ほぼ毎晩お酒を飲んでいる私が、最初に言っておきます。
お酒が飲めないことは、何ひとつ悪くありません。
これは慰めではなく、厚生労働省のガイドラインにも「飲酒する習慣がない方に対して無理に飲酒を勧めることは避けるべきである」と書かれていることです。
私も若い頃は焼酎がまったく飲めませんでしたし、赤ワインの渋みも苦手でした。いま飲めるのは味の好みが変わったからで、お酒に強くなったわけではありません。
この記事では「飲みやすい」を4つの条件に分解します。そして「度数が低い=アルコールが少ない」は成り立たないことを、1杯あたりの純アルコール量の早見表でお見せします。
先に結論だけ置いておきます。甘いのが平気なら3%帯の缶チューハイか梅酒、甘いのが苦手なら薄めのハイボールか緑茶ハイ。それが現実的な最初の一杯です。ただし選んだあとに見てほしいのは缶の度数表示のほうで、その理由が早見表にあります。
なお20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。この記事は20歳以上の方に向けたものです。
- 飲みやすさを決める4つの条件(度数・甘さ・炭酸・アルコールの刺激)
- 種類別・1杯あたりの純アルコール量の早見表(14種)
- 「度数が低い=アルコールが少ない」が成り立たない理由
- 甘いのが苦手な人向けの選び方
- 同じお酒を飲みやすくする5つの工夫
- 居酒屋での頼み方と、勧められたときの断り方
飲みやすいお酒とは?飲みやすさを決める4つの条件
「飲みやすいお酒」と言っても、人によって指しているものが違います。甘いから。炭酸で流せるから。お酒の匂いがしないから。
つまり自分がお酒の「何を」苦手だと感じているかを特定しないと、選びようがないんですよ。
飲みやすさは4つの条件に分解できます。そこに補助として温度が効きます。
| 条件 | どう感じるか | 苦手な人が避けるもの | 向いている方向 |
|---|---|---|---|
| ①度数 | アルコールの濃さ。同じ量でも体に入る量が変わる | 9%帯の缶、蒸留酒のストレート | 3%帯の缶、薄めに割ったもの |
| ②甘さ | 甘味が刺激を覆い隠し、味はジュースに近づく | 甘さが苦手なら甘いカクテル全般 | 甘い派は梅酒・果実系/苦手派はお茶割り・辛口 |
| ③炭酸 | 「味わう」から「流し込む」に変わる | お腹が張る・刺激が痛いなら炭酸全般 | 炭酸OKならハイボール/苦手なら水割り・ロック |
| ④アルコールの刺激 | ツンとくる匂い、舌や喉のヒリつき | 常温のストレート、濃いめの一杯 | よく冷やす・薄める・香りの穏やかなもの |
| +温度 | 冷えるほど香りも甘味も刺激も落ちる | ぬるいまま飲むこと | 氷を多めに、グラスごと冷やす |
①度数|同じ一杯に入っているアルコールの量が変わる
度数はアルコールの濃さです。数字が小さいほど、同じ量を飲んだときのアルコールは少なくなります。
ただ「度数が低い=体に入るアルコールが少ない」は成り立ちません。理由は早見表でお見せします。
②甘さ|甘味はアルコールの刺激を隠してしまう
甘さは飲みやすさの最大の要因であり、同時に最大の落とし穴でもあります。
糖分はアルコールの苦味やヒリつきを覆い隠し、味はジュースに近づく。つまり「味が甘い=アルコールが少ない」ではないのです。
③炭酸|喉ごしで飲めるが、苦手な人には逆効果
炭酸が入ると、飲み物は「味わうもの」から「流し込むもの」に変わります。味が少し苦手でも、喉ごしで飲めてしまう。
ただ、炭酸そのものが苦手な人がけっこうな数いるんですよ。お腹が張る、刺激が痛い、理由はいろいろあります。
④アルコールの刺激|4つ目の軸が「度数は低いのに飲めない」を説明する
アルコールそのものの匂いと、舌や喉に来るヒリつき。これは度数と完全には比例しません。
蒸留酒をそのまま口に含むと刺激が立ちますが、割って冷やせば同じお酒でも刺激はぐっと下がります。逆に度数が低くても、香料や原料の匂いが苦手に感じられることもある。
この軸があると、「度数5%の缶なのに無理」と「度数40%でもハイボールなら飲める」が同時に説明できるんですよ。
私にも苦手なものはあります。芋焼酎は正直いまも得意ではありません。度数の問題ではなく、香りが自分に合わないというだけの話です。

お酒を選ぶ前に|まず自分の体質を確認する
飲みやすいお酒を探すとき、たいていの記事はいきなり銘柄の話から入ります。でも銘柄探しより先に、自分の体質を知っておく。こっちが先なんですよ。
顔が赤くなる・動悸がするなら、それは体質のサイン
厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」には、こう書かれています。
「アルコールを分解する体内の分解酵素のはたらきの強い・弱いなどが、個人によって大きく異なります。分解酵素のはたらきが弱い場合などには、飲酒により、顔が赤くなったり、動悸や吐き気がする状態になることがあります。(これを「フラッシング反応」と言います。)」
さらに「東アジアではこの分解酵素が弱く上記のようなフラッシング反応を起こす方々が一定数存在し、日本では41%程度いると言われています。」とも。
41%。だいたい5人に2人です。
ちなみに私自身は、量は飲めるほうなのに顔だけはすぐ赤くなります。妻は強くはないものの飲めるほうで、ただ体質的に合わないのか、飲むと体全体が赤くなる。反応の出方も、飲める量も、人によってまったく違うんですよ。赤くならない人が標準、というわけでもありません。
つまり飲めないのは意志の弱さでも慣れの問題でもなく、生まれ持った酵素のはたらきの差。飲み会で肩身の狭い思いをしてきた方には、まずここを知ってほしいんです。
「飲んでいるうちに飲めるようになる」は起こらない
酒好きがやりがちな間違ったアドバイスです。私も昔、口にしていました。
分解酵素のはたらきは、飲酒経験では変わりません。
同じガイドラインは、フラッシング反応が出る人が長年飲酒して不快にならずに飲めるようになった場合でも「アルコールを原因とする口の中のがんや食道がん等のリスクが非常に高くなるといったデータがありますので注意が必要です」と記しています。
つまり「慣れた」は喜ばしい変化ではないということ。体質的に受け付けないなら、無理に飲む必要はまったくありません。
体質以前に、飲んではいけない場面がある
ここだけは、淡々と書いておきます。
・20歳未満の飲酒は法律で禁止されています(20歳未満の人に飲ませることも法律違反です)
・妊娠中・授乳期の飲酒は避けるべきとされています
・薬の服用中、療養中の方は主治医に相談してください
・お酒を飲んだら運転しません。自転車も含みます
「飲みやすいお酒だから少しくらいなら」は、どれにも当てはまりません。
なお飲める量には個人差があります。女性は一般的に体内の水分量が少なくアルコールの影響を受けやすい、ともガイドラインは記しています。

【早見表】種類別・1杯あたりの純アルコール量|度数の順番とは一致しない
ここからが、この記事の中核です。
厚生労働省のガイドラインは、お酒の量を「ml」ではなく「g」で見ることを勧めています。「単にお酒の量(ml)だけでなく、お酒に含まれる純アルコール量(g)について着目することは重要です。」
計算式も明記されています。「純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」
この式で、よく飲まれるお酒を1杯あたりに揃えて並べました。純アルコール量の少ない順に並べているのに、度数の列はまったく順番になっていません。
| お酒の種類 | 想定した1杯の量 | 度数 | 1杯あたりの純アルコール量 |
|---|---|---|---|
| カシスオレンジ | カシスリキュール30ml | 20% | 4.8g |
| 梅酒ロック | 60ml | 13% | 6.2g |
| 低アルコール缶チューハイ | 350ml | 3% | 8.4g |
| レモンサワー | 甲類焼酎45ml | 25% | 9.0g |
| ハイボール | ウイスキー30ml | 40% | 9.6g |
| スパークリングワイン | グラス120ml | 11% | 10.6g |
| 白ワイン | グラス120ml | 12% | 11.5g |
| シードル(辛口) | 330ml | 5% | 13.2g |
| 缶チューハイ(標準) | 350ml | 5% | 14.0g |
| ビール(中ジョッキ) | 435ml | 5% | 17.4g |
| ビール(ロング缶・中瓶) | 500ml | 5% | 20.0g |
| 日本酒(1合) | 180ml | 15% | 21.6g |
| 高アルコール缶チューハイ | 350ml | 9% | 25.2g |
| 高アルコール缶チューハイ(ロング缶) | 500ml | 9% | 36.0g |
- 数値は「度数◯%・◯mlとして計算した場合」の目安です。実際の度数や提供量は商品・お店で変わります
- 中ジョッキの容量は店により大きく異なります(ここでは435mlで計算)
- ハイボール・レモンサワー・カシスオレンジは、使うお酒の量だけで計算しています
度数40%のハイボール1杯より、度数5%の缶チューハイ1本のほうが多い
ハイボール(ウイスキー30ml・40度)は9.6g。缶チューハイ(350ml・5度)は14.0g。
度数は8倍違うのに、1杯に入っているアルコールは缶チューハイのほうが多いんです。
理由は単純で、度数は「濃さ」でしかないから。体に入る量は「濃さ×飲む量」で決まります。ハイボールはウイスキー30mlを炭酸で薄めているので、濃さは高くても量が少ない。
「度数が低いほうが安心」という感覚は、一度手放したほうがいいと思います。
梅酒は度数13%でも、1杯あたりでは最も軽い部類
梅酒のロック(60ml・13度)は6.2g。度数だけ見るとビール(5度)の2倍以上ですが、1杯の量が60mlと少ないので、純アルコール量は最も小さい部類です。
つまり度数だけを見ても、1杯の量だけを見ても、片方では判断できないということ。
梅酒は甘口の入口としても使いやすいお酒。飲み方は梅酒のロックとは?にまとめてあります。
この数字を「上限」として読まないでほしい
厚生労働省は、生活習慣病のリスクを高める量として「1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上」という数字を示しています。
ただし同じガイドラインには、「なお、これらの量は個々人の許容量を示したものではありません」と明記されています。
つまり「ここまでなら飲んでいい」という線ではありません。少量でもリスクが上がると考えられている疾患もあるとされています。1回の飲酒機会で純アルコール摂取量60g以上の一時多量飲酒は避けるべきである、とも記されています。
この表は、自分が何を飲んでいるかを知るための道具です。上限表ではありません。


甘いのが好きな人の入口|果実酒・リキュール系から

まずは甘いのが平気な人の入口から。
甘さが刺激を覆ってくれるタイプ。梅酒、カシスオレンジ、カルーアミルク、低度数の缶チューハイあたりですね。
ネットではこの手のお酒が「それは本物の酒じゃない」という言われ方をすることがあります。
気にしなくていいです。
私はお酒に格付けをしません。自分が旨いと思うものが、自分にとって旨いお酒です。
低度数の缶チューハイ|3%帯は最も手に取りやすい
3%帯の缶は、コンビニでもスーパーでも買えて、味の系統も選べます。350ml缶1本で8.4g。
最初に試す対象としては、いちばん現実的だと思います。
呼び方の違いはチューハイとサワーの違い、成分が気になったら体に悪いチューハイランキングもどうぞ。
梅酒・果実酒|1杯の量が少ないので体感も軽い
1杯の量が少ないぶん体感も軽く、ロック・ソーダ割り・水割りと割り方を選べるのも利点です。
甘口の入口として使い勝手のいいお酒ですね。カロリーは梅酒のカロリー・糖質のほうで。
居酒屋の甘いカクテル|カシスオレンジ系は最も軽い一杯のひとつ
カシスオレンジは、カシスリキュール30ml換算で4.8g。早見表で最も軽い一杯のひとつです。
しかもほとんどの居酒屋に置いてある。味はほぼオレンジジュースなので、お酒の匂いが苦手でも入りやすい。
カルーアミルクやファジーネーブルも同様、「甘い・量が少ない・どの店にもある」の3拍子です。
分類の話はリキュールとスピリッツの違いに譲ります。

甘いのが苦手な人の入口|「飲みやすい=甘い」ではない

飲みやすいお酒の解説は、たいてい甘いお酒の話に流れます。でも「甘いのは苦手、でもお酒も苦手」という人は確実にいるんですよ。
甘さで隠すのではなく、薄めて・冷やして・香りで飲む方向があります。選択肢を4つ挙げますね。
薄めのハイボール|1杯9.6gで、甘くない飲みやすさの本命
度数40%と聞くと身構えると思いますが、早見表のとおり薄めの1杯は9.6g。缶チューハイ1本(14.0g)より軽いんです。
家で作るならウイスキー1に対して炭酸4が定番と言われますが、1:5でも1:6でもまったく構いません。薄く作って美味しく飲めるなら、そっちが正解です。
口に合わなかった経験のある方はハイボールがまずいのはなぜ?、ウイスキーに興味が出たらストレートがきつい?もどうぞ。
緑茶ハイ・ウーロンハイ|甘さゼロで、味は普段飲んでいるもの
居酒屋にもコンビニにもあって、味の軸が普段飲んでいるお茶。違和感がいちばん少ない選択肢だと思います。甘味料の入っていないタイプなら、甘さはほぼゼロ。
注意点はお店によって焼酎の量に差が大きいこと。濃いと感じたら「薄めでお願いします」で大丈夫です。
割ると度数が下がる原理は焼酎の度数は20度か25度で割合ごとに整理しています。
辛口シードル・スパークリング|甘くないのに口当たりが軽い
辛口のシードルは330ml・5度で13.2g。りんごの香りと炭酸の軽さがあって、甘くない飲みやすさの選択肢としてもっと知られていいと思います。
スパークリングワインはグラス1杯(120ml・11度)で10.6g。
ワインなら渋みの強い赤より、白・ロゼ・スパークリングのほうが入口としては素直です。全体像はワインの種類一覧、「ボディ」が気になったらワインのフルボディとはへ。
炭酸そのものが苦手なら|炭酸なしで飲めるものを選ぶ
炭酸を避けても選択肢はちゃんとあります。
・梅酒のロック、水割り
・白ワイン
・ウイスキーの水割り、お湯割り
・緑茶ハイ、ウーロンハイ
・カルーアミルクなど乳製品系
冷やす・薄めるで刺激はさらに下がります。炭酸が苦手なことを「慣れれば平気」なんて言うつもりはありません。避けて選べばいいだけです。
同じお酒を飲みやすくする5つの工夫|銘柄を変えるより先にできること
同じお酒でも、飲み方を変えると体感はかなり変わります。
この工夫のいくつかは、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒の仕方」とそのまま重なります。国が勧めている飲み方が、そのまま飲みやすくする工夫になっているんですよ。
①薄める|濃さは自分で決めていい
居酒屋でも家でも、薄く作って構いません。
ガイドラインにも「水などを混ぜてアルコール度数を低くして飲酒をする」と、推奨項目として書かれています。濃さは自分で決めていいんです。
ちなみに割り材の炭酸水は、強炭酸タイプにすると薄めても飲みごたえが残りやすいと言われています。
②冷やす|温度が下がると香りも刺激も落ちる
冷えているだけで、アルコール臭は立ちにくくなり、刺激も丸くなります。グラスごと冷やす、氷を多めに入れる。それだけです。
氷は多いほうが溶けるのが遅く、かえって薄まりにくいという逆説もあります。ケチらず入れましょう。
③食べながら飲む|空腹で飲まない
ガイドラインにはこうあります。「飲酒前又は飲酒中に食事をとる 血中のアルコール濃度を上がりにくくし、お酒に酔いにくくする効果があります。」
食べながら飲むだけで、体感がずいぶん違います。空腹のまま飲み始めるのは、いちばん避けたいパターンですね。おつまみは太らないおつまみで扱っています。
④水を挟む|1杯飲んだら水を1杯
ガイドラインの推奨項目そのものです。「飲酒の合間に水(又は炭酸水)を飲む」。
お酒と同じくらいの量の水を、横に置いておく。それだけ。気を遣う行為ではありません。家なら最初からグラスを2つ用意しておくと忘れませんよ。
⑤小さいグラスにする・ペースを自分で決める
ガイドラインには「あらかじめ量を決めて飲酒する」という項目もあります。
大きいジョッキより、小さいグラスのほうがペースを握りやすい。周りに合わせて飲む必要はありません。自分のペースは自分で決めるもの。
とはいえ、それを許してくれない場もある。次はその話です。
居酒屋・飲み会での頼み方と、勧められたときの断り方
ここは実際に口に出せる言葉まで書きます。特に後半の断り方は、私がいちばん書きたかった部分です。
最初の一杯に頼めるもの|どの店にもある4つ
どの店にもまずあるのが、この4系統です。
・カシスオレンジ(甘い・軽い)
・ウーロンハイ、緑茶ハイ(甘くない)
・レモンサワー(甘さ控えめで炭酸あり)
・梅酒のソーダ割り、ロック(甘口で量も少なめ)
「みんながビールだから自分も」に合わせる必要はありません。
言い方も添えておきますね。「◯◯を薄めでお願いします」「先にお水もらえますか」。この2つが言えるだけで、だいぶ楽になります。
バーなら「軽いものを一杯」で伝わる
バーは銘柄が浮かばなくても大丈夫です。
「お酒に強くないので、軽いものを一杯」。これで十分伝わります。バーテンダーは度数を調整して作れますから、遠慮なく言っていいんですよ。
一人で飲む場の過ごし方は一人飲みの楽しみ方にまとめてあります。
勧められたときは断っていい|国のガイドラインにそう書いてある
ここははっきり書きます。厚生労働省のガイドラインには、こう明記されています。
「他人への飲酒の強要等 飲酒は様々なリスクを伴う可能性があるものであり、他人に無理な飲酒を勧めることは避けるべきです。併せて、飲酒を契機とした暴力や暴言・ハラスメントなどにつながらないように配慮しなければなりません。」
さらに「飲酒する習慣がない方に対して無理に飲酒を勧めることは避けるべきであることにも留意してください。」とも。
断っていいんです。これは処世術ではなく、国のガイドラインに書いてあることです。
使える断り文句も挙げておきます。「体質的に受け付けないので」「明日運転があるので」「薬を飲んでいるので」「お水でお付き合いします」。
そして理由を説明する義務は、そもそもありません。
飲めない人がいる前提で場をつくる側の話
勧めてしまう側にも一言。これは私自身の反省です。
若い頃、場を盛り上げるつもりで人にお酒を勧めていた時期がありました。あれは完全に間違いでした。妻にも「あなた、人に飲ませすぎ」と言われましたが、正しかったですね。
乾杯の一杯を全員お酒で揃えない。飲まない人に理由を聞かない。それだけで場はちゃんと成立します。
コンビニ・スーパーで買うなら|失敗しない選び方
今夜コンビニやスーパーで1本選ぶなら。
この手の記事は高級なお酒の紹介に流れがちですが、お酒が苦手な人が最初に手を出すなら、数百円で買える棚で十分です。判断軸は2つだけ。
パッケージではなく度数の数字を見る
同じ棚に3%と9%が並んでいて、デザインの雰囲気では区別がつきません。頼りになるのはアルコール分の数字だけ。缶の表面か、裏面の下のほうに必ず書かれています。
ここを見る習慣がつくだけで、「思っていたより強かった」はほぼ避けられます。私もお酒に関わる仕事をしているぶん、この数字を確認する癖がつきました。
いきなり箱買いしない|1本ずつ、またはアソートで試す
味の好みは飲んでみないと分かりません。同じ3%帯でも、レモン・白ぶどう・もも・ゆずで印象がずいぶん変わります。
だから1本ずつ違う系統を買って、自分がどれを最後まで飲めたかを覚えておく。複数の味が入ったアソートで方向性をつかむ手もあります。大事なのは「正解を当てる」ことではなく、自分の好みの方向を知ることですよ。
それと、口に合わなければ残していいです。飲み切らなければいけない決まりなんて、どこにもありません。
さて。ここからは、飲みやすいお酒だからこそ気をつけたいことを書いておきますね。
【注意】飲みやすいお酒ほど、気をつけたいこと
「飲みやすいけど強いお酒ってありますか」。よく見かける質問です。
答えはあります。というより、飲みやすさとアルコールの量は、そもそも別々に決まるものなんです。
煽るつもりはありません。数字を置いておくので、あとはご自身で判断してください。
味が軽いことと、アルコールが少ないことは別
甘さと炭酸がアルコールの刺激を覆い隠す。ということは、「飲みやすい」という感覚は、中身の量とは無関係に作れてしまうということです。
商品が悪いという話ではありません。味の設計と中身の量が、単に別の話だというだけです。
3%の缶を4本飲むと、ビール500mlを上回る
計算をひとつだけ。
3%の350ml缶は8.4g。4本で33.6g。ビール500ml(5%)は20.0gです。
低い度数のお酒だけを選んでいても、杯数が増えれば積み上がります。
厚生労働省が示す男性40g・女性20gという数字はありますが、繰り返します。これらの量は個々人の許容量を示したものではありません。
飲む量が気になってきた方には晩酌がやめられない人へもあります。
ストロング系は、同じ「チューハイ」の顔をしている
9%の500ml缶は、1本で36.0g。3%の350ml缶(8.4g)のおよそ4.3倍です。
味の系統もパッケージの雰囲気も似ているのに、中身は別物なんですよ。詳しくはストロングゼロはやばい?に譲ります。
よくある質問(FAQ)
よく聞かれることをまとめておきます。答えはどれも1行目に置いてありますので、気になるところだけ拾い読みしてもらって大丈夫です。
Q. 一番飲みやすいお酒は何ですか?
単一の正解はありません。度数・甘さ・炭酸・アルコールの刺激のどれが苦手かで答えが変わるからです。甘いのが平気なら3%帯の缶チューハイや梅酒、甘いのが苦手なら薄めのハイボールや緑茶ハイが入口になります。
Q. 飲みやすいのに強いお酒はありますか?
あります。味の甘さや炭酸の軽さと、アルコールの量は連動しません。9%の500ml缶は1本で純アルコール量36.0g、3%の350ml缶(8.4g)のおよそ4.3倍です。判断は缶の度数表示で。
Q. 炭酸が苦手でも飲みやすいお酒はありますか?
あります。梅酒のロックや水割り、ウイスキーの水割り・お湯割り、白ワイン、お茶で割った焼酎が選択肢です。冷やす・薄めるでアルコールの刺激はさらに下がります。
Q. お酒に弱い人でも飲めるお酒はありますか?
「弱い」の中身が体質なのか味の好みなのかで話が変わります。顔が赤くなる・動悸がするならフラッシング反応という体質のサインで、日本では41%程度いるとされています。その場合は銘柄選びの問題ではありません。
Q. 飲んでいるうちに飲めるようになりますか?
アルコールの分解酵素のはたらきは、飲酒経験では変わりません。不快にならずに飲めるようになった場合でも、口の中のがんや食道がん等のリスクが非常に高くなるデータがあると厚生労働省のガイドラインは記しています。
Q. 飲みやすいお酒なら太りませんか?
飲みやすさとカロリーは別の軸です。詳しくは梅酒のカロリー・糖質やビールは太るのか?をどうぞ。
Q. 飲み会で飲めないと言いづらいのですが、断ってもいいですか?
断って大丈夫です。厚生労働省のガイドラインに「他人に無理な飲酒を勧めることは避けるべきです」と明記されています。理由を説明する義務もありません。
まとめ|飲みやすさは4つの条件に分解できる
要点を振り返ります。
・「飲みやすい」は度数・甘さ・炭酸・アルコールの刺激の4条件+温度に分解できる
・銘柄より先に体質確認。顔が赤くなる・動悸は体質のサイン(日本では41%程度とされる)
・度数の順番と、1杯あたりの純アルコール量の順番は一致しない。缶の度数表示を見る習慣がいちばん効く
・甘くない飲みやすさもある。薄めのハイボール、緑茶ハイ、辛口シードル
・薄める・冷やす・食べながら・水を挟む・ペースを決める
・勧められたら断っていい。国のガイドラインにそう書いてある
最後に、もう一度。
お酒が飲めないことは、何ひとつ悪くありません。
飲まない選択も、薄く飲む選択も、全部その人のものです。お酒は本来、誰かに強いられて飲むものじゃない。ほぼ毎晩飲んでいるおやじが言うんだから、間違いないですよ。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。お酒は適量を守って楽しみましょう。


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