2026年10月1日から、お酒の税金が変わります。
先に答えを書きます。
350ml缶1本あたりの酒税は、ビールが9.10円下がり、発泡酒・新ジャンルは約7.26円、チューハイ・缶ハイボールは7円上がります。
日本酒・ワイン・ボトルのウイスキーと焼酎は変わりません。
まとめ買いで浮く税額は、24本1ケースで170円前後。上がる側の酒を飲みきれる量だけ買えば十分で、ビールは10月に入ってから買えば間に合います。
すでに10月に入っているなら、もう買い急ぐ理由はありません。上がる側は上がったあとなので、普段どおりの買い方で大丈夫です。
実は私の友人が、駆け込みでチューハイを1ケース、ビールを2ケース買っていました。
気持ちはよく分かります。ただ、税額の表と並べてみると、この3ケースは少し違う答えになるんですよ。その話は後半で書きます。
- 10月1日から、350ml缶1本の酒税はビールが9.10円下がり、発泡酒・新ジャンルは約7.26円、チューハイは7円上がる
- 日本酒・ワイン・ボトルのウイスキーと焼酎は変わらない(炭酸なしの低アル梅酒などは例外で上がる)
- まとめ買いで浮く税額は1ケース170円前後。上がる側を飲みきれる量だけ買えば十分。10月に入ったら、もう急ぐ理由はない
【一覧】2026年10月1日の酒税改正で上がる酒・下がる酒・変わらない酒

2026年10月の酒税改正の中身を、まず表で確定させます。
10月1日から何が上がり、何が下がり、何が変わらないのか。350ml缶1本あたりの酒税で並べると、こうなります。
税額は、財務省・国税庁が公表している税率から出した数字です。1ケース(24本)の差は、1本の差を24倍した当記事の計算値です。
炭酸なしの低アル梅酒・RTDの引き上げ額は、国税庁の手持品課税リーフレットが公表している1本あたりの額です。表の金額はすべて税額で、店頭価格ではありません。
| 品目 | 9月30日まで | 10月1日から | 1本の税額の差 | 1ケース(24本)の税額の差 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| ビール | 63.35円 | 54.25円 | −9.10円 | −218.4円 | 下がる |
| 発泡酒(麦芽比率25%未満)・新ジャンル | 46.99円 | 54.25円 | +約7.26円 | +約174円 | 上がる |
| 発泡酒(麦芽比率25%以上50%未満) | 54.25円 | 54.25円 | 0円 | 0円 | 変わらない |
| チューハイ・サワー・缶ハイボール(炭酸あり・10度未満) | 28円 | 35円 | +7円 | +168円 | 上がる(度数に関係なく同じ) |
| 低アルのスパークリングワイン(炭酸あり・10度未満の果実酒) | 28円 | 35円 | +7円 | +168円 | 上がる(チューハイと同じ区分) |
| 炭酸なしの低アル梅酒・RTD(9度未満) | 28円 | 35円 | +7円 | +168円 | 上がる |
| 炭酸なしの低アル梅酒・RTD(9度以上10度未満) | 31.5円 | 35円 | +3.5円 | +84円 | 上がる |
| 日本酒・ワイン(炭酸なし、または10度以上) | 35円 | 35円 | 0円 | 0円 | 変わらない |
| ボトルのウイスキー・焼酎 | 据え置き | 据え置き | 0円 | 0円 | 変わらない |
ビールは9.10円下がり、発泡酒・新ジャンルは約7.26円上がる
ビールの酒税は、350ml缶1本で63.35円から54.25円へ、9.10円下がります。
逆に、発泡酒(麦芽比率25%未満)と新ジャンル(いわゆる第三のビール)は、46.99円から54.25円へ、約7.26円上がります。46.99円は四捨五入した値です。
つまり10月1日から、ビール・発泡酒・新ジャンルの酒税は、1本54.25円の同じ額になります。
財務省はこれを「1㎘当たり155,000円(350㎖換算54.25円)に一本化します」と書いています。
ひとつ注意があります。麦芽比率25%以上50%未満の発泡酒は、2023年10月からすでに54.25円で、今回は変わりません。
「発泡酒は全部上がる」わけではない、ということですね。
ビールと発泡酒は何が違うのか、麦芽比率の決まりはビールと発泡酒の違いの記事にまとめています。
チューハイ・サワー・缶ハイボールは7円上がる(ストロング系も同じ7円)
缶チューハイ・サワー・缶ハイボールなど、酒税法で「その他の発泡性酒類」に入るお酒は、350ml缶1本28円から35円へ、7円上がります。
押さえておきたいのは、アルコール度数で上がり幅は変わらないことです。
9%のストロング系も、3%のチューハイも、炭酸が入っていて10度未満なら同じ7円です。
細かい話をすると、この区分の上限は10月1日から「10度未満」が「11度未満」に変わります。10度台の炭酸入りのお酒は品目で扱いが分かれ、リキュールなどは国税庁のリーフレットでむしろ引き下げの側に載っています(炭酸入りのワインの10度台は据え置き)。
ただ、缶チューハイの多くは9%以下なので、晩酌の買い物にはほぼ関係しません。
強い缶チューハイとの付き合い方は、体に悪いチューハイの記事で書いています。
日本酒・ワイン・ウイスキー・焼酎は変わらない。ただし低アルの梅酒とスパークリングは上がる
日本酒・ワイン・ウイスキー・焼酎の税率は、10月1日以降も変わりません。
清酒と果実酒(ワイン)は1klあたり100,000円のまま。ボトルで買うウイスキーや焼酎の本則の税率もそのままです。
ただし例外が2つあります。
1つ目は、炭酸の入っていない低アルコールの梅酒やRTD(缶や瓶でそのまま飲めるお酒)です。
度数の低い蒸留酒・リキュール(13度未満、リキュールは12度未満)には特例の税率があって、その低いほうの段が上がります。350mlあたり、9度未満なら7円、9度台なら3.5円の引き上げ。10度以上は変わりません。
2つ目は、低アルコールのスパークリングワインです。
炭酸があって度数の低い果実酒はチューハイと同じ区分なので、一緒に上がります。
サッポロビールも、価格改定の対象に「発泡性を有するアルコール分11度未満の果実酒」「発泡性を有しないアルコール分11度未満のリキュール」を挙げています。
逆に言えば、梅酒が全部上がるわけではありません。
炭酸がなく、度数が10度以上の梅酒は変わりません。
判定に使うのは、ラベルの2か所だけ。「アルコール分」の数字と、炭酸が入っているかどうかです。

税が9円下がっても、店の値段が同じだけ下がるとは限らない
ここだけは、言い切れない部分を書きます。
酒税が1本9.10円下がっても、店の値段が同じだけ下がるとは限りません。
理由はシンプルで、メーカーが変えるのは店頭価格ではなく生産者価格(メーカーが出荷するときの値段)だからです。
キリンビールは、ビール・発泡酒・新ジャンル・RTDなどの生産者価格を「2026年10月1日(木)納品分から」改定すると発表しています。
アサヒビールも同じ10月1日から。幅は1klあたり、ビールが26,000円の減税、発泡酒・新ジャンルが20,750円、RTDが20,000円の増税です。
この3つは、国税庁の税率表の差とぴったり同じ数字です(ビールなら181,000円−155,000円=26,000円)。メーカーは、税の差の分だけ出荷の値段を動かしている、ということです。
そこから先、棚の値札をいつ・いくら変えるかはお店が決めます。
10月1日の時点でお店にあるお酒は、古い税率で仕入れたもの。販売業者には手持品課税という仕組みがあって、上がる側のお酒を2,000リットル以上持っていれば差額を納め、下がる側のビールは届け出れば差額を戻してもらえます。それでも、値札の切り替えは店ごとにずれます。
税額は確定。店頭の値段は、10月に入ってから棚で見て判断する。それで十分です。
- 確定しているのは税額(ビール−9.10円、発泡酒・新ジャンル+約7.26円、チューハイ+7円)
- メーカーは10月1日(納品分)から、税の差の分だけ生産者価格を変える
- 店頭の値段と、いつ変わるかは店が決める。10月に入ったら棚の値札で確かめる
まとめ買いは得か?浮く税額は1ケース170円前後。飲みきれる量だけでいい

酒税改正でまとめ買いは得なのか。
上がる側(発泡酒・新ジャンル・チューハイ・低アル梅酒)は、飲みきれる量なら10月1日より前に買う意味があります。ビールは10月に入ってから買えばいい。
10月に入ってから読んでいる人は、もう買い急ぐ理由はありません。普段どおりの買い方で大丈夫です。
税額だけで損得を並べると、下の表のとおりです。1ケース・1年の数字は、1本の差から出した当記事の計算値で、店頭価格の差ではありません。
| 1本(350ml) | 24本1ケース | 毎晩1本×365日 | 税額だけで見た判定 | |
|---|---|---|---|---|
| ビール | −9.10円 | −218.4円 | 約−3,322円 | 下がる側。10月に入ってから |
| 発泡酒(麦芽比率25%未満)・新ジャンル | +約7.26円 | +約174円 | +約2,651円 | 上がる側。買うなら飲みきれる量だけ |
| チューハイ・サワー・缶ハイボール | +7円 | +168円 | +2,555円 | 上がる側。買うなら飲みきれる量だけ |
税額の差は1ケースで168〜218円。毎晩1本でも年約2,600〜3,300円
1ケース(24本)で見ると、税が上がるのはチューハイで168円、発泡酒・新ジャンルで約174円。
ビールは逆に、218.4円税が軽くなります。
仮に毎晩350mlを1本、365日飲んだとしても、増えるのは年に2,555円(チューハイ)〜約2,651円(発泡酒・新ジャンル)。ビールは約3,322円軽くなります。
これは税額の大きさを伝えるための計算で、1日1本を勧めているわけではありません。
厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」には、「飲酒量(純アルコール量)が少ないほど、飲酒によるリスクが少なくなるという報告もあります」と書かれています。飲まない日があれば、そのぶん税の差も小さくなります。
数か月分を先に抱え込むほどの差ではない、というのが私の答えです。
友人の駆け込み3ケースと、6缶パックが無くなったら買う私
冒頭の友人の話に戻ります。
友人が駆け込みで買ったのは、チューハイ1ケースとビール2ケースでした。
上がる前に家で飲む分を確保しておこう、というのは、ごく自然な判断だと思います。
ただ、税額だけで見ると答えが分かれます。
チューハイの1ケースは、10月1日より前に買えば168円ぶん税が軽く済む側。
一方でビールの2ケースは、税額だけ見れば10月を待つ側でした。ビールは10月1日から税が下がるので、2ケース分の税額の差は436.8円(218.4円×2)。待ったほうが、税の上では軽く済む側です。
酒税改正のニュースはビール系をひとまとめに語ることも多いので、ここは取り違えやすいところだと思います。
私自身はというと、家で一番飲むのは淡麗グリーンラベルで、プレモルやスーパードライも好きです。どれも6缶パックが無くなったら次を買う、と普段から決まっています。
グリーンラベルは発泡酒なので上がる側、プレモルとスーパードライはビールなので下がる側。私は上がる側と下がる側の両方を飲んでいるわけです。
買い方が決まっているので、今回の改正も正直あまり気にしていません。
1ケースで168〜218円の税額の差なら、いつもの買い方を崩すほどの話ではない。私はそう考えています。
買いだめの落とし穴は、置き場所と『家にあると飲む量が増える』こと
まとめ買いには、税額の外に落とし穴が2つあります。
1つは置き場所と賞味期限です。ケースは思った以上に場所を取ります。
買う前に、缶に書いてある賞味期限を見て、その範囲で飲みきれる量かを考えてください。
もう1つのほうが大事です。
家に在庫があると、1日に飲む本数が増えがちです。
冷蔵庫を開けるたびに缶が並んでいると、「もう1本」のハードルが下がります。
私にも、酒が安いと「もう1杯くらい」のハードルが下がる実感があります。在庫が積んであるときも、同じことが起きやすいはずです。
浮いた170円より、増えた本数のほうが高くつくことは十分ありえます。
晩酌の量がじわじわ増えてきたと感じる人は、晩酌がやめられないときの記事も読んでみてください。
家で飲むための買いだめは、手持品課税の対象ではない
「買いだめすると、あとから税金の差額を取られるの?」という疑問も見かけます。
家で飲むための買いだめは、手持品課税の対象ではありません。
国税庁のリーフレットで対象になっているのは、酒類の販売業者等(酒場・料飲店を経営している人も含む)です。10月1日の時点で、対象のお酒を2,000リットル以上、販売のために持っている場合の話。
晩酌用に何ケース買っても、家庭は関係ありません。

酒の仕事から見た、ビールが売れない数年と今回の一本化
ここからは、お酒に関わる仕事をしている私の実感です。
統計ではなく、仕事をしていて感じていることとして読んでください。
ここ数年、ビールは本当に売れていません。
流れている先は、チューハイやハイボールなどビール系以外のお酒が多いと感じます。
それに最近は第三のビールの質が上がってきて、物価高も重なって、そちらに流れる人もいると思います。
「ビールは高く、発泡酒と新ジャンルは安い」。この差は、選ぶ理由のひとつだったはずです。
今回の改正で、ビールと発泡酒・新ジャンルの酒税は、1本54.25円の同額になります。
財務省の資料によれば、2020年10月から3段階で進めてきた見直しの、最後の段階です。
税の面では「安いから発泡酒」という前提がなくなる、ということです。
9月までのビールと発泡酒(新ジャンル)の税の差は、1本あたり16.36円でした(63.35円−46.99円)。10月からはこれがゼロ。前の章のアサヒの改定幅を1本に直すと、出荷の値段の差も同じ16円ちょっと縮まる計算です(当記事の計算値)。
「安いから発泡酒」で選んでいた人は、10月に入ったら棚の値札を見比べてみてください。
9月の下旬には、駆け込みの動きが実際に出ていました。テレビ愛知が取材した名古屋市内のスーパー(ドン・キホーテなどを運営するPPIHの店舗)では、9月17日から23日までの発泡酒やチューハイなどのケースの売上が、前の週に比べて約20%増えたそうです。取材に答えた店側は、10月からは減税になるビールの需要が高まると見込んで、ビールの割合を増やす予定だと話していました。
1つの店舗の1週間の話ですが、友人のような人は少なくないのかもしれません。
ビールと発泡酒の味や定義の違いは、ビールと発泡酒の違いの記事に譲ります。
ケースで買うなら(ビール・缶チューハイの定番)
ケースで買うなら、10月に入ったビールは、税の上では待つ理由がなくなった側です。缶チューハイは上がった側なので、賞味期限の範囲で飲みきれる本数かを先に考えてから。
24本入りは、6缶パック4つ分です。ビールと缶チューハイの定番を1つずつ挙げておきます。どちらも350ml缶の24本入りケースがある、スーパーでもよく見る銘柄です。
ビール(350ml×24本)
サッポロの「生ビール黒ラベル」は、酒税法上のビールです。サッポロビールの価格改定のリリースでも「ビール(減税)」の欄に載っています。
350ml缶の24本入りケースがあります。
缶チューハイ(350ml×24本)
キリンの「氷結無糖 レモン」(アルコール4%)は、炭酸の入った缶チューハイで、酒税法では「その他の発泡性酒類」に入ります。
350ml缶の24本入りケースがあります。
酒税改正のよくある質問
本文で拾いきれなかった質問に答えます。
Q. 酒税改正はいつから?
2026年10月1日からです。キリンやアサヒも、10月1日(納品分)から生産者価格を改定します。
Q. 10月1日以降に買ったのに、ビールが安くなっていないのはなぜ?
店頭の値段はお店が決めるからです。10月1日時点の在庫について税の差額を戻してもらう仕組み(手持品課税)は販売業者にありますが、値札をいつ・いくら変えるかは店ごとに違います。税が下がっていることは確かなので、10月に入ったら棚で確かめてください。
Q. ストロング系チューハイはもっと上がる?
上がりません。炭酸入りで10度未満なら、9%でも3%でも上がり幅は同じ7円(350ml)です。
Q. 梅酒は上がる?
炭酸なしで9度未満なら7円、9度台なら3.5円上がります(350mlあたり)。炭酸なしで10度以上の梅酒は変わりません。炭酸入りの梅酒サワーはチューハイと同じ区分で7円上がります。ラベルの「アルコール分」と炭酸の有無で判定できます。
Q. 麦芽比率が高めの発泡酒は?
麦芽比率25%以上50%未満の発泡酒は、2023年10月からすでに1本54.25円で、今回は変わりません。上がるのは麦芽比率25%未満の発泡酒と新ジャンルです。
Q. 居酒屋のビールも安くなる?
メニューの値段はお店が決めます。ビールの酒税の差は350mlで9.10円、中ジョッキ1杯に直しても10円ちょっと(当記事の計算値)なので、値段が変わるかどうかは店次第です。
まとめ:10月1日からビールは減税、発泡酒・チューハイは増税。買うのは飲みきれる量だけ
酒税改正 2026年10月のポイントを、もう一度まとめます。
10月1日から、350ml缶1本の酒税はビールが9.10円下がり、発泡酒・新ジャンルは約7.26円、チューハイは7円上がります。
日本酒・ワイン・ボトルのウイスキーと焼酎は変わりません(炭酸なしの低アル梅酒などは例外)。
店頭の値段とその時期は、お店が決めます。確定しているのは税額のほうです。
まとめ買いで浮く税額は1ケース170円前後。上がる側を飲みきれる量だけ買えば十分で、ビールは10月に入ってから買えば間に合います。
私のように買い方が決まっていれば、改正をそこまで気にしなくても大丈夫です。
お酒は20歳になってから。飲む量は、税の損得ではなく自分の体と相談して決めてください。
- ビールは減税(1本−9.10円)、発泡酒・新ジャンル(約+7.26円)とチューハイ(+7円)は増税
- 日本酒・ワイン・ボトルのウイスキー/焼酎は据え置き。炭酸なし低アル梅酒などは上がる
- 店頭価格は店次第。まとめ買いは飲みきれる量だけ、ビールは10月に入ってから


コメント