) | 約139kcal | 約6.1g |
| ビール 中ジョッキ1杯(約350ml) | 約138kcal | 約10.9g |
| ホッピー1本+ナカ3杯 | 約413kcal | 約6.1g |
| ビール 中ジョッキ3杯 | 約413kcal | 約32.7g |
カロリーは並ぶのに、糖質だけが5倍以上違う
表の下2行を見てください。ホッピー1本+ナカ3杯で約413kcal、ビール中ジョッキ3杯で約413kcal。カロリーはきれいに並びます。
ところが糖質は、約6.1g対約32.7g。5倍以上の差です。ホッピーは1本しか飲まないので糖質が増えないのに対し、ビールは杯数がそのまま糖質に乗るからですね。
つまり「ホッピーだからカロリーも低い」は、半分だけ正しい。低いのは糖質のほうで、カロリーはビールとほぼ同じ、というのが数字の答えでした。
で、正直に言うと、私はこれを知ってもビールをやめる気がまったくないんですよ。
飲みに行けば結局「とりあえず生中で!」になりますし、疲れて帰ってきた日のキンキンに冷えたビールは、あれは犯罪的に美味しい。
数字の上でほぼ同じなら、飲みたいほうを飲めばいい。それだけの話です。
ビール側の詳しい検証はビールは太るのかに、他の酒種との比較は焼酎とウイスキーはどっちが太るかにまとめてあります。
糖質ゼロ・プリン体ほぼゼロの理由|それでも「太らない」ではない
なぜ糖質もプリン体もゼロなのか。理由は製法にあります。
糖質もプリン体も不揮発性——つまり熱で気体にならない物質だからです。蒸留するとき、蒸気になって出てくるのはアルコールと水、それに一部の香気成分だけ。糖もプリン体も、釜の中に取り残されます。
だから蒸留酒である以上、原理的に糖質は残りません。甲類焼酎は連続式蒸留機で純度を上げているので、なおさらです。
ただし、「ゼロだから太らない」「ゼロだから安心」という話にはなりません。ここは分けて考える必要があります。
蒸留するとき、糖質もプリン体も釜に残る
もろみを加熱すると、沸点の低いアルコールと水が先に蒸気になって出ていきます。糖もプリン体も熱で気体にならないので、釜に残る。
一方でビールや日本酒のような醸造酒は、この工程を通りません。だから原料由来の糖質がそのまま残ります。
キンミヤ0g、ビール約3.1g(100mlあたり。成分表の100gあたり3.1gに比重をかけても、ほぼ同じ値になります)という差の正体は、味の設計でも原料でもなく、この工程があるかないかです。連続式蒸留という製法そのものについては甲類と乙類の違いに書いてあります。
プリン体ゼロでも、痛風にセーフとは言えない
キンミヤもホッピーも、プリン体はほぼゼロです(ホッピーは公式がプリン体ゼロを明示しています)。組み合わせとしては、たしかに優秀な部類でしょう。
ただしアルコールそのものに、尿酸の産生を増やし排泄を抑える働きがあることが知られています。プリン体を含まない酒なら心配ない、とは言えないわけです。
この論点はプリン体ゼロでも痛風にセーフと言えない理由のほうで詳しく扱っているので、気になる方はそちらへ。ここでは深入りしません。
「糖質ゼロだから太らない」ではない理由
理由は単純で、カロリーは100%アルコール由来だからです。糖質がゼロでも、アルコール1gあたり約7kcalという事実は変わりません。
そしてもうひとつ。太る要因は、多くの場合お酒そのものより一緒に食べているおつまみ側にあります。ここは晩酌で太らないおつまみと糖質ゼロでも太る3つの理由に譲ります。
健康面や適量の考え方はキンミヤ焼酎は体に悪い?のほうが本題にしているので、そちらを読んでください。お酒は適量を守って楽しむのが大前提、というのはこの記事も同じ立場です。

キンミヤをよく飲む私が、数字を出したあとに変えたこと
数字が出たので、自分の飲み方をどう変えたかを書いておきます。「これをやれば痩せる」という話ではありません。量が把握できるようになった、というだけの話です。
まず、ホッピー1本に対してナカは何杯までか、先に決めるようになりました。ロックやハイボールは1杯83kcalで固定ですが、ナカのおかわりは90mlずつ積み上がる。ここだけ性質が違うんですよ。決めておかないと、気づいたら3杯目です。
次に、割り材は「無糖かどうか」だけ見る。無糖なら何で割っても83kcalのままで、甘い割り材だと1杯で30〜50kcal変わります。見るべき場所はそこだけでした。
3つ目は、水を並走させること。水を並べた日は、3杯目までのペースが明らかに落ちるんです。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」にも、「飲酒の合間に水(又は炭酸水)を飲む」という項目があります。切らして「まあいいか」となるのが嫌なので、2Lのミネラルウォーターは箱で買って置いてあります。
4つ目は、つまみを手を伸ばせる位置に置くこと。何も作らずに食べられるものを、器に開けておくだけです。素焼きのミックスナッツを使うことが多いですね。味付けがないので酒の邪魔をしません。
そしてもうひとつ。カロリーの隣には、純アルコール量というもう一つの数字があります。厚生労働省のガイドラインは、これを「摂取量(ml) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコールの比重)」で出すとしています。この記事の式と形はほとんど同じで、最後に掛けるのが7(kcal)か0.8(g)かの違いだけです。
25度で計算すると、ロック1杯(60ml)が純アルコール12g、ナカ1杯(90ml)が18g。ホッピー1本+ナカ3杯なら54gになります。
同じガイドラインは、健康日本21(第三次)の目標として「生活習慣病(NCDs)のリスクを高める量(1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上)」を挙げています。ただしガイドライン自身が「これらの量は個々人の許容量を示したものではありません」と注記しているので、これは線引きではなく目盛りとして見てください。
その目盛りに上の換算を当てると、ナカ2杯で36g、3杯で54g。私が杯数を先に決めているのは、要するにこの目盛りの上で決めているだけの話です。ガイドラインにも「あらかじめ量を決めて飲酒をする」という項目がありました。適量そのものの考え方はキンミヤ焼酎は体に悪い?が本題にしているので、ここは数字の換算までにしておきます。
これは我慢の話ではなく、むしろ逆です。カロリーの本丸は焼酎ではなくおつまみ側にあるので、そこを先に押さえておくほうが効く。おつまみの選び方そのものは晩酌で太らないおつまみにまとめてあります。
結局のところ、数字が分かると「やめる」ではなく「決める」ができるようになる。それが、この計算をやってよかった一番の点でした。
キンミヤ焼酎のカロリーについてよくある質問
検索でよく見かける疑問に、この記事の数字でまとめて答えておきます。すべて本文と同じ数値で、根拠もそのまま本文に書いてあります。
Q. キンミヤ焼酎は太りますか?
焼酎そのものの糖質は0gですが、カロリーは25度100mlあたり約138kcalあり、確実に存在します。太るかどうかは飲む量とおつまみ次第です。1杯(焼酎60ml)なら約83kcalで、ビール中ジョッキ1杯(約138kcal)より低い。糖質ゼロでも太る理由は焼酎のカロリー、健康面や適量の考え方はキンミヤ焼酎は体に悪い?にまとめています。
Q. 「金宮」と「キンミヤ」は違うお酒ですか?
同じお酒です。正式名称は亀甲宮焼酎(きっこうみやしょうちゅう)で、ラベルの亀甲マークと「宮」の字から金宮・キンミヤと呼ばれるようになりました。4Lサイズの金宮「好きやねん」も同じ宮﨑本店の製品です。カロリーは度数だけで決まるので、呼び方が変わっても数値は同じ。25度なら100mlあたり約138kcalです。
Q. キンミヤの糖質は本当にゼロですか?
食品成分表の「連続式蒸留しょうちゅう」(食品番号16014)の炭水化物は0gです。糖質は不揮発性で、蒸留の過程で留出しないためで、これは製法上の必然といえます。ただし割り材が甘ければ、そちら側の糖質が乗ります。梅シロップや加糖のレモンシロップを使う場合は別物と考えてください。
Q. キンミヤのプリン体はどのくらいですか?
プリン体も糖質と同じく不揮発性で、蒸留では留出しないため、ほぼゼロです。ただしプリン体ゼロであることと痛風のリスクは別の話で、アルコール自体に尿酸の産生を増やし排泄を抑える働きがあることが知られています。詳しくはプリン体ゼロでも痛風にセーフと言えない理由をどうぞ。
Q. ダイエット中は20度と25度、どちらがいいですか?
同じ量を飲むなら、20度のほうが100mlあたり28kcal低くなります(20度が約110kcal、25度が約138kcal・いずれも計算値)。ただし薄いぶん量が増えれば結果は同じです。杯数が変わらないなら20度が有利、という答え方になります。
Q. ホッピー割りと焼酎ハイボール、どちらが低カロリーですか?
焼酎の量が同じなら、無糖の炭酸水で割る焼酎ハイボールのほうが低くなります。ホッピーは1本で約40kcal・糖質約6.1gが乗るためです。ただしホッピーセット1杯の約139kcalはビール中ジョッキ1杯とほぼ同じで、極端に高いわけではありません。
Q. シャリキン1本は何kcalですか?
1本90ml・20度で、約99kcal、糖質0gです。この記事の基準にしている25度ではなく20度なので、そこだけ注意してください。無糖の炭酸水で割っても99kcalのまま変わりません。
Q. 1.8Lパックを1本空けると何kcalですか?
計算上は25度で約2,490kcal、20度で約1,990kcal、35度で約3,480kcalです。もちろん1本を一度に空ける飲み方は想定していません。1本が何日でなくなるかを思い出して、1日あたりに直して見るのが現実的です。お酒は適量を守って楽しみましょう。
まとめ|キンミヤのカロリーは「度数 × 0.789 × 7」で自分で出せる
最後に、要点を4つだけ。
キンミヤ25度は100mlで約138kcal、ロック1杯(焼酎60ml)なら約83kcal、糖質は0g。これがこの記事の答えです。
ネットの数字が206・200・155・146・140とバラバラなのは、公式が非公表で全員が同じ食品成分表を見に行き、そこで別々の一歩を踏み外すからです。①「連続式蒸留しょうちゅう」には35度の行しかない ②収載値は100gあたりで100mlではない ③甲類と乙類で見る行が違う——この3つに、七訂と八訂でアルコールの換算係数が7.1と7.0で違うという版の差が乗ります。どのサイトも計算の途中までは正しくて、最後の一歩だけがズレています。
ホッピーセット1杯は約139kcalで、ビールの中ジョッキ1杯とほぼ同じ。違うのはカロリーではなく糖質のほうでした。
そして計算式(度数 × 0.789 × 7)さえ持っていれば、自分の飲み方が何kcalかは自分で出せます。
この記事の目的は、キンミヤをやめさせることではありません。数字が分からないまま、なんとなく不安を抱えたまま飲むのをやめてもらうことです。数字が分かれば、飲み方は自分で決められます。
なお、この記事の計算はすべて25度が基準です。20度・35度も同じシリーズで出ているので、手元のパックの度数表記と照らし合わせてみてください。


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