ビールの棚は3秒で決まる。ハイボールも3秒。なのにワインの棚の前だけ、なぜか足が止まるんですよ。
お酒に関わる仕事を長年やっていますが、正直に言うと私、ワインだけはずっと苦手でした。赤か白かは分かる。その先が分からない。
で、ちゃんと調べてみたら余計に混乱しました。「ワインは4種類」と書いてある記事と、「6種類」と書いてある記事があるんです。どっちが正しいんだ、と。
結論を先に言います。覚えるのは6タイプ。物差しは色・製法・甘辛・品種・産地の5本だけです。この記事の早見表は、棚の前でスマホからさっと引けるように作りました。
- スーパーの棚でそのまま使える「6タイプ早見表」
- 「ワインは4種類」と「6種類」、どちらも間違いではない理由
- 赤・白・ロゼの違いを生んでいる、たった1つの工程
- シャンパン・カヴァ・プロセッコの関係と、棚での見分け方
- デザートワインとフレーヴァードワインの決定的な違い(混同している記事が多い)
- 覚えるのは赤3つ・白4つでいい、ブドウ品種の早見表
- いつも飲んでいるお酒から逆算する、最初の1本


ワインの種類は「6タイプ」で覚えれば十分【早見表】
ワインの種類は、店頭で使う分け方なら6つ。この6つの名前さえ頭に入っていれば、スーパーの棚で固まることはほぼなくなります。
理屈は後回しで構いません。まずは表をどうぞ。
【表1】ワインの種類6タイプ早見表
| タイプ | 色 | 泡 | 甘辛の傾向 | 店でよく見る例 | こんな人向け |
|---|---|---|---|---|---|
| 赤ワイン | 赤〜濃い紫 | なし | 辛口が中心 | チリ産・イタリア産の1,000円台 | 肉料理と合わせたい人 |
| 白ワイン | 淡い黄〜黄金色 | なし | 辛口が中心。甘口もある | チリ産シャルドネ、日本の甲州 | 渋みが苦手な人 |
| ロゼワイン | ピンク | なし | 辛口〜やや甘口まで幅広い | 南フランス産・スペイン産 | 料理を選ばず飲みたい人 |
| スパークリングワイン | 白・ロゼ・赤すべてある | あり | 極甘口から辛口まで | カヴァ、プロセッコ | ビール・ハイボール党 |
| 酒精強化ワイン(フォーティファイド) | 琥珀色〜濃い赤 | なし | 甘口のものが目立つ | シェリー、ポート | 食後にちびちび飲みたい人 |
| フレーヴァードワイン | 商品によりまちまち | なし | 甘口のものが多い | ヴェルモット | 家でカクテルを作りたい人 |
- 「スパークリング=白い泡」と思われがちですが、赤もロゼもあります
- 甘辛の傾向は、あくまで棚でよく見るものの話。どのタイプにも例外はあります
- 酒精強化とフレーヴァードは、スーパーだと売り場の端に数本だけ置かれていることが多いです
まずはこの6つの名前と、自分が飲めそうなのはどれか。それだけ持って帰ってもらえれば、この記事の役目は半分終わりです。
ここから先は、なぜこの6つになるのかという話をしていきます。
なぜ「4種類」と「6種類」があるのか|製法4分類と色の関係
ワインの分類でつまずく原因は、はっきりしています。「4種類」と書く記事と「6種類」と書く記事は、そもそも違うものを数えているからなんですよ。
どちらかが間違っているわけではなく、見ている物差しが違うだけ。ここが腑に落ちると、あとは一気に楽になります。
正式な分類は製法で4つ
ワインを製法で分けると、次の4つになります。
スティルワイン(非発泡)
泡のない普通のワイン。棚の大半がこれです。
スパークリングワイン(発泡)
泡のあるワインの総称。シャンパンもここに含まれます。
フォーティファイドワイン(酒精強化)
造っている途中でブランデーなどの度数の高いお酒を加え、全体の度数を高めたもの。
フレーヴァードワイン(香味付け)
ワインに薬草や香草などを加えて風味をつけたもの。ヴェルモットが代表格です。
赤・白・ロゼは「スティルワインの中の色分け」
ここが一番の勘どころです。赤・白・ロゼは、4分類と並ぶ別カテゴリではなく、スティルワインの中身なんですよ。つまり入れ子になっている。
【表2】製法4分類と、店頭で使う6タイプの対応
| 製法による4分類 | その中に入る店頭タイプ | ざっくり言うと |
|---|---|---|
| スティルワイン(非発泡) | 赤ワイン/白ワイン/ロゼワイン | 泡のない普通のワイン。棚の大半はここ |
| スパークリングワイン(発泡) | スパークリングワイン(白・ロゼ・赤) | 泡があるワインの総称 |
| フォーティファイドワイン(酒精強化) | 酒精強化ワイン | 造る途中で度数の高い酒を加えたもの |
| フレーヴァードワイン(香味付け) | フレーヴァードワイン | 薬草・香草などを加えたもの |
この構造、ウイスキー好きの方なら一発で通じます。「シングルモルトかブレンデッドか」は造りの物差し、「アイラかスペイサイドか」は産地の物差し。別の軸ですよね。ワインの4分類と赤白ロゼも、まったく同じ関係です。


色で分ける3タイプ|赤・白・ロゼは何がどう違うのか

赤ワインと白ワインの違いはブドウの色。私もずっとそう思っていました。実際はもう一段深くて、黒ぶどうの果皮と種を果汁と一緒に漬け込んで発酵させるかどうか。この一点です。ここが分かると赤・白・ロゼが全部つながります。
【表3】赤・白・ロゼの違い
| タイプ | 原料ぶどう | 果皮と種を使うか | 渋みの強さ | 色の濃さ | 飲む温度の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 赤ワイン | 黒ぶどう | 使う(果汁と一緒に発酵) | 強い | 濃い | 常温よりやや低め |
| 白ワイン | 主に白ぶどう | 使わない(果汁だけを発酵) | 穏やか | 淡い | 冷蔵庫から出してすぐ |
| ロゼワイン | 主に黒ぶどう | 短時間だけ使う | 赤と白の中間 | ピンク | 冷蔵庫から出してすぐ |
赤ワイン|黒ぶどうを皮ごと発酵させる
赤ワインは黒ぶどうを果皮と種ごと発酵させます。このときタンニンという渋み成分が溶け出し、あの色と渋さになるわけです。
渋みというと欠点に聞こえますが、逆なんですよ。この渋みがあるから、脂の乗った肉料理に負けない。焼酎で言えば、芋を皮ごと使うか磨くかで顔つきが変わるのと近い話です。
白ワイン|果汁だけを発酵させるから渋みが穏やか
白ワインは果皮と種を取り除き、果汁だけを発酵させます。渋みのもとを外しているので、渋みは穏やかで、そのぶん酸味と香りが前に出る。
白ぶどうから造るのが基本ですが、黒ぶどうから造られることもあります。果皮を使わなければ色はつかないので、これも理屈通りです。
ロゼワイン|作り方は3通りある
最初に大事なことを1つ。ロゼは赤ワインと白ワインを混ぜたものではありません。
恥ずかしながら私も長年そう思い込んでいて、妻に「あれって混ぜてるんでしょ」と聞かれて自信満々にうなずいたことがあります。完全な間違いでした。
ロゼの造り方は主に3通りです。
セニエ法
破砕した黒ぶどうの果皮・種を果汁と8〜48時間ほど漬け込み、色素が移ったところで果汁だけを抜いて発酵させる方法。最も多く使われている造り方で、タンニンも多めに出ます。
直接圧搾法
皮つきのままゆっくり強くプレスし、絞る際にわずかに出る色素で着色する方法。セニエ法より淡いピンクで、タンニンは少なめ。
混醸法
黒ぶどうと白ぶどうを混ぜた状態で発酵させる方法。使うブドウ以外は、工程はセニエ法と同じです。
どの方法でも、できあがったワイン同士を混ぜているわけではない。ここだけ押さえてください。
「じゃあ重い・軽いはどこで決まるの?」という疑問はここで湧くはず。それは種類分けとは別軸の物差しなので、ワインのフルボディとはにまとめてあります。
泡のあるワイン|シャンパン・カヴァ・プロセッコは何が違う

スパークリングワインは泡のあるワインの総称で、シャンパンはその中の一つ。フランスのシャンパーニュ地方で造られたものだけがシャンパンを名乗れます。
これ、ハイボールとサントリー角ハイの関係と同じです。角ハイはハイボールの一種ですが、ハイボールが全部角ハイなわけではない。
スーパーの棚で実際によく見る3つを整理しておきます。
シャンパーニュ(フランス)
瓶の中で二次発酵させる造りで、きめ細かい泡と長期熟成による複雑さが持ち味。価格はそれなりに。
カヴァ(スペイン)
シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵。それでいて日本にはリーズナブルな価格帯で多く流通しているのが強みです。
プロセッコ(イタリア)
ヴェネト州が本場で、グレラという品種を使い、タンクで二次発酵させるシャルマ方式。青リンゴや洋ナシ、花のような香りで軽やかです。
家飲みで手が届きやすいのは、圧倒的にカヴァとプロセッコ。この2つは覚えておいて損はありません。
それから微発泡タイプ。炭酸が弱くやさしい飲み口で、入り口に向いています。
度数を上げたワイン・香りをつけたワイン|酒精強化とフレーヴァード
残りの2分類をまとめて片付けます。どちらもスーパーでは数が少ないので、名前と役割だけ分かれば十分です。
酒精強化ワイン|ブランデーを足して度数を上げたもの
酒精強化ワイン、別名フォーティファイドワインは、醸造の途中でブランデーなどの度数の高いお酒を加えて、全体の度数を高めたものです。
こうすることでコクが出て、保存性も高まります。代表例はシェリー、ポート、マデイラ。名前だけでも覚えておくと棚で迷いません。
度数そのものの話はワインのアルコール度数に、開けたあとどのくらいもつのかはワインの賞味期限にまとめてあります。
フレーヴァードワイン|薬草や香草を加えたもの
フレーヴァードワインは、ワインに薬草・香草などを加えて香りをつけたもの。マティーニなどに使うヴェルモットが代表格です。
日本の酒税法上はワイン(果実酒)ではなく甘味果実酒という扱いになります。線引きが気になる方はリキュールとスピリッツの違いもどうぞ。
【誤解注意】デザートワインは「製法の分類」ではない
ここは本当に気をつけてください。デザートワインとフレーヴァードワインを同じものとして説明している記事が、Web上にかなりあります。
デザートワインは、貴腐ワインやアイスワインといった甘口ワインをまとめて呼ぶときの呼び名です。製法による分類ではありません。
一方フレーヴァードワインは薬草や香草を加えたもの。軸がまったく違うんですよ。「甘いワイン=フレーヴァードワイン」という説明を見かけたら、疑ってかかったほうがいいです。
もうひとつの物差し「甘口と辛口」|辛口は辛くない
ワイン初心者が最初につまずくのが、この「辛口」という言葉だと思います。
辛口のワインは、辛くありません。「甘くない」という意味です。
これ、日本酒の辛口とまったく同じ発想なんですよ。日本酒の辛口を飲んで「辛い!」と思う人はいませんよね。ワインもそれと同じで、唐辛子的な辛さの話は一切していません。
仕組みは残っている糖の量です。発酵中、酵母がブドウの糖を食べてアルコールに変えていく。酵母が糖を食べ切れば辛口、途中で酵母の働きを止めて糖を残せば甘口。それだけの違いです。
ラベルには、甘い順に次のような表記が使われます。
極甘口 → 甘口 → やや甘口 → やや辛口 → 辛口
スーパーの棚では「やや辛口」あたりが一番数が多い印象ですね。迷ったらそこから入るのが無難です。
ちなみに「糖が残るなら、甘口はカロリーが高いのでは?」という当然の疑問については、ワインのカロリーで整理しています。
ブドウ品種で味を予想する|覚えるのは赤3つ・白4つでいい【一覧表】
ブドウ品種の名前は、ウイスキーでいう蒸溜所名みたいなもの。名前を見ればだいたいの味の見当がつきます。逆に言えば、知らないと棚は暗号でしかありません。
世界には非常に多くの品種がありますが、スーパーやコンビニの棚で実際に目にするのは十数種。ここでは特に見かける7つだけ扱います。
【表4】覚えておきたいブドウ品種7種
| 品種名 | 色 | 香りのイメージ | 渋み・酸の出方 | 主な産地 | こんな料理と |
|---|---|---|---|---|---|
| カベルネ・ソーヴィニヨン | 赤 | カシス、ブラックチェリー、ミントなどのハーブ | 若いうちは渋みがパワフル | フランス・ボルドー、チリ、アメリカ | ステーキ、ラム肉 |
| メルロー | 赤 | 熟したプラム、黒系果実 | 渋みはカベルネより穏やか | フランス・ボルドー、チリ、日本 | ハンバーグ、煮込み料理 |
| ピノ・ノワール | 赤 | フローラル、ラズベリー、プラム | 渋みが少なくなめらか。色調も明るい | フランス・ブルゴーニュ、ニュージーランド | 鴨肉、きのこ、焼き鳥のタレ |
| シャルドネ | 白 | 産地と造りで大きく変わるニュートラルな品種 | 酸の出方も産地次第 | フランス・ブルゴーニュほか世界中 | 鶏肉、クリームソース |
| ソーヴィニヨン・ブラン | 白 | 柑橘、ハーブ、青い草の香り | 酸がはっきり出る | フランス・ロワール/ボルドー、ニュージーランド・マールボロ | 白身魚、サラダ、チーズ |
| リースリング | 白 | 青リンゴ、白い花、ミネラル感 | 酸味が豊か。辛口から極甘口まで幅広い | ドイツ | 中華、エスニック料理 |
| 甲州 | 白 | 穏やか。柑橘が主体で和柑橘のニュアンスも | フレッシュな酸で軽やか、すっきり | 日本・山梨 | 刺身、天ぷら、和食全般 |
赤ワインの主要品種
カベルネ・ソーヴィニヨン
カシスやブラックチェリーといった黒系果実に、ミントのようなハーブの香り。若いうちはタンニンがパワフルで、渋みがはっきり出るのが特徴です。
メルロー
カベルネより涼しい気候でも成熟しやすい早熟な品種。熟したプラムのような果実感で、渋みはカベルネより穏やか。ボルドーではこの2つをブレンドすることが多いです。
ピノ・ノワール
フローラルな香りに、ラズベリーやプラムの果実味。色調が明るく、渋みが少なくてなめらか。赤の渋さが苦手ならここからどうぞ。
白ワインの主要品種
シャルドネ
個性が強くないニュートラルな品種で、産地や造り方によって表情がガラッと変わります。「シャルドネだからこの味」とは言い切れません。
ソーヴィニヨン・ブラン
フランスのロワールやボルドーが有名で、近年はニュージーランドのマールボロ産が人気。柑橘やハーブ、青草のような香りで酸がはっきり出ます。
リースリング
ドイツ原産で、辛口から極甘口まで幅の広さが持ち味。酸味が豊かなので、味の濃い中華やエスニックにも合わせやすいです。
甲州
日本で最も広く栽培されている醸造用の白ぶどうで、甲州ワインの大半は山梨県産。香りは穏やかで柑橘が主体、和柑橘のニュアンスもあり、フレッシュな酸で軽やかにすっきり飲めます。
刺身や天ぷらに合わせるならまずこれ。ワインは洋食に合わせるものという思い込みを外してくれます。
棚での使い方は簡単。裏ラベルの品種名をまず見る。それだけで飲む前に味の当たりがつきます。
産地で分ける|旧世界と新世界はラベルの読み方がまるで違う
産地の話というと歴史の講義に聞こえますが、これは棚で即使える実用知識です。
旧世界は、ワイン造りが古くから行われてきたヨーロッパ中心の国々。フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツなどですね。伝統的な製法を守るクラシックなスタイルで、ラベルには品種より産地名が大きく書かれます。
新世界(ニューワールド)は、大航海時代以降にワイン造りが伝わった国々。アメリカ、カナダ、チリ、日本、南アフリカ、ニュージーランドなどが該当します。原料や製法の自由度が高く、リーズナブルで果実味が分かりやすい。そしてラベルにはブドウ品種が目立つように表示されます。
【表5】旧世界と新世界の違い
| 旧世界 | 新世界(ニューワールド) | |
|---|---|---|
| 代表国 | フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツなど | アメリカ、チリ、日本、南アフリカ、ニュージーランド、カナダなど |
| ラベルに大きく書かれるもの | 産地名 | ブドウ品種名 |
| 味の傾向 | 伝統的でクラシックなスタイル | 果実味が豊かで分かりやすい |
| 価格の傾向 | 幅が広い | リーズナブルなものが多い |
| 初心者の選びやすさ | 産地の知識が要るのでやや難しい | 品種名で選べるので選びやすい |
結論は一つ。最初のうちは、品種が大きく書いてある新世界のワインのほうが選びやすい。名前と味の対応が覚えられるので、次に買うときの判断材料が増えます。
スコッチとジャパニーズウイスキーの関係に近いんですよ。どちらが上という話ではなく、入り口としての向き不向きの問題です。
もう一つ、旧世界でよく見る2つの産地も。ボルドーは複数品種をブレンドするアッサンブラージュが主流で、色が濃く渋みに富む。ブルゴーニュは単一品種のモノセパージュが一般的で、香りが華やかで色調が明るく、渋みは穏やか。
この当たりのつけ方だけでも、棚での勝率は変わります。
価格帯の現実|スーパーの1,000円台で何が買えるのか
分類の記事はどこも価格に触れませんが、家飲みする側からするとここが一番知りたいところですよね。公的な基準はないので、あくまで私の体感として書きます。
1,000円台
家飲みのデイリー枠。平日の晩酌で開けて、飲み切れなくても悔しくない価格帯です。ワインに慣れるまではここで十分だと思います。
2,000円台
ちょっといい日の1本。給料日とか、家族の誕生日とか。1,000円台との差は正直はっきり感じます。
「同じ1,000円台なら、有名産地の安い版より南フランスやスペイン、チリのほうが満足度が高い」という声はよく聞きます。産地のブランド代が乗っていないぶん、中身に回っているという理屈ですね。
ただし「1,000円以下はハズレが多い」と断定するつもりはありません。好みの問題も大きいですし、安くて好みに合う1本を見つけたなら、それはその人にとって正解です。
家飲み全体の予算の考え方は家飲みの節約・コスパ術にまとめてあります。
結局どれを買えばいい?|いつも飲んでいる酒から選ぶワイン早見
ワインの知識ゼロから選ぶのは大変ですが、すでに好きなお酒があるなら、そこから逆算すればいい。
【表6】いつも飲んでいる酒から選ぶ、最初のワイン
| いつも飲んでいる酒 | まず試したいワイン | その理由 |
|---|---|---|
| ビール・ハイボール | スパークリングワイン(微発泡や甘口の泡から) | 炭酸の刺激に慣れているので違和感が少ない |
| ウイスキーのロック | 渋みのある赤(カベルネ・ソーヴィニヨンなど) | 味の濃い蒸留酒に慣れているので渋みが苦にならない |
| 焼酎のロック・水割り | すっきりした白(甲州、ソーヴィニヨン・ブラン) | 香りが穏やかで食事に寄り添う点が近い |
| 日本酒の甘口 | 甘口の白、やや甘口のロゼ | 酸と甘みのバランスの取り方が近い |
| 梅酒・サワーなど甘い酒 | 甘口のスパークリング | 甘さと泡で、入り口のハードルが一番低い |
分岐は2つで足ります。渋みが苦手か? 苦手なら白か泡、平気なら赤。甘いのが好きか? 好きなら甘口の泡かロゼ、そうでもないなら辛口。
ビールの種類も同じ考え方で整理できるので、ビール党の方はエールビールとはもどうぞ。
ビール・ハイボール党なら|まずは泡から
炭酸のあるお酒に慣れているなら、スパークリングワインが最短距離です。泡があるだけで「飲み慣れたものの延長」に感じられるんですよ。
特に微発泡タイプは炭酸がやさしく飲み口も軽い。甘口の泡なら、渋みも酸の強さも気になりません。
価格も手に取りやすいものが多いので、まずは今の相場だけでものぞいてみてください。
ウイスキー・焼酎ロック党なら|渋みが穏やかな赤か、すっきりした白
味の濃い蒸留酒を普段から飲んでいるなら、いきなり赤に入っても違和感は少ないはずです。渋みへの耐性がそもそも高いので。
棚での実践は新世界の、品種名が大きく書いてあるものを選ぶ。表4で味の見当がつけられます。
焼酎をロックや水割りで飲む方なら、香りが穏やかな白、たとえば甲州のほうがしっくりくるかも。
私自身、長いこと白一択でした。赤は渋みが苦手で、正直あまり飲めなかったんです。それが最近になって赤も好きになってきて、いまは料理に合わせて変えています。苦手だと思っていた種類が、数年後にいちばん好きになることは普通にあります。だから最初の1本で決めつけないでください。それと、店で飲み比べセットを見かけたらとりあえず頼んでみるのが、いちばん手っ取り早い近道ですよ。
赤から入るなら、品種が明記されたチリ産あたりが最初の1本として現実的です。
ワインの種類についてよくある質問
最後に、この記事で拾いきれなかった疑問をまとめて片付けておきます。
Q. ワインは全部で何種類あるの?
製法で分ければ4つ、店頭で使う分け方なら6タイプです。品種や産地まで数え始めると際限がないので、まずは6タイプで十分。棚で迷わなくなるのが目的なら、これ以上は要りません。
Q. 赤と白、初心者はどっちから飲むべき?
一般には、渋みが少ないぶん白や泡のほうが入りやすいと勧められます。ただし渋みが苦にならないなら、赤から入っても問題ありません。
Q. 辛口ワインって辛いの?
辛くありません。「甘くない」という意味で、日本酒の辛口と同じ発想です。唐辛子のような辛さを想像していると拍子抜けします。
Q. ロゼは赤と白を混ぜたものですか?
原則として違います。黒ぶどうの果皮から色を移して造ります。混醸法だけは黒と白のぶどうを混ぜて発酵させますが、それもブドウの段階の話。できあがったワイン同士を混ぜてはいません。
Q. シャンパンとスパークリングワインは何が違う?
スパークリングワインは泡のあるワインの総称で、シャンパンはそのうちフランス・シャンパーニュ地方産のものだけ。スペインのカヴァやイタリアのプロセッコは、産地も造り方も別です。
Q. 「ミディアムボディ」ってどの種類のこと?
種類ではありません。「重い・軽い」を表す別の物差しなので、この記事の6タイプとは軸が違います。詳しくはワインのフルボディとはで解説しています。
まとめ|6タイプと5本の物差しがあれば棚の前で迷わない
長くなったので、最後に整理しておきます。
- 色|赤・白・ロゼの違いは、黒ぶどうの果皮と種を漬け込むかどうか
- 製法|正式には4分類。赤・白・ロゼはスティルワインの中身
- 甘辛|辛口は辛くない。「甘くない」という意味
- 品種|覚えるのは赤3つ・白4つ。裏ラベルを見る癖をつける
- 産地|品種名が大きい新世界のほうが、最初は選びやすい
この5本の物差しと6タイプの名前。それだけ持って売り場に行けば十分です。
もっと掘るならワインのアルコール度数、ワインのカロリー、ワインの賞味期限、重い・軽いの物差しもどうぞ。
お酒は適量を守って楽しく飲むのが一番です。
最初の1本に迷ったら、甘口の泡が一番裏切りません。価格だけでものぞいてみてください。


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