「最近、お腹まわりが気になってきたな」。
そう思うようになってから、家で開けるビール系は糖質オフの発泡酒にしています。淡麗グリーンラベルです。
ところが商品名で検索すると、候補に「体に悪い」と出てくるんですよ。
「体に悪いのか」と調べる人は、たいていもう飲んでいます。やめる理由ではなく、続けていいのかを知りたいはずですよね。
先に答えを書きます。「淡麗グリーンラベルだから体に悪い」と言える根拠は、キリンの公式表示にも酒税法の条文にも見当たりませんでした。決めているのは区分ではなく、何を何本飲むかのほうです。
使ったのはキリン公式の表示と、厚生労働省・消費者庁の資料、日本食品標準成分表だけ。誰でも同じものを開いて確かめられます。
- 原材料名にスラッシュ(/)以降が無い=添加物は1つも使われていない
- 「糖質70%オフ」の比較対象は日本食品標準成分表。ビールでもキリンの他商品でもない
- 350ml缶1本は約102kcal。うち約86%はアルコール由来で、そこは減っていない
- 同じ淡麗でも、糖質0のプラチナダブルのほうが1缶のカロリーも純アルコール量も多い。主因は糖質ではなく度数の差
- 線を引いているのは本数。350ml缶1本=純アルコール12.6g。厚労省が「生活習慣病のリスクを高める量」とする男性40g・女性20gは、350ml缶で約3.2本・約1.6本
【結論】淡麗グリーンラベルが体に悪いという根拠は無い|決めているのは本数のほう
結論です。淡麗グリーンラベルが体に悪い、と言える根拠は見つかりませんでした。いま飲んでいる人が「この銘柄だから」という理由でやめる必要はありません。
理由は3つ。原材料名に添加物が1つも入っていないこと。「発泡酒」という区分が、酒税法上の原料と製法の分類でしかないこと。そして残るのはアルコールそのもので、350ml缶1本=純アルコール12.6g。線を引いているのは、区分ではなくこの数字のほうです。
その線は、厚生労働省が「生活習慣病のリスクを高める量」として示す1日あたり男性40g・女性20g。350ml缶に直すと男性約3.2本・女性約1.6本、500ml缶なら女性は1本でほぼ届きます。続けるかどうかは、銘柄ではなくこの本数で見てください。
ただし「根拠が無い=無害」ではありません。飲む量が増えればリスクは上がりますし、この本数も「ここまで飲んでよい」という許可ではなく、集団の目標として示された数字です。原典の注記と換算の中身は後半で。
缶の裏を見れば、添加物は1つも入っていない
キリン公式の商品情報から、原材料名をそのまま引きます。
原材料名:麦芽、ホップ、大麦、コーン、糖類(国内製造)(キリン「淡麗グリーンラベル」商品情報)
これで全部です。スラッシュ(/)から後ろが、そもそも存在しません。香料も着色料も人工甘味料も無い、ということなんですよ。
「発泡酒だから」は理由にならない|区分は原料と製法の話
ビールか発泡酒かは、酒税法第3条が原料と製法で引いている線です。条文にあるのは原料と製法の条件だけで、体への影響に関する記述は1つもありません。だから「発泡酒だから」は、理由の形になっていないんですね。
区分の中身と2026年10月の酒税一本化は、ビールと発泡酒の違いをまとめた記事に書きました。
私が家でこの1本を選んでいる理由
理由はお腹です。年々気になってきて、家で開けるビール系は糖質オフにしている。それだけのことです。
定番になったのは、糖質を70%落としながら、甘味料で味を作っていない発泡酒だから。
家の定番にするなら、1本ずつ買い足すよりまとめ買いのほうが手間がかかりません。取り扱いだけでも見ておくと楽ですよ。

「糖質70%オフ」は何と比べて70%オフなのか|公式の注記を読む

缶のいちばん目立つところにある「糖質70%オフ」。では、何と比べて70%オフなのでしょうか。
キリン公式の商品ページでは、この数字に注記が付いています。
糖質70%オフ※を実現/※日本食品標準成分表2020年版(八訂)による。(キリン「淡麗グリーンラベル」商品情報)
比較対象は、キリンの他商品でもビール一般でもありません。国がまとめている食品データベースの値です。ざっくり言えば「国のデータベースに載っている標準的な値の3割」という意味ですね。同じ内容の注記はキリンのお客様相談室のQ&Aにもあるので、表記のブレではありません。
つまり「ビールより糖質が70%少ない」とは言えないんですよ。では成分表のどの行なのか。公式は書いていないので、計算で確かめました。
| 何の数字か | 値 | 出どころ |
|---|---|---|
| 食品成分表(八訂)の発泡酒・炭水化物 | 3.6g/100g | 成分表16009 |
| 100mLに換算(100mL=100.9g) | 約3.63g/100mL | 当記事の換算 |
| その30%(=70%オフ後の水準) | 約1.09g/100mL | 当記事の計算 |
| 淡麗グリーンラベルの公式表示・糖質 | 0.5〜1.1g/100mL | キリン公式 |
計算が合うのは「発泡酒の行」だった
表の3行目と4行目を見比べてください。成分表の発泡酒を70%オフにすると約1.09g。公式表示の糖質の上限1.1gと、ほぼ一致します。ビール(淡色)の3.1g/100gで同じ計算をすると約0.94gで、公式表示とは合いません。
限定を1つ。どの行を使ったかは、キリンが明記していません。「計算が合うのは発泡酒の行」は当記事の検算で、キリンの公表事項ではありません。確実なのは比較対象が食品成分表の値であることまでです。
ここから持ち帰るのは2つ。70%は国のデータの標準値との差で、ビールとの差ではないこと。それでも糖質が低いこと自体は公式表示(100mlあたり0.5〜1.1g)で確かなこと。いま飲んでいる銘柄から替えて実際に何g減るのかは、次の見出しで一番搾りと比べます。
糖質を70%減らしても減らないもの|1缶のカロリーの約86%はアルコール
糖質を70%減らしても、1缶のカロリーはそれほど減りません。理由は単純で、ビール系飲料のカロリーの大半は、糖質ではなくアルコールが持っているからです。
350ml缶1本は約102kcal。純アルコールは12.6gで、アルコールのエネルギー換算係数は1gあたり7kcal。掛けると約88kcalになります。
| 内訳 | 計算 | 1本(350ml)あたり |
|---|---|---|
| アルコール由来 | 純アルコール12.6g × 7kcal/g | 約88kcal(約86%) |
| 糖質由来 | 1.75〜3.85g × 4kcal/g | 約7〜15kcal |
| たんぱく質由来 | 0.35g × 4kcal/g | 約1kcal |
| 公式表示(29kcal/100ml×3.5) | — | 約102kcal |
ビールから替えても、減るのは糖質のほうだけ
同じキリンの一番搾りから替えた場合も見ておきます。350ml缶1本あたりで、糖質は約5.3〜7.4g減ります。毎日のことなら小さくない差です。
ところが純アルコール量は14.0gから12.6gへ、1.4gしか減りません。度数が5%から4.5%に下がっただけですからね。
なお、この糖質の差は「70%オフ」の根拠ではありません。70%は食品成分表との比較から出た数字で、別の話です。
糖質オフに意味がない、とは書きません。ただ、体重が気になって選んでいるなら、見る場所がもう1つあるということなんですよ。太るかどうかはビールで太るのかを検証した記事に。
同じ棚のプラチナダブルと比べる|糖質0のほうが1缶のカロリーが多い理由
ここまでが正しいなら、同じ棚で確かめられるはずです。糖質をゼロにしても、度数が高ければ1缶あたりの総量は増える。
同じ淡麗ブランドの「淡麗プラチナダブル」は、糖質0・プリン体0を掲げた発泡酒で、糖質とプリン体を優先して選ぶ人向けの1本です。公式の表示を、350ml缶1本という単位で並べます。
| 淡麗グリーンラベル | 淡麗プラチナダブル | |
|---|---|---|
| アルコール分 | 4.5% | 5.5% |
| エネルギー(350ml缶1本) | 約102kcal | 約109kcal |
| 純アルコール量(350ml缶1本) | 12.6g | 15.4g |
| 糖質(100mlあたり) | 0.5〜1.1g | 0g |
| プリン体の表示 | 表示なし | 0mg |
| 甘味料 | なし | アセスルファムK |
逆転の主因は「糖質の有無」ではなく度数差
糖質とプリン体はプラチナダブルが下。ところがカロリーと純アルコール量は、グリーンラベルのほうが低い。
ここを読み違えないでください。この逆転の主因は糖質の有無ではなく、度数の差(4.5%と5.5%)です。
350ml缶1本の内訳で見ると、こうなります(当記事の計算)。
- グリーンラベルの糖質由来のカロリー(ゼロにすれば減るぶん) … 約7〜15kcal
- 度数が1ポイント高いぶん増えるアルコール由来のカロリー … 約20kcal(約88kcal→約108kcal)
- 差し引きで、プラチナダブルのほうが約7kcal多い
糖質で減らした分を、度数の差が上回って埋め戻している格好なんですよ。
だから「糖質0のほうが体に悪い」とは書きません。糖質やプリン体のほうを優先するなら、選ぶべきはプラチナダブルです。設計が違うだけで、優劣の話ではありません。正しい言い方は糖質0でも、度数が高ければ1缶あたりの総量は増える。
「ゼロ」は「まったく入っていない」という意味ではない
パッケージの「0」は「存在しない」という意味でもありません。キリンのお客様相談室のQ&Aによれば、プリン体は100mlあたり0.5mg未満、糖質は0.5g未満のものに「0」と表示できます。表示ルール上のゼロなんですね。
「発泡酒は添加物まみれ」は、この商品には当たらない|缶の裏のスラッシュの見方
発泡酒と聞いて「添加物が多そう」と思う人は多いはずです。ただし淡麗グリーンラベルには当たりません。しかもこれは私の意見ではなく、缶の裏を見るだけで、読者が自分で確認できることです。
原材料名のスラッシュ(/)から後ろが添加物
根拠は消費者庁の「食品表示ガイド」です。
添加物については、事項欄を設けずに、原材料名の欄に原材料名と明確に区分して表示することができます。(消費者庁「早わかり食品表示ガイド」令和7年4月版)
同じ資料のQ&Aでは、区分の方法の例として記号・改行・別欄の3つが挙げられ(この3つに限らない、とも書かれています)、「区切りを入れずに連続して表示することはできません」とされています。記号の例に使われているのが、あのスラッシュです。
スラッシュの前が原材料、後ろが添加物。これだけ覚えておけば、どの商品でも使えますよ。
同じ淡麗ブランドで並べてみる
実際に2つ並べます。どちらもキリン公式の表示です。
- 淡麗グリーンラベル…麦芽、ホップ、大麦、コーン、糖類(国内製造)(スラッシュ以降なし)
- 淡麗プラチナダブル…麦芽、ホップ、大麦、糖類、アルコール(国内製造)/香料、乳化剤、酸味料、苦味料、甘味料(アセスルファムK)
人工甘味料のアセスルファムKが入っているのは、糖質0のプラチナダブルのほうです。
「糖質をゼロにすると甘味料が入りやすい」という一般論自体は外れていません。ただし当てはまるのは糖質ゼロの商品で、糖質70%オフのグリーンラベルは、その話の中に入っていません。同じ淡麗ブランドの極上〈生〉にも、スラッシュ以降はありません。
言い切れる範囲と、確認してほしいこと
限定を1つ。「スラッシュ以降が無い=添加物不使用」と言い切ってよいのは、原材料名の欄を1つにまとめて表示している場合です。改行や別欄で区分する方法も認められているので、缶の裏では原材料名の欄の下や隣に添加物の欄が無いかまで見てください。
なお、アセスルファムKが安全か危険かについては書きません。入っているか、いないか。表示から読み取れる事実までが、私が確認できる範囲です。
では、何本までなのか|350ml缶1本=純アルコール12.6g
ここからが本題です。体への影響を決めているのは区分ではなく、入っているアルコールの量のほうでした。
純アルコール量の式は、厚生労働省のガイドラインがそのまま公開しています。量(mL)× 度数÷100 × 0.8。
淡麗グリーンラベルは4.5%なので、350ml缶1本=12.6g、500ml缶1本=18.0gです。
比べる相手は、厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年2月)の数字です。
「生活習慣病(NCDs)のリスクを高める量(1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g以上、女性 20g以上)を飲酒している者の減少」(※)を目標とし(厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」2024年2月)
この40gと20gを、缶の本数に換算します。
| 1日あたりの純アルコール量 | 350ml缶 | 500ml缶 | |
|---|---|---|---|
| 男性 | 40g | 約3.2本 | 約2.2本 |
| 女性 | 20g | 約1.6本 | 約1.1本 |
500ml缶を1本開けた時点で、女性の20gにはほぼ届く
見てほしいのは右下です。500ml缶を1本開けた時点で、女性の20gにはほぼ到達しています。350ml缶なら1.6本。2本目の途中ですね。
男性でも350ml缶で3.2本。「糖質オフだからもう1本」という足し方をすると、あっさり超えます。糖質が減っても、アルコールは1本ぶんそのまま足し算されるからです。
私は純アルコール20gが実際どれくらいの量になるのか、計量カップで量ってみたことがあります。焼酎(25度)で約100mL、ウイスキー(40度)で約62.5mL。500ml缶1本(18.0g)は、ほぼそこと同じ位置にあります。同じ考え方はウイスキーは体に悪いのかを検証した記事でも使いました。
この本数は「ここまで飲んでよい」という許可ではない
大事なのは、引用に付いていた※の中身です。
※これらの量の飲酒をしている者の減少を目標としたものです。なお、これらの量は個々人の許容量を示したものではありません。
つまりこの本数は、「ここまで飲んでよい」という許可ではありません。集団としての目標であって個人の上限ではない、と原典が自分で書いています。
ネット上には出典の無い本数の目安も出回っていますが、この記事では出どころが確認できる数字だけを使っています。
飲む量が自分で決められなくなっていると感じたら、各都道府県の精神保健福祉センターがお酒の相談も受け付けています。本人でも家族でも使えます。
お腹が気になって糖質オフを選んでいる人へ

お腹が気になって糖質オフを選ぶ、という判断そのものは正しいです。糖質は実際に減っていますからね。
そのうえで、ここまでの話を行動の形にします。お腹のために糖質オフを選んだのなら、次に見る場所は糖質ではなく本数です。1本で約102kcal、2本で約204kcal。減らせる幅が大きいのは、糖質の数gより3本目のほうなんですよ。
私自身、お腹が出てきてから飲み方が変わりました。ビールは今も好きで、居酒屋なら1杯目は必ずビール。外ではアサヒの「マルエフ」が多いです。ただ2杯目からはハイボールに移ることが増えて、家で開けるビール系は糖質オフにしています。好きな酒をやめたのではなく、本数と場面を分けただけなんですね。
それでも、家の定番をこれにしている理由
お腹は気になる。でも家でビール系を1本は開けたい。その折り合いの付け方として、私はこの1本を選んでいます。
糖質を70%落としていて、原材料に添加物が1つも入っていない。理由としては、これで十分だと思っています。
ケースで置いておくと買い足しの手間が減るので、取り扱いは下のカードから見てみてください。
淡麗グリーンラベルのよくある質問
どれもキリン公式の表示と、公的資料の範囲だけで答えています。
Q. 淡麗グリーンラベルに人工甘味料は入っていますか?
入っていません。原材料名は「麦芽、ホップ、大麦、コーン、糖類(国内製造)」で、添加物を区分するスラッシュ(/)以降がありません。アセスルファムKが入っているのは、同じ淡麗ブランドのプラチナダブルのほうです。
Q. プリン体はどれくらい入っていますか?
キリンは公式サイトにプリン体量を掲載していません。他サイトでは具体的な数値も見かけますが、出どころが確認できないので当記事では扱いません。プリン体0を掲げているのは淡麗プラチナダブルとキリン のどごし ZEROのほうです。尿酸値まわりはハイボールとプリン体の記事に書きました。
Q. 毎日飲んでも大丈夫ですか?
銘柄で決まる話ではなく、本数で決まります。350ml缶1本=純アルコール12.6g、500ml缶1本=18.0g。厚生労働省が生活習慣病のリスクを高める量として示すのは1日あたり男性40g・女性20gで、350ml缶なら男性約3.2本・女性約1.6本です。ただしこの量は集団の目標であって個々人の許容量ではない、と原典が明記しているので、「毎日この本数まで大丈夫」とは書けません。
Q. ビールより体にいいのですか?
区分では決まりません。ビールと発泡酒を分けているのは酒税法上の原料と製法の条件で、条文に体への影響の記述がないからです。詳しくはビールと発泡酒の違いをまとめた記事をどうぞ。
まとめ|「発泡酒だから」ではなく「何本飲むか」で決まる
確かめられたことだけを並べます。
- 原材料名に添加物は1つも入っていない(スラッシュ以降が存在しない)
- 「糖質70%オフ」の比較対象は食品成分表であって、ビールでもキリンの他商品でもない
- 糖質を70%減らしても、1缶のカロリーの約86%を占めるアルコールは減っていない
- 線を引いているのは本数のほう。350ml缶1本=純アルコール12.6g
「発泡酒だから体に悪い」ではなく、「何を何本飲むか」。答えはこれだけです。
お腹が気になって糖質オフを選んだ人は、その判断を変える必要はありません。見る場所を、糖質から本数へ1つずらすだけで十分なんですよ。
気になった方は、いまの取り扱いだけでも覗いてみてください。


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