寒い夜に「なんか喉がイガイガするな…」と思いながら帰宅したこと、ありませんか?
正直に言うと、私もそんな夜が年に何度かあります。
そんなとき、以前ベトナム人の知人が教えてくれたのが「ホットトディー」というウイスキーを使った温かい飲み物でした。
恥ずかしながら、お酒に関わる仕事をしているくせに、この飲み物の存在を知らなかったんですよ。
「え、ウイスキーで風邪対策?」と半信半疑で実際に作って飲んでみたら、これが身体がめちゃくちゃ暖かくなるし、味も美味しくて驚きました。
この記事では、ホットトディーの基本の作り方からアレンジレシピ、効果、おすすめのウイスキー銘柄まで、まるっと解説していきます。
- ホットトディーの歴史と日本のたまご酒との共通点
- はちみつ・レモン・スパイスの効果と注意点
- 5分で完成する基本レシピと美味しく作るコツ
- 症状・気分別のアレンジレシピ5選
- ホットトディーに合うおすすめウイスキー4銘柄

ホットトディーとは?スコットランド生まれの風邪対策ドリンク
ホットトディーとは、ウイスキー+お湯+はちみつ+レモンで作るシンプルな温かいカクテルです。
18世紀のスコットランドで、厳しい冬を乗り切るための民間療法として生まれたとされています。
語源には「エディンバラのTodian Spring(トディアン・スプリング)の水でウイスキーを割ったから」という説と、ヒンディー語でヤシの樹液酒を意味する「taddy(ターディー)」が由来という説があります。
実は17世紀にイギリス人がインドで出会ったヤシ酒の文化が本国に持ち帰られたというのが有力な説なんですよ。
アメリカでは南部を中心に「おばあちゃんの咳止めレシピ」として家庭に根付いています。
禁酒法時代には「これは薬だから」と堂々とウイスキーを飲む口実にもなっていたそうですよ。
日本ではNHK朝ドラ『マッサン』で、エリーが病床の義母や風邪を引いた近所の子どもにホットトディーを作ってあげるシーンがあり、認知度が上がりました。
私がベトナム人の知人からホットトディーを教えてもらったとき、「え、外国ではこんなに一般的なの?」と驚きました。
知人いわく、海外では子供にもアルコールを抜いたバージョンを飲ませる家庭があるくらいポピュラーな存在なんだそうです。
日本の「たまご酒」との意外な共通点
実は、「温かいお酒で風邪を治す」という発想は世界中にあります。
日本には日本酒ベースの「たまご酒」がありますよね。
フランスにはワインを温めた「ヴァン・ショー」、ドイツにはスパイスを入れた「グリューワイン」、イギリスにはブランデーを紅茶に入れる飲み方もある。
洋の東西を問わず、人間は「風邪を引いたら温かい酒」という同じ発想に至っているわけです。
違いは使うお酒と素材だけ。
私自身、実際にホットトディーを作って飲んだとき、「あぁ、薬がない時代はこうやって乗り切っていたんだな」と妙に感動したんですよ。
現代では薬があるからわざわざこれを作る必要はないんですが、昔の人の知恵を体験できたのが面白かったですね。

ホットトディーの効果|なぜ風邪のときに飲まれるのか
ホットトディーが風邪のときに飲まれてきたのには、ちゃんと理由があります。
各素材がそれぞれ体を温めたり、喉を楽にしたりする働きを持っているんですね。
もちろん、あくまで民間療法であって医療行為ではありません。
※ホットトディーはお薬ではありません。症状がひどい場合は必ず病院で受診してください。
はちみつの抗菌・抗炎症パワー
はちみつには抗菌作用と抗炎症作用があることが知られています。
WHO(世界保健機関)も、咳を和らげる粘膜保護剤(デマルセント)としてはちみつの使用を推奨しています。
喉の粘膜をコーティングして保護してくれるので、イガイガした痛みが和らぐんですよね。
しかも、ホットトディーの甘み担当でもある。
効能と美味しさを兼ねた一石二鳥の素材なんです。
ただし、1歳未満の乳児にはちみつを与えるのは厳禁です。
ボツリヌス菌のリスクがあるので注意してくださいね。
レモンのビタミンCと疲労回復効果
レモンのビタミンCは免疫機能をサポートする働きがあります。
さらにクエン酸が疲労回復を助けてくれる。
ホットトディーに入れると爽やかな酸味がアクセントになって、飲みやすさがグッと上がるんですよ。
生レモンがあればベストですが、冷蔵庫にポッカレモンしかなくても大丈夫です。
風邪のときにわざわざ買い物に行く必要はありません。
ウイスキー×スパイスで体がポカポカに
アルコールには血管を拡張させる作用があるので、飲むと体がじんわり温まります。
私が初めてホットトディーを飲んだときは、本当に驚きました。
軽い風邪を引いていたんですが、飲んだ直後から身体がめちゃくちゃ暖かくなったんですよ。
「これは確かに、薬がない時代には重宝されたわけだ」と納得しましたね。
さらにスパイスを加えると効果がアップします。
シナモンには抗菌作用、生姜には体温上昇効果、クローブには鎮痛作用があるとされています。
あとあまり知られていませんが、ウイスキーの樽熟成由来の香り成分にはリラックス効果があります。
獨協医科大学とサントリーの共同研究では、ウイスキーの香りを嗅ぐと脳波(CNV:随伴陰性変動)が小さくなり鎮静状態になること、副交感神経が優位になることが確認されています。
安眠を促す効果も期待できるので、寝る前の一杯にぴったりなんですよ。
【注意】飲み過ぎ・風邪薬との併用は絶対NG
ここは大事なので、しっかり書かせてください。
ホットトディーの飲み過ぎは逆効果です。アルコールの過剰摂取は免疫力を下げます。
そして風邪薬との併用は絶対にやめてください。
アルコールと風邪薬を一緒に摂ると、肝臓に大きな負担がかかって危険です。
「ホットトディー飲んだから風邪薬は飲まなくていいや」ではなく、正直に言うと、本当に風邪がつらいときは素直に薬を飲んだほうがいいです。
私自身、実際に試してみて思ったのは「薬がない時代の知恵としては素晴らしいけど、現代には現代の方法がある」ということ。
でもね、ちょっと喉がイガイガするかな…くらいの軽い風邪っぽさのときには、薬を飲むほどでもないし、こういう飲み物で温まるのは悪くないと思います。
あと、寝酒として飲む場合の注意点もひとつ。
アルコールは寝付きを良くしますが、中途覚醒が増えて睡眠の質は下がります。
1杯だけをゆっくり飲んで、温かいうちにベッドに入るのがベストですよ。


基本のホットトディーの作り方【5分で完成】

では、いよいよホットトディーの作り方を紹介しましょう。
用意するものはたったの4つ。5分あれば完成します。
バーで出てくるような凝ったレシピではなく、風邪でだるい夜でもサッと作れる家庭向けの手順です。
材料と道具(4つだけ)
ホットトディーの材料はとてもシンプルです。
特別な道具も必要ありません。
耐熱グラスかマグカップがあれば、あとは家にあるもので作れますよ。
| 材料 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| ウイスキー | 45ml(大さじ3) | 手頃な銘柄でOK |
| お湯 | 90ml | 70〜80℃がベスト |
| はちみつ | 小さじ1〜2 | お好みで調整 |
| レモン | スライス1枚 | ポッカレモンでも可 |
作り方の手順(たった3ステップ)
手順は驚くほど簡単です。
ホットトディーの作り方を覚えたら、もう忘れることはないと思います。
【Step 1】グラスを温める
耐熱グラスにお湯を注いで1分ほど置き、グラスを温めます。
その後、お湯は捨ててください。
【Step 2】材料を入れて混ぜる
温めたグラスにウイスキーとはちみつを入れ、先に軽く混ぜます。
その後、70〜80℃のお湯を注いでよくかき混ぜましょう。
はちみつを先にウイスキーと混ぜておくと溶けやすいですよ。
【Step 3】レモンとスパイスを添える
レモンスライスを浮かべ、お好みでシナモンスティックを添えれば完成です。
ポイントは、沸騰直後のお湯を使わないこと。
熱すぎるとウイスキーの香りが飛んでしまいます。
ケトルで沸かしたら1〜2分待つくらいがちょうどいい温度です。
美味しく作る3つのコツ
せっかく作るなら美味しく飲みたいですよね。
ここでは、私が実際に何度か作ってみて分かったコツを3つ紹介します。
コツ1: お湯の温度は70〜80℃
沸騰直後のお湯はウイスキーのアルコールと一緒に香りまで飛ばしてしまいます。
ケトルで沸かしたら1分待つか、沸かしたお湯に少し水を足す感じでOKです。
コツ2: グラスは事前に温めておく
冷たいグラスに注ぐとすぐに冷めてしまいます。
面倒でもお湯で温めるひと手間が、最後まで温かく美味しく飲める秘訣です。
コツ3: はちみつは先にウイスキーと合わせる
お湯を注いでからはちみつを入れると、底に溜まって溶けにくいんです。
先にウイスキーとはちみつを混ぜてからお湯を注ぐと、綺麗に溶けますよ。
ちなみに、電子レンジで温め直すのだけはやめてくださいね。
アルコールと香りが飛んで、ただの甘い白湯になっちゃいますから。
症状・気分別アレンジレシピ5選
基本のレシピをマスターしたら、次はアレンジを楽しんでみましょう。
ホットトディーの良いところは、風邪の症状や気分に合わせて自由にカスタマイズできること。
レシピは無限大です。
喉が痛いとき → はちみつ増量ジンジャートディー
喉がイガイガするときは、はちみつを大さじ1に増量して、さらに生姜のすりおろしを小さじ1追加します。
生姜の辛みが喉をじんわり温めてくれて、汗をかくくらいポカポカになりますよ。
わざわざ生の生姜を用意しなくても、冷蔵庫にあるチューブ生姜で全然OKです。
風邪のときに生姜をすりおろす元気なんて、たぶんないですからね。
悪寒がするとき → スパイスたっぷりトディー
ゾクゾクと寒気がするときは、スパイスを贅沢に使いましょう。
シナモンスティック1本、クローブ2〜3粒、スターアニス1個を入れます。
チャイのような華やかな香りが広がって、気分まで温まるんですよね。
スパイスの抗菌・血行促進効果で、体を芯から温めてくれます。
見た目もスパイスが浮かんでなかなか良い雰囲気なので、SNSに上げても映えますよ。
リラックスしたい夜に → アップルシナモントディー
これは風邪じゃないときにもおすすめのアレンジです。
お湯の半分をりんごジュース(果汁100%)に置き換えて、シナモンを添えるだけ。
アップルパイのような優しい甘さが広がって、本当に美味しいんですよ。
バーボンのメーカーズマークとの相性が特に良いです。
バニラとキャラメルの風味がりんごの甘さとマッチして、冬の夜のご褒美ドリンクになります。
お酒が飲めない人にも → ノンアルコールトディー
ウイスキーの代わりに紅茶をベースにして、はちみつ+レモン+生姜+シナモンで作ります。
アルコールなしでもホットトディーの温かさと素材の効能は十分に感じられますよ。
お子さんや妊婦さん、車を運転する方にもおすすめです。
知人に聞いた話では、海外では実際にこのノンアルコール版を子供に飲ませている家庭も多いんだそうです。
カフェインが気になる方は、ルイボスティーで代用するのもアリですね。
二日酔いの朝に → レモン多めの薄めトディー
…これを書くと「迎え酒じゃないか」って怒られそうですけど。
ウイスキーを少なめ(20ml)にしてお湯を多めに入れ、レモンをたっぷり絞ります。
クエン酸で胃がスッキリして、はちみつで血糖値が安定するんですよね。
正直に言うと、これは「迎え酒」ではなく「回復のための一杯」という立ち位置です。
とはいえ、本当に二日酔いがひどいときはお酒じゃなくてスポーツドリンクにしてくださいね(個人の感想です)。
ホットトディーにおすすめのウイスキー4選

ホットトディーに使うウイスキー、何を選んだらいいか迷いますよね。
結論から言うと、高いウイスキーは必要ありません。
お湯で割ってはちみつとレモンを加えるので、繊細な風味は正直もったいない。
手頃な銘柄で十分美味しく作れますよ。
【イチオシ】ジェムソン スタンダード(アイリッシュ)
私がホットトディーに一番おすすめしたいのが、ジェムソン スタンダードです。
アイルランド発祥のウイスキーで、ホットトディー文化が根付いた国の定番銘柄ですね。
3回蒸留でクセがなく、滑らかな口当たりが特徴です。
はちみつやレモンの風味を邪魔せず、むしろ引き立ててくれるんですよ。
1,500〜2,000円くらいで買えるコスパの良さも魅力。
お酒に関わる仕事をしている私の意見としては、ホットトディーにはジェムソンが一番しっくりきます。
迷ったらこれを選んでおけば間違いないですよ。
甘口好きに|メーカーズマーク(バーボン)
甘めのホットトディーが好きなら、メーカーズマークがおすすめです。
冬小麦由来のまろやかな甘みがあって、バニラとキャラメルの風味がはちみつと最高に合います。
特に先ほど紹介したアップルシナモントディーとの組み合わせが抜群です。
2,000〜2,500円で手に入りますよ。
コスパ最強|デュワーズ ホワイトラベル(スコッチ)
「とにかく安くて美味しいのがいい」という方には、デュワーズ ホワイトラベルをおすすめします。
1,000〜1,500円で買えるスコッチの定番で、軽やかでクセが少ないのが特徴です。
素材の風味を邪魔しないので、日常使いのホットトディーに最適なんですよ。
冬の間は常備しておいて、ちょっと寒いなと思ったらサッと作る。
スコットランド本場の気分が味わえますよ。
ワンランク上を目指すなら|グレンモーレンジィ オリジナル12年
「特別な夜の一杯」として楽しみたいなら、グレンモーレンジィ オリジナル12年を試してみてください。
2024年にリニューアルされたフラッグシップボトルで、柑橘系のフルーティさとバニラの甘みが持ち味のシングルモルトです。
レモンとの相性が抜群で、ホットトディーが上品な味わいになります。
5,000〜6,000円台とお値段は張りますが、ご褒美トディーとして格別です。
「今日は頑張ったな」という夜にぜひどうぞ。
ホットトディーQ&A|よくある疑問に酒おやじが回答
ホットトディーについて、よくある疑問をまとめました。
気になるところだけでもチェックしてみてくださいね。
寝る前に飲んでも大丈夫?
結論から言うと、就寝30分〜1時間前に1杯だけなら問題ありません。
リラックス効果で寝付きは良くなりますが、飲み過ぎると中途覚醒が増えて睡眠の質はかえって下がります。
温かいうちにゆっくり1杯だけ飲んで、布団に入るのがベストですよ。
ウイスキー以外のお酒でもOK?
はい、ブランデーやラム酒でも作れます。
紅茶にブランデーを入れるのはフランス風の楽しみ方ですし、ラムを使うと甘みが強めの仕上がりになります。
ただ、「ホットトディー」と呼ぶならやはりウイスキーが正統派ですね。
スコットランドやアイルランドのおじいちゃんに怒られちゃいますから。
作り置きはできる?
基本的にはその都度作るのがベストです。
作り置きすると時間と共にアルコールが飛んでしまい、風味がだいぶ落ちます。
ただし、はちみつにシナモンとクローブを漬け込んだ「スパイスシロップ」は事前に仕込めるので、忙しい夜にはかなり時短になりますよ。
瓶に入れて冷蔵庫で1週間くらい持ちます。
ホットトディーに合うおつまみは?
ホットトディーに合わせるなら、チョコレートが一番のおすすめです。
カカオの苦みとはちみつの甘みが絶妙にマッチします。
あとはドライフルーツやナッツ類も好相性ですね。
まぁ正直なところ、風邪のときは無理しておつまみを用意する必要はないと思います。
ホットトディーだけでゆっくり温まるのが一番ですよ。
ちなみに、元気なときにホットトディーを楽しむなら、ナッツの香ばしさがウイスキーの風味を引き立ててくれるので試してみてください。
Q. ホットトディーは寝る前に飲んでも大丈夫?
就寝30分〜1時間前に1杯だけなら問題ありません。リラックス効果で寝付きは良くなりますが、飲み過ぎると中途覚醒が増えて睡眠の質が下がります。温かいうちにゆっくり1杯だけ飲むのがベストです。
Q. ウイスキー以外のお酒でもホットトディーは作れる?
ブランデーやラム酒でも作れます。紅茶にブランデーを入れるのはフランス風の楽しみ方ですし、ラムを使うと甘みが強くなります。ただし「ホットトディー」と呼ぶなら、やはりウイスキーが正統派ですね。
Q. ホットトディーの作り置きはできる?
基本的にはその都度作るのがおすすめです。作り置きするとアルコールが飛んで風味が落ちてしまいます。ただし、はちみつにシナモンとクローブを漬け込んだ「スパイスシロップ」は事前に仕込めるので、時短になりますよ。
Q. ホットトディーは本当に風邪に効くの?
医学的に「風邪を治す」効果は証明されていません。ただし、WHOがはちみつを咳止めとして推奨しているように、各素材には喉を和らげたり体を温めたりする働きがあります。あくまで民間療法として楽しんでください。

まとめ|寒い夜のお供にホットトディーを
ホットトディーは、ウイスキー+お湯+はちみつ+レモンだけで5分で作れる、シンプルで奥深い一杯です。
体を芯から温めてくれて、はちみつが喉を優しく包んでくれる。
昔の人たちが薬代わりに飲んでいたのも頷けます。
私自身、ベトナム人の知人に教えてもらって初めて作ったとき、その美味しさと温かさに驚きました。
正直、現代では薬を飲んだほうが確実です。
でも、薬がない時代や国の文化をこうやって体験できるのは、お酒好きとしてはとても面白い経験でしたね。
まずはジェムソン1本とはちみつ、レモンを用意するところから始めてみてください。
寒い夜、ちょっと風邪っぽいなと思ったとき、薬を飲むほどでもないかな…という夜に。
ホットトディーが、あなたの晩酌レパートリーの新しい定番になるかもしれませんよ。
※飲み過ぎと風邪薬との併用にはくれぐれもご注意ください。お酒は20歳になってから。
気になった方は、まずはウイスキーの価格だけでもチェックしてみてくださいね。


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