氷の話を、一度ちゃんとさせてください。
私の体感だと、瓶のコーラとペットボトルのコーラの違いより、製氷機の氷とちゃんとした氷の違いのほうが強く感じます。ウイスキーは本当に、氷が1番大事だと思っています。
……と、ここまでは氷にうるさい人がだいたい言うことです。
ただ、あちこちの店の氷を買って家で飲み比べているうちに、一番効いていたのは氷の銘柄じゃないと気づきました。家までの距離のほうでした。
- 答え:氷は「どの店か」より「家から何分か」で決まる
- コンビニ3社とスーパーを、私が買っている順に並べた結果(セブンなら袋か板氷かの2択)
- 大きい氷ほど溶けにくい。袋は粒の大きさで選ぶ
- 「ロックアイス」は一般名詞ではなく登録商標(第2703402号・1973年10月生まれ)
- 私が取り寄せているクラモトアイス3種(丸・縦長・通常)の使い分け
結論:氷は「どの店か」より「家から何分か」で決まる
先に答えを書きます。ハイボールの氷は、どの店の氷かより、買ってから家に着くまでの時間で決まります。
一番おすすめなのはセブンのロックアイス。氷が大きくて、私が買っている中では1番溶けづらい。しかも1番身近です。
ただしこれは「距離が同じなら」の話。
3分のローソンと10分のセブンなら、私はローソンの氷を選びます。
理由は単純で、買った氷は家に着くまでに溶けるから。レジ袋の中で角が丸くなって、氷どうしがくっついて塊になる。それをグラスに入れると、1杯目からもう薄い。せっかくセブンまで歩いたのに、です。
だから最初にやることは「どこの氷が最強か」を調べることじゃありません。家から一番近い店がどこかを確認することです。徒歩3分の店にまともな氷があるなら、その日の勝負はもう決まっている。
先に断っておくと、これは私の体感です。何分で何グラム、という測定はしていません。ただ袋を持ったときの手触りは、3分と10分ではっきり違う。
缶をグラスに移して飲む人も同じで、缶と手作りの差は氷でだいぶ埋まります。
| 家から店までの時間 | 選ぶ店 | 狙う商品 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 3分以内にコンビニがある | 迷わずそこ | 袋入りのロックアイス | チェーンより距離が優先 |
| 5〜10分かかる | 近いほう | 袋入り+保冷袋 | セブンにこだわる価値は薄い |
| 車で買う・まとめ買い | スーパー | 大袋・板氷 | 毎日飲むなら価格差が効く |
| 今日は特別な酒を飲む | 通販(氷屋) | 丸氷・縦長の氷 | 着いた時点で溶けていない |
- 家から一番近いコンビニを思い浮かべる
- 次に行ったとき、袋入りのロックアイスが置いてあるか見る
- あれば、それがあなたの氷です。無ければ2番目に近い店へ
コンビニとスーパーの氷を、私が買っている順に並べる
順位の根拠は「買って使った回数」です。同じ日に並べて溶かし比べた、という実験はしていない。私が家で飲むときにどれを選んできたか、です。
そしてもう一度書きますが、この序列は「距離が同じなら」の話。近さのほうが強い変数です。
| 順位 | 店 | 私の評価 | 価格 |
|---|---|---|---|
| 1位 | セブン-イレブン | 氷が大きくて1番溶けづらい。1番身近 | 268円(税込289.44円)/ロックアイス1.1kg |
| 2位(同率) | ファミリーマート | 十分に使える。セブンとの差は決定的ではない | 公式ページで確認できず非掲載 |
| 2位(同率) | ローソン | 同上 | 同上 |
| — | スーパー | 品質は劣るが、安いものが多い | 店により差が大きく非掲載 |
1位:セブンのロックアイス(氷が大きくて溶けづらい)
普段いちばん買うのがこれです。「7プレミアム ロックアイス1.1kg」、268円(税込289.44円)。2026年9月2日にセブン-イレブン公式サイトで確認した価格です。
とにかく一粒が大きい。トールグラスに3つか4つ入れたら、もう埋まります。大きいと溶けづらい、その理屈は少しあとで説明します。
袋の氷としては、これが私の基準です。
同率2位:ファミリーマートとローソン
差はあります。いちばん分かりやすいのは粒の大きさ。ただ、味や品質で「ここがダメ」と言えるほどの差は、私には見つけられていません。だから同率2位です。
検索すると2社の氷の値段を書いた記事がたくさん出てきますが、私は公式の商品ページで裏を取れませんでした。だから価格の数字はこの記事に書きません。
結局のところ、どちらでも十分なんだから、家から近いほうでいい。ここに戻ってきます。
スーパーの氷:品質は劣るが、安いものが多い
場所によります。ただ全体としては、コンビニで買える氷より品質は劣るけれど、安いものが多い。
毎日飲む人にはけっこう効きます。氷代は毎日かかるので。1杯あたりで考えたい人は居酒屋のハイボールの原価もどうぞ。
チェーン名は挙げません。地域差が大きすぎるので。安い大袋を置いている店を1軒見つけておけば十分です。
袋越しに見ておくこと:シモがついていないか
コンビニの氷は、管理状態が悪いとシモ(霜)がついていることがあります。
チェーンの優劣ではなく、その店の冷凍ケースの話です。回転や扉の開け閉めの条件が重なると起きる。
だから買うときに、袋をいちど持ってみてください。氷どうしがくっついて塊になっていないか、白い霜がまとわりついていないか。袋の上からでも指で崩せるくらいバラけていれば、まず問題ない。同じ看板でも、隣の店では違ったりします。
セブンで買うなら、袋のロックアイスか板氷かの2択
氷の棚はいろいろ並んでいるようで、ハイボールなら実質2択です。
ひとつが「7プレミアム ロックアイス1.1kg」、268円(税込289.44円)。普段はこれで十分。商品説明にはこう書いてあります。
「透明度が高い氷です。飲料との相性も良く、美味しさを更に引き立てます」
——7プレミアム ロックアイス1.1kg の商品説明(セブン-イレブン公式サイト/2026年9月2日確認)
もうひとつが「7プレミアム ロックアイス 板氷1.7kg」、348円(税込375.84円)。こっちの説明文が面白い。
「アウトドアシーンの定番アイテムです。一枚のブロック状で非常に溶けにくく、長時間の冷却に最適です。」
——7プレミアム ロックアイス 板氷1.7kg の商品説明(同上)
「非常に溶けにくく」と書かれているのは、板氷のほうです。袋のロックアイスの説明に、この表現はありません。
セブン自身の説明ですが、私が使ってきた実感とも合います。「一枚のブロック状」という部分は、次の大きさの話と噛み合う。そして板氷は、削って使うと化けます。
なお、セブンの氷は商品ごとに販売地域が決まっていて、地域によって棚の袋氷が違います。自分の店の棚を見るのが早い。
あと、袋のロックアイスに「純氷」の表記はありません。表記が無い=品質が低い、ではないです。この話は後半の商標のところで。
「溶けにくい氷」の正体は、大きさ|袋は粒の大きいものを選ぶ

ここまで「大きいから溶けづらい」と何度か書きました。理屈は単純で、氷は酒と触れている面から溶けます。同じ量なら、細かい氷より大きい塊のほうが持つ。だから袋の氷は粒の大きいものを選ぶし、セブンを1位にしているのも、板氷が強いのも、結局はこれです。細かく砕くのは、早く冷やしたい日だけでいい。
もうひとつ、同じ筋の話を。グラスに氷を詰めると、氷どうしが接して、酒に露出している面が減ります。少なく入れたほうが薄まらない気がするのに、逆なんですね(ハイボールがまずくなる理由/水割りは邪道じゃない)。
そもそも「ロックアイス」は一般名詞ではなく登録商標
ちょっと寄り道を。コンビニで「ロックアイス買ってきて」と言いますよね。あれ、一般名詞じゃないんです。
「ロックアイス」は小久保製氷冷蔵株式会社の登録商標です。同社の商標ページによると、登録番号は第2703402号(区分:氷)。2026年9月2日に確認しました。
生まれは昭和48年(1973年)10月。3代目社長が出張先のハワイのスーパーで氷が袋詰めで売られているのを見たのがヒントで、砕いた氷を袋に詰めた「かちわり氷」を発売した。それが「ロックアイス®」の誕生だと同社は書いています。
念のため、だから他社の氷が劣るという話ではありません。何十回も口にしてきた言葉が、実は特定の会社の商標だった。私は普通に驚きました。
「純氷」のほうは、業界団体が製法を定義している
もうひとつよく見る「純氷」は、業界団体が定義しています。
全国氷雪販売業生活衛生同業組合連合会の公式サイトには、こうあります。
「混ざり気のない氷を作るために編み出された製法で作られた氷だけが、「氷屋純氷」です。」
「48時間以上かけてゆっくりと凍らせるアイス缶製氷。自然界で氷ができる過程を取り入れた製氷技術」
書けるのはここまでです。第三者機関の認証制度がある、法律で基準が決まっている、という話ではありません。それに「氷屋純氷」は同連合会の呼称なので、一般語の「純氷」と範囲が同じとは限りません。
セブンの袋のロックアイスに「純氷」の表記が無いのも、名乗っていないだけの話です。
板氷を削って縦長の氷にする|ハイボールが一番きれいに見える形
さっき出てきた板氷の話です。私がたまにやるのが、板氷を買ってきて削り、縦長の氷にすること。
これが映える。トールグラスの中で氷が縦に立って、そこに琥珀色が上がってくる。写真を撮りたくなる形です。
使うのはセブンのロックアイスの板氷。1.7kgで348円(税込375.84円)。これが優秀なんですよ。
縦長の形は、理屈のうえでも噛み合います。グラスの中で立つので背の高いグラスに収まりがいいし、細かい氷を詰めるより一枚の塊に近い。さっきの「大きい塊ほど持つ」の話です。
やり方は完全に自己流です。失敗する日は、ただの砕けた氷が皿の上に散らばる。
で、正直なところこれ、面倒です。毎晩やることじゃない。
そう思った人のために、最初から縦長の形で届く氷があります。次の話です。
こだわるならクラモトアイス|丸・縦長・通常の3種を取り寄せて使っている

ここからは、コンビニの氷では届かないところの話です。
距離が答えだと言っておいて通販か、と思いましたよね。通販の氷は冷凍便で玄関まで届くので、持ち帰りのあいだに溶けるという問題が起きません。距離の答えは、自分で持ち帰る氷の話です。普段の晩酌はコンビニの氷で足りるので、ここから先は「その先」が気になる人の話。
石川県金沢市の株式会社クラモト氷業。創業1923年(大正12年)、公式サイトに「100年の歴史がある老舗」とあります。かき氷店「KURAMOTO ICE(クラモトアイス)」も展開する会社です。
私は丸・縦長・通常の3種すべてを取り寄せて使っています。お酒を最高に楽しみたい日の氷としては、今のところこれが最強だと思っている。
推す理由は3つです。
ひとつは味。私の体感で、はっきり違います。冒頭の瓶コーラの比喩は、これのことです。
ふたつめは形。大粒で、形が整っている。大きい塊が長持ちしやすいのは、さっき書いた大きさの話のとおり。
そして溶けにくさ。私が何度も使ってきた限り、コンビニの氷よりさらに溶けにくい。公式サイトにも「透明・無味無臭・溶けにくい」とあって、私の実感どおりです。
買うのは楽天のクラモト氷業の店です。Amazonの正規出品は確認できなかったので、「Amazonでも買えます」とは書きません。
価格の目安は、ふつうの氷なら3kg入りの1袋で千円前後。丸氷やスティックの送料無料セットは2,000〜3,800円くらいです(2026年9月2日時点の楽天の表示価格)。氷は季節で価格も在庫も動きます。
丸氷|ウイスキーをロックで飲む日に
ロック用に使っているのがこれです。
グラスに丸い氷がひとつ入っているだけで、同じウイスキーが違う飲み物に見えます。完全に主観ですけどね。
実用の面でも、大きな塊なので長持ちしやすい。ストレートは強すぎる、水割りは薄い、という日の落としどころにちょうどいい形です。
サイズがあるので、グラスの口径を先に測っておくと失敗しません。私は最初、測らずに注文しました。
スティックアイス(縦長)|ハイボール用にはこれ
さっき板氷を削る話を書きましたが、削るのが面倒なら、最初からこの形で届きます。
縦長なのでトールグラスの中で立ちます。細かい氷をぎゅうぎゅうに詰めた状態と比べると、グラスの中の景色が全然違う。
ハイボールの氷という一点なら、私はこれを選びます。自分で削らなくていい、というだけで週末の面倒がひとつ減りました。
カチワリ(通常)|まずここから試すなら
何にでも使える普通の氷。ハイボールにも水割りにも、なんなら麦茶にも。
3種の中では、これが一番始めやすい。丸氷や縦長は「今日は特別」という日の道具ですが、こっちは毎日の1杯を置き換えるものです。
コンビニの氷と比べれば高い。そこは正直に書きます。ただ、毎日飲む人ほど、1杯あたりの差は小さくなります。
3種をどう使い分けているかは、別記事に詳しく書きます。ここでは入口まで。
自作の氷はどこまでいけるか|見た目は最高、味なら市販
家で氷を作ることもあります。とくに丸氷。人に出すと、まず喜ばれます。
だから見た目重視なら文句なしです。
ただし水道水で作ると白く濁るし、私の氷は、買った氷ほど持ちませんでした。
沸騰させた水を使う、ゆっくり凍らせる、と透明にする工夫はあります。それでも味を優先するなら、私は市販の氷を買います。
誤解のないように書くと、自作をやめたという話ではなく、実際は3種類を使い分けています。
普段はコンビニのロックアイス。いい酒のときはクラモトアイス。来客や、見せたい日は自作の丸氷。
丸氷を自作する話はラフロイグ ロアのレビューでも少し書いています。
| 自作の氷 | 買った氷 | |
|---|---|---|
| 見た目 | 丸氷は圧勝。人に出すと喜ばれる | きれいだが、驚きは薄い |
| 溶けにくさ | 水道水だと白く濁って溶けやすい | 大きさで選べる |
| 手間 | 前日から仕込む必要がある | 買ってくるだけ |
| 私の使いどころ | 来客・写真を撮りたい日 | 普段の晩酌 |
氷が決まったら、次に効くのは炭酸水
氷を変えて満足すると、次に気になってくるのが炭酸水です。順番としては氷が先。氷が緩いと、何で割っても緩いので。
私は炭酸水メーカーを使っています。ランニングコストならドリンクメイト、見た目ならaarke(アールケ)のCarbonator Pro。うちのメイン機は後者のスチールシルバーです。3機種とも使ってきました。
機種の比較やガスシリンダーの話は、炭酸水だけで1本ぶんになるので別記事にまとめます。
温度やウイスキーとソーダの比率はハイボールがまずくなる理由、基本はハイボールの作り方ガイドからどうぞ。
氷とアイスコーヒー|ウイスキー好きにはコーヒー好きが多い気がする
少し話が逸れます。
私はコーヒーも好きで、家では豆を挽いて1杯ずつハンドドリップで淹れています。使っているのはTIMEMORE(タイムモア)のC3 PROという手挽きのコーヒーグラインダーです。
で、買った氷はアイスコーヒーでも活躍します。氷が薄まりを左右するのは、酒とまったく同じ。氷屋の氷で淹れたてを冷やすと、最後のひと口まで味が痩せません。
ここからは完全に私の持論ですが、ウイスキー好きにはコーヒー好きが多いんじゃないかと思っています。統計はありません。香りを嗅いでから口に運び、少量をゆっくり味わう。似た楽しみ方の嗜好品だと思っている、というだけの話です。
余談ですが、氷を切らした日はコーヒーもホットになります。買い置きの量が、いつも足りていない。
よくある質問
本文で書ききれなかったところを、まとめて。
Q. 市販の氷に賞味期限はありますか?
パッケージに書かれていないことが多いですが、これはルール上そうなっています。食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第3条第3項の表に、期限表示を省略できる食品として「氷」が挙げられているためです。ただし品質が永久に変わらないという意味ではありません。開封後は冷凍庫のにおいを吸うので、私は早めに使い切ります。
Q. 家の製氷機の氷を透明にする方法はありますか?
あります。気泡を取り込ませないのが基本で、沸騰させた水を使う、製氷皿を断熱してゆっくり凍らせるといった工夫が紹介されています。ただ見た目が良くなっても、味を優先するなら私は市販の氷を買います。
Q. 板氷とロックアイス、ハイボールにはどっちですか?
手軽さなら袋のロックアイス、削る手間をかけられるなら板氷です。セブンの商品説明で「非常に溶けにくく」と書かれているのは板氷1.7kgのほうで、袋のロックアイスではありません。削って縦長にする話は本文に書きました。
Q. 100均の製氷器でも大丈夫ですか?
大丈夫だと思います。器の値段より、凍らせる水と凍らせ方のほうが効くので。ゆっくり凍らせれば、100円の製氷皿でも気泡は減ります。※私自身は100均の製氷器を使ったことがないので、これは理屈からの答えです。
Q. 氷が冷凍庫のにおいを吸ってしまいます
冷凍庫の食品のにおいが移ることがあります。対処は3つ。袋の口を閉じる、氷だけ密閉袋に移す、早めに使い切る。ウイスキー側の保管はウイスキーの保存方法に書きました。
Q. ハイボールに氷を入れないのはアリですか?
アリです。よく冷やしたウイスキーと炭酸水なら、氷なしでも成立します。詳しくはハイボールがまずくなる理由のほうで。缶のハイボールの選び方は缶ハイボールの比較にまとめています。
まとめ|まず、家から一番近い店を確認するところから
もう一度だけ答えを書きます。
氷は銘柄より距離。3分のローソンと10分のセブンなら、ローソンです。距離に差がないなら、セブンのロックアイス。例外は通販の氷だけで、冷凍便で届くぶん、距離の勝負の外にいます。
この記事で裏が取れたこと
セブンの袋のロックアイス(1.1kg・268円)と板氷(1.7kg・348円)の公式価格と商品説明。「ロックアイス」が小久保製氷冷蔵の登録商標であること。「氷屋純氷」の製法定義。市販の氷に期限表示が無い法令上の理由。
氷が良くなると1杯が長持ちして、ペースもゆっくりになります。適量の範囲で、ゆっくりやりましょう。
で、今日やることはひとつだけ。帰りに、一番近いコンビニで氷を1袋。それだけで1杯目の印象が変わります。
そのうえで、ハイボール用に1種類だけ試すなら、私は縦長のこれを選びます。


コメント