いやぁ、居酒屋で何気なく「とりあえずハイボールで!」って頼んでる人、多いですよね。
かくいう私もその一人なんですが。
でもふと思ったことありませんか?
「この1杯、原価っていくらなんだろう?」って。
結論から言っちゃうと、居酒屋のハイボール1杯の原価は、だいたい50〜80円程度なんですよ。
「えっ、500円で出してるのに原価80円!?」って驚きますよね。
お酒に関わる仕事を長年やっている私でも、改めて計算するとなかなかの数字だなと思います。
この記事では、ハイボールの原価の内訳から、居酒屋がハイボールを推す理由、家飲みとのコスパ比較まで、全部まるっとお話ししていきます。
※この記事の情報は個人の調査・経験に基づくものです。お店によって仕入れ値や原価率は異なります
居酒屋のハイボール1杯の原価はいくら?
居酒屋のハイボール1杯の原価は、ズバリ50〜80円前後です。
使うウイスキーの銘柄やお店の仕入れルートによって多少前後しますが、大体この範囲に収まります。
「えっ、たったそれだけ?」と思いますよね。
私も最初にちゃんと計算したときは、正直びっくりしましたよ。
では、この50〜80円がどういう内訳なのか、ちょっと分解して見ていきましょう。
ハイボール1杯の原価内訳
ハイボール1杯の原価を分解すると、大きく3つの要素に分けられます。
一般的な居酒屋では、ウイスキー約30ml+炭酸水約120ml+氷でハイボール1杯を作っています。
これを原価に換算すると、こうなります。
| 項目 | 1杯あたりの原価 | 備考 |
|---|---|---|
| ウイスキー(30ml) | 約25〜50円 | 業務用大容量ペット使用時 |
| 炭酸水(120ml) | 約10〜20円 | 業務用炭酸水使用 |
| 氷 | 約5〜10円 | 製氷機 or 業務用氷 |
| 合計 | 約40〜80円 | 一般的には50〜70円 |
原価率はたった10〜15%という衝撃
居酒屋のハイボールの販売価格は、チェーン店で390〜480円、個人店だと450〜550円くらいが相場です。
原価50〜70円で売値が450円だとすると、原価率はなんと11〜16%。
飲食店の一般的な原価率が30%前後と言われている中で、これはかなり低い数字なんですよ。
お酒に関わる仕事をしている身としては、「そりゃあ居酒屋がハイボール推しになるわけだよな」と妙に納得してしまいます。
※原価率=原価÷販売価格×100で計算しています
なぜ居酒屋のハイボールは安くて儲かるのか?

ハイボールの原価率が10〜15%というのは、居酒屋のドリンクメニューの中でもトップクラスの低さです。
じゃあ他のドリンクと比べるとどうなのか?
ここではビールやサワーなど、居酒屋の定番ドリンクと原価率を比較してみます。
ビール・サワー・ワインとの原価率を比較
居酒屋で提供される主なドリンクの原価率を並べてみると、こんな感じになります。
| ドリンク | 原価率 | 1杯の原価目安 |
|---|---|---|
| ハイボール | 10〜15% | 50〜70円 |
| サワー類 | 10〜15% | 40〜60円 |
| 焼酎(水割り・お湯割り) | 15〜20% | 60〜100円 |
| ソフトドリンク | 10〜20% | 20〜40円 |
| 生ビール | 30〜50% | 150〜230円 |
| ワイン(ボトル) | 30〜50% | 仕入値の1.5〜2倍 |
居酒屋がハイボールを推すビジネス上の理由
原価率の低さだけじゃなく、居酒屋がハイボールを推す理由は他にもあります。
1. オペレーションが超簡単
ハイボールタワー(ディスペンサー)を導入している店なら、レバーを引くだけで一定品質のハイボールが出てくる。
バイトの子でもすぐに提供できるので、人件費も抑えられます。
2. ウイスキーの保存性が高い
開封してもビールや日本酒のように劣化しにくい。
大容量ペットなら数週間かけて使い切っても品質が落ちにくいんですよ。
3. 回転率が良い
ハイボールは炭酸が入っているのでスイスイ飲める。
ビールに比べて飲むスピードが早い傾向があり、追加注文につながりやすいんです。
正直、居酒屋にとってハイボールは「安い・簡単・儲かる」の三拍子が揃った最強ドリンクと言っても過言ではないですね。
銘柄別ハイボール原価を計算してみた
ここまで「原価50〜80円」と大まかに言ってきましたが、使うウイスキーの銘柄によって原価はけっこう変わります。
居酒屋で使われているウイスキーの銘柄別に、ハイボール1杯の原価を実際に計算してみました。
角・トリス・ブラックニッカの原価比較表
居酒屋で使われる定番ウイスキー3銘柄で比較してみましょう。
いずれも業務用の大容量ペットボトルでの計算です。
ちなみにサントリー角は2023年頃に4Lペットが休売となり、現在は5Lの「特製角」に切り替わっています。味わいもハイボール向けにチューニングされた別仕様なんですよ。
| 銘柄 | 容量・仕入値(税込目安) | ウイスキー代/杯 | 合計原価/杯(炭酸+氷込み) |
|---|---|---|---|
| サントリー特製角 | 5L/約10,500〜14,500円 | 約63〜87円 | 約80〜110円 |
| サントリートリス | 4L/約4,100〜4,600円 | 約31〜35円 | 約50〜60円 |
| ブラックニッカ クリア | 4L/約4,200〜4,500円 | 約32〜34円 | 約50〜60円 |
プレミアムハイボールの原価はどうなる?
最近は「白州ハイボール」や「山崎ハイボール」なんかを出すお店もありますよね。
こういったプレミアムウイスキーを使うと、原価はどうなるのか。
700mlボトルの仕入れ値で計算すると、1杯あたりのウイスキー代だけで100〜200円に跳ね上がります。
炭酸水と氷を加えると、1杯の原価は130〜250円、原価率は20〜25%程度に。
とはいえ、それでも生ビールの原価率(30〜50%)より低いんですよ。
プレミアムハイボールは販売価格700〜1,000円くらいで提供されるので、お店にとっても十分利益が出る。
私たち消費者にとっても、ちょっと贅沢な気分が味わえる。
Win-Winの関係ですね。
居酒屋 vs 家飲み:ハイボールのコスパ徹底比較
さて、ここからが皆さん一番気になるところじゃないでしょうか。
「居酒屋で飲むのと家で作るの、どっちがお得なの?」
ハイボールの居酒屋での原価率がわかったところで、家飲みハイボールとのコスパを具体的な数字で比較してみましょう。
1杯あたりのコストを比較
居酒屋で飲む場合と家飲みの場合で、1杯あたりのコストを並べてみます。
| 飲み方 | 1杯あたりコスト | 条件 |
|---|---|---|
| 居酒屋(チェーン) | 390〜480円 | 販売価格(原価は50〜80円) |
| 居酒屋(個人店) | 450〜550円 | 販売価格(原価は同程度) |
| 家飲み(ペットボトル炭酸) | 80〜100円 | トリス4L+市販炭酸水 |
| 家飲み(炭酸メーカー) | 約55〜65円 | トリス4L+ソーダストリーム |
| 家飲み(最安構成) | 約45〜55円 | トリス4L+炭酸メーカー+氷自作 |
月に20杯飲む人の年間差額シミュレーション
もうちょっと具体的に、月に20杯飲む人(週5杯ペース)で年間の差額をシミュレーションしてみましょう。
居酒屋の場合:
450円 × 20杯 = 月9,000円
年間: 108,000円
家飲みの場合(ペットボトル炭酸水使用):
90円 × 20杯 = 月1,800円
年間: 21,600円
差額は年間でなんと約86,000円。
8万円以上あったら、ちょっと良いウイスキーのボトルが何本買えることか……。
ただし、これはあくまでドリンク代だけの比較です。
居酒屋には場の雰囲気、仲間との会話、おつまみ込みの楽しさがありますからね。
私は「普段は家飲みでコスパ良く楽しんで、たまに居酒屋で仲間とワイワイ」というスタイルに落ち着きました。
この使い分けが、一番賢いんじゃないかなと思っています。
飲み放題でハイボールを頼みまくると店は損する?
ここでちょっと面白い話をしましょう。
飲み会で飲み放題を注文したとき、こんなこと考えたことありませんか?
「ハイボールをたくさん頼んだら、お店は損するんじゃないか?」って。
結論から言うと、ハイボールをどれだけ飲んでも、お店はほぼ確実に利益が出ます。
ちょっと計算してみましょう。
飲み放題の料金は、一般的に2,000〜3,000円(税込)くらいが相場。
ドリンクのみの飲み放題なら1,500〜2,000円程度のプランもありますね。
では、ハイボールを10杯飲んだとします(なかなかのハイペースですが)。
原価は60円 × 10杯 = 600円。
飲み放題料金2,000円に対して原価600円なので、原価率はわずか30%。
お店にはまだ1,400円の粗利が残ります。
ちなみに飲み放題の平均的な原価率は20〜25%と言われていて、1人あたりの平均杯数は4〜5杯程度。
10杯飲む猛者はそうそういないので、ハイボール飲み放題はお店にとってむしろ「ありがたいお客さん」なんです。
※むしろ飲み放題で店が痛いのは、ビールばかり飲むお客さん。生ビール10杯だと原価だけで1,500〜2,300円に達し、飲み放題料金を超えてしまう可能性があります
お酒に関わる仕事をしている人間からすると、「飲み放題ではハイボールやサワーを飲んでくれるお客さんが一番ありがたい」というのはよく聞く話ですね。
まぁ、だからといって遠慮する必要はないんですけどね。
おいしく楽しく飲むのが一番ですから。
なぜ居酒屋はハイボール推し?ブームの裏側
今でこそ居酒屋の定番ドリンクになったハイボールですが、実はほんの20年くらい前まで、ウイスキー業界は大ピンチだったんですよ。
1983年にピークを迎えたウイスキーの国内出荷量は、2008年にはなんと約5分の1にまで縮小していました。
私が若い頃はウイスキーの水割りが飲み会の定番だったんですけどね。
いつの間にか「おじさんの酒」というイメージがついてしまって、若い人がウイスキーから離れていきました。
そこで動いたのがサントリーです。
2007年にハイボールタワー(サーバー)を開発し、2008〜2009年にかけて「角ハイボール」を猛プッシュ。
若い世代でも飲みやすいハイボールという形で、ウイスキーの復活を図ったんです。
居酒屋側にとっても、ハイボールは先ほど見たように原価率が低くて利益が出やすい。
しかもタワーを使えばオペレーションも楽。
「低原価・高回転・若者受け」の三拍子が揃った結果、爆発的に居酒屋に普及していきました。
私のように昔からウイスキーを飲んでいた人間としては、ハイボールブームのおかげでウイスキーの選択肢が増えたのは嬉しい限り。
「おじさんの酒」から「みんなの酒」になってくれて、なんだかホッとしましたよ。
酒おやじ流・家飲みハイボールのコスパ最強メソッド

居酒屋のハイボール原価がわかったところで、最後に家飲みでさらにコスパ良くハイボールを楽しむ方法をお伝えしますね。
ポイントは2つだけ。
ウイスキーのサイズと炭酸水のコストを見直すだけで、1杯あたりの費用が劇的に変わります。
ウイスキーは大容量ボトルが正義
家飲みでハイボールを作るなら、700mlの瓶ではなく4Lの大容量ペットボトルがおすすめです。
例えばサントリートリスクラシックの場合。
700mlだと約900〜1,100円ですが、4Lなら約4,100〜4,600円。
1mlあたりの単価で比較すると、4Lの方がかなりお得なんですよ。
「4Lも飲み切れるかな?」と心配する方もいるかもしれませんが、ウイスキーは開封後も劣化しにくいお酒。
毎日1〜2杯飲む人なら2〜3ヶ月で無理なく使い切れます。
私自身、もう何年もトリスの4Lペットをリピートし続けていますよ。
コスパと味のバランスが、家飲みハイボールにはちょうど良いんです。
炭酸水コストを下げるのがカギ
意外と見落としがちなのが、炭酸水のコストです。
ペットボトルの炭酸水は1本(500ml)で60〜100円。
ハイボール1杯に120ml使うとして、1杯あたり約15〜25円かかります。
これを炭酸メーカー(ソーダストリームなど)に切り替えると、1杯あたり約5〜12円に下がります。
初期投資は1万円前後かかりますが、毎日飲む人なら3〜4ヶ月で元が取れる計算。
しかも好みの強さで炭酸を作れるので、強炭酸好きの方には最高ですよ。
うちの妻にも「また炭酸マシン使ってるの?」と言われますが、これがあるとないとでは毎月のドリンク代がぜんぜん違うんですよね。
※お酒は20歳になってから。飲酒は適量を心がけましょう
まとめ:居酒屋のハイボール原価を知って賢く飲もう
この記事のポイントをまとめておきますね。
・居酒屋のハイボール1杯の原価は50〜80円、原価率は10〜15%
・ビール(原価率30〜50%)に比べて、ハイボールはお店にとって利益の大きいドリンク
・トリス、ブラックニッカの原価はほぼ横並び。角は特製角5Lに切り替わりやや高め
・家飲みなら1杯45〜100円。居酒屋の5分の1以下で楽しめる
・飲み放題でハイボールを飲みまくっても、お店は余裕で利益が出る
・ハイボールブームの裏にはサントリーの復活戦略あり
居酒屋のハイボールが安い理由、おわかりいただけましたか?
原価を知ると「ちょっと高いな」と感じるかもしれませんが、居酒屋にはお店の雰囲気や仲間との時間という「原価に含まれない価値」がありますからね。
普段の晩酌は家飲みでコスパ良く、特別な日は居酒屋でワイワイと。
この使い分けが、酒おやじ流の賢い飲み方です。
原価を知った上で飲む一杯は、また格別ですよ。


コメント